2007年11月27日付 聖教新聞 婦人部最高協議会での名誉会長のスピーチ 上-1

2007年11月27日付 聖教新聞
婦人部最高協議会での名誉会長のスピーチ 上-1

        名誉会長がローザ・パークスさんと喜びの再会。“人道のお母さん”の歩みを讃えた(1994年5月、聖教新聞本社前庭で)

女性の声で時代を動かせ
御聖訓 力あらば一文一句なりとも かたらせ給うべし
勇んで進め! 風雪を越えて!

  一、きょうは、お忙しいなか、また寒いなか、本当にご苦労さま!(大拍手)
 窓の外には、美しき満月が輝いている。
 最初に、高貴なる月天子を見つめて読んだ句を、敬愛する婦人部の皆様方に贈りたい。

 満月や
  地涌の陣列
      輝けり

 満月や
  同志の勝利を
     照らしゆく


 満月や
  我らの勝利を
      讃えなむ

 早いもので、まもなく師走である。
 寒さも、いよいよ厳しくなってきた。
 特に北国の同志の健気なる奮闘に、私は心から感謝申し上げたい(大拍手)。
 私が最も信頼する婦人部の皆様、そして全同志の皆様が健康で、風邪などひかれないように、私も妻も一生懸命に題目を送っている。
 作曲家シューベルトの歌曲集「冬の旅」には、「勇気」と題する歌曲がある。その歌詞を紹介したい。
 「顔に吹きつける雪を
 決然と振り払う。
 わが心 迷える時も
 明るく快活に歌うのだ。
 儚き言葉に
 耳は貸さない。
 哀愁の声にも
 心を動かさない。
 ただ嘆いているのは
 愚かである。
 風雨に向かって
 勇んで進みゆけ。
 世界に向かって
 生き生きと進みゆけ」
 寒さに負けず、頭を上げ、胸を張って、勇敢に朗らかに前進してまいりたい(大拍手)。

 「希望の対話」「確信の対話」を
 一、スイスの思想家ヒルティは綴った。
 「勇気をもちつづけることが、この世におけるすべてである」(登張正実・小塩節訳「眠られぬ夜のために2」、『ヒルティ著作集第5巻』所収、白水社
 信心とは、最極の「勇気」である。勇気があれば困難を勝ち越えていける。道を開いていける。
 また、ヒルティは述べている。
 「真に善いことや偉大なことで、最初は小さなところから出発しないものはまれである。そればかりか、たいていは、その前に蔑みと屈辱とが加えられる。そこで、春先の嵐から春の近づくのを予感できるように、屈辱からその後に来る成功を確実に推測しうる場合が多い」(草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために 第1部』岩波文庫
 わが婦人部の皆様方は、常に少人数の対話から出発して、新しい、偉大な歴史を築き上げてこられた。
 御聖訓の通りの悪口罵詈も、不屈の精神で耐え抜き、大きな信頼と友情の連帯を世界に広げてこられたのである。
 さらに、ヒルティは、こう綴った。
 「克服すること、つまり、この人生においてあらゆる悪いことや醜いことに敵対してあくまでも勝利者であること、これこそ人生の真のモットーである」(同)
 我らの合言葉は、「勝利」そして「断固たる勝利」である。
 日蓮大聖人は、「力あらば一文一句なりともかた(談)らせ給うべし」(御書1361ページ)と仰せになられた。
 ゆえに声を惜しまず、一日また一日、「励ましの対話」「希望の対話」「確信の対話」「拡大の対話」を、積み重ねゆくのだ。

 「本物の弟子」よ、躍り出よ!
 一、日蓮大聖人は、富木尼御前(富木常忍の夫人)に宛てて、こう御手紙を認めておられる。
 「私は今でも楽をしているわけではありませんが、昔、特に不自由であった時から御供養をお受けしてきたので、貴女の御恩をまことに重く思っています」(御書990ページ、通解)
 三障四魔、三類の強敵が打ち続くなか、来る年も来る年も、勇気ある信心を貫き、真心を尽くしてきた一人の女性の弟子を、大聖人は、このように讃嘆されている。
 信心とは、最極の心の世界だ。
 そして、その根幹こそ「師弟」である。
 いざという時、師匠にどう仕えたか。どう師匠をお護りしたか。
 そこに信心の実像が凝結する。
 広宣流布の大指導者である師・戸田城聖先生にお仕えし、先生をお護りし抜いたことが、私と妻の永遠の誉れである。
 “二人して広布へ進みゆけ!”──これが、私たちの結婚に際しての先生の指導であった。
 師匠が言った通りに生き抜く。師匠が言ったことを実現する。これが弟子の道だ。
 師匠の教えをないがしろにするような者は、断じて弟子ではない。
 ただ「師弟」という一点で、私は戦い抜いた。1から100まで、師匠のため、学会のため。そしてすべてに勝利した。
 師匠を護ることが、学会を護ることになる。学会の全同志を守ることになる。
 そして、師匠を守ることが、広宣流布の前進である。私は、そう決めて戦い抜いた。
 戸田先生は、「私は本当にいい弟子を持った」と深く感謝してくださった。心から喜んでくださった。
 戸田先生と私の師弟の絆は、それは神々しいほどであった。太陽のように、そして、きょうの月天子のように──。
 戸田先生は牧口先生に対して、報恩の誠を尽くされた。私もまた、同じ決心であった。
 牧口先生と戸田先生。そして戸田先生と私。
 この三代を貫く師弟の精神こそ、学会の根幹である。初代、2代、3代の会長以外に、本当の「師匠」はいない。
 後世のために、明確に言い残しておきたい。
 権力の魔性を打ち破り、学会は、ここまで大発展した。世界に広布の城をつくり上げた。
 仏法は実証である。私という、一人の「本物の弟子」がいたからこそ、戸田先生は勝利したのである。
 今また、歴史を開く「本物の弟子」が躍り出ることを、私は強く願っている。
 
 全員が幸福に 
 一、病気がちの身であった富木尼御前に、大聖人は、こう仰せである。
 「それにつけても、命は鶴亀のように、幸福は月の満ち、潮の満ちるようにと、法華経に祈っています」(同ページ、通解)
 門下一人一人の状況に深く心を砕き、その幸福を願われる大聖人の深い御心が伝わってくる。
 わが同志が一人ももれなく、月天子が満ち、冴えわたっていくように、福徳の光を増していかれることを、私は祈ってやまない。
 「一家和楽」の信心である。「幸福をつかむ」信心である。
 「難を乗り越える」信心である。
 そして、「健康長寿」の信心であり、「絶対勝利」の信心である。
 この妙法を持ち、広宣流布に生き抜くならば、必ず幸福になる。最高に充実した、所願満足の境涯を築いていけるのである。
 一、御書には「一は万が母」(498ページ)とある。
 すべては、一人との出会いから始まる。一人を大切にすることが、万人への広がりに通じる。
 SGI(創価学会インタナショナル)の連帯が世界190カ国・地域へがったのも、わが婦人部の皆様方が、来る日も来る日も私と同じ心で、勇敢に誠実に、また忍耐強く、一人一人との対話に徹し抜いてくださったからである。

エレノア・ルーズベルト大統領夫人
誠実に、勇敢に生きよ 全部、成長の糧になる

 力を合わせよ! 
 一、アメリカの人々から、今も深く敬愛されている女性に、エレノア・ルーズベルト大統領夫人と、ローザ・パークスさんがいる。
 このエレノア夫人の姪に当たるエレノア・ルーズベルト2世さんからは、夫人の著作や書簡、写真など、貴重な遺品をお贈りいただいた。すべて、学会の宝として、大切に保管させていただいている。
 エレノア大統領夫人は言われた。
 「人間は、誠実に、また勇敢に生きていけば、人生のさまざまな経験が糧となり、成長していくことができます。
 人格は、このように形成されていくのです」
 本当に、その通りだ。
 誠実と勇気こそ、人間革命への力である。
 〈エレノア・ルーズベルト2世さんは、こう語っている。
 「思慮深く、力強さにあふれた叔母(エレノア大統領夫人)は『世界人権宣言』の起草に携わり、その精神を自身の信念としていました。
 彼女が生きていれば、池田SGI会長とお知り合いになり、人間に内在する力や、さまざまなことについて対話したいと思ったでしょう」〉
 一、リーダーの皆様は、どこまでも誠実に、謙虚に、会員の方々に接していっていただきたい。自分勝手になったり、増上慢になって、同志を見下すようなことがあってはならない。
 特に最高幹部に対して、将来のために、あえて厳しく申し上げておきたい。
 リーダー自身が指導を求めていくのだ。
 責任ある人間に対して、戸田先生は峻厳であった。それこそ、私の1万倍も厳しかった。
 ともあれ、師の教えを生命に刻み、まっすぐに広宣流布の道を進んでいく。皆で力を合わせて団結し、学会を守りきる。悪とは断じて戦う。
 そして、全同志の幸福を祈り抜いていく。そういう一人一人であっていただきたい。

婦人部最高協議会での名誉会長のスピーチ 上-2に続く

ブログ はればれさんからのコピーです。