2007年12月24日付 聖教新聞  広布第2幕 第4回全国青年部幹部会での名誉会長にスピーチ-2

2007年12月24日付 聖教新聞
広布第2幕 第4回全国青年部幹部会での名誉会長にスピーチ-2

チェーホフ この世に破れぬ壁は絶対ない

 宗教・芸術は民衆のために!
 一、貴アカデミーは、栄光輝く250年の歴史を刻んでおられます。
 貴アカデミーの先生方が明晰に論じておられるように、ロシアの芸術の中心には、一貫して「人間」があり、「民衆」があります。
 素晴らしい本質であり、根幹です。
 どこまでも人間生命の尊厳を信じる。いかなる苦難も悠然と乗り越え、全世界の民衆の幸福と、正義の勝利のために尽力しゆかんとする、高貴にして偉大な魂が光っているのであります。
 私の胸には、貴アカデミーの芸術家たちと、巨人トルストイとの魂の交流が思い起こされてなりません。
 「獅子」(ロシア語で「レフ」)という名前を持つトルストイは、「宗教のための人間」ではなくして、「人間のための宗教」の時代を開くために、まさに獅子のごとく戦い続けました。
 それゆえに、当時の宗教権力から、理不尽にも「破門」されたのです。あまりにも有名な史実であります。
 私たちも、嫉妬に狂った邪宗門から、同様の迫害を受けてきたことは、ご存じの通りです。
 正しかったのは学会であります。きょうの式典に出席してくださっている、アメリカの著名な宗教研究者であるストランド氏は、この点について、創価学会は「人間のための宗教」を実践し、100年先の時代をリードしていると、洞察してくださっております(大拍手)。

 わが人生勝利の堂々たる名画を
 一、トルストイが破門されると、ロシア芸術アカデミーの教授だった偉大な画家レーピンは、激怒しました。
 「(僧侶たちは)ならず者と一緒になってロシアの天才を虐殺しようとしている」と(モスクブィノフ、モルグノワ=ルドニツカヤ著、本田純一訳・編『レーピン』美術出版社)。
 そしてレーピンは、若き日から「人生の偉大な太陽」と仰ぐトルストイの見事な肖像画を発表し、精神界の王者の真実を世に宣揚していったのです。
 晩年のトルストイが、信念の言論ゆえに弾圧され、中傷された時も、レーピンは叫びました。
 ──トルストイは、皆が恐れて言えないことを言ってくれたのである。トルストイは正しい。いずれ、幾百万、幾千万人の人々が、我らの偉大な天才(トルストイ)の声に賛同し、そこに自らの名を連ねるだろう──。
 〈トルストイは生命尊厳と絶対平和主義の理念に立ち、論文「一人たりとも殺すなかれ」「黙ってはいられない」などを発表。革命家らを次々と処刑する政府を非難して死刑の廃止を訴えた。
 これに対して政府は、論文を掲載した新聞を弾圧。トルストイへの中傷が行われた〉
 このレーピンの言葉の通り、トルストイの80歳の誕生日には、その偉業を讃えて世界中から無数の祝賀と感謝が寄せられました。
 ともあれ、正義の師弟ほど強いものはない。
 病弱で、医師から"30歳までしか生きられない"と言われた私も、全世界の知性から祝福をいただき、真心からの同志と後継の青年に囲まれて、まもなく80歳を迎えます。ここに「創価の師弟」の勝利の証しを、厳然と示すことができました(大拍手)。
 どうか、わが青年部も、この私に続いて、一人ももれなく試練を勝ち越えていってほしい。
 試練がない人生など、本当の人生ではない。試練を勝ち越え、乗り越えていく。それが本物の人生です。偉くなる一つの証左なのです。
 そして、50年先の未来へ、人生勝利の堂々たる名画を描いていっていただきたい。そう約束し合いたい。
 約束を破ったら、大変だよ。頼むよ!〈会場から「ハイ!」との元気な返事が〉

中国周恩来総理
同志には春の如く温かくあれ! 仕事には夏の如く激しくあれ!
利己主義は秋風の如く吹き払え! 人民の敵には冬の如く対処せよ!

 勇気と強さを 
 一、わが親友のテヘラニアン博士(戸田記念国際平和研究所所長)とも語り合ってきた、13世紀ペルシャの大詩人ルーミーは歌いました。
 「人間を正しい道に手引きするものは苦悩である」「この世ではどんなことにせよ苦労なしに成就するものはない」(井筒俊彦訳『ルーミ一語録』岩波書店
 青春時代に勇んで苦労した者が、勝利者となるのです。男性の皆さん、いいでしょうか!
 また、今は「女性の世紀」ですので、女子部の皆さん、よろしくお願いします!(大拍手)
 33年前、周恩来総理と私の会見を撮影してくださった于広華(うこうか)先生も、きょうは、本当にようこそお越しくださいました。
 感謝申し上げます。
 人民の大指導者であり、世界中から尊敬されている周恩来総理は、次の言葉を若き友に贈りました。
 「同志にたいしては、春のように温かく、仕事にたいしては夏のように激しく、利己主義にたいしては、秋の風が落葉を吹き散らすようにこれを一掃し、人民の敵にたいしては、冬のように厳しく対処する」(新井宝雄著『周恩来の実践・指導力の秘密』潮出版社
 これが周総理の心でした。
 正義の青年は、この勇気と強さを持たなければいけない。
 また、これが私たちの学会精神でもあります。

 実行で決まる 
 一、私が、第1号の名誉博士号を拝受したのは、モスクワ大学からでした。1975年の5月のことです。
 その記念の講演で、私は、人間と人間の心を結ぶ「精神のシルクロード」を全世界に築きたいとの信念を語りました。
 私は、開かれた生命の対話と、たゆみなき文化の交流によって、この信念の大道を開いてきたつもりです。
 大事なのは「実行」です。その人間が、偉いか偉くないか。それは実行で決まる。
 いくら口がうまくても、立場が上であっても、何も実行しない人間は信用してはならない。逆に、何も言わなくても、また社会的地位がなくとも、正義のために行動する人は偉大なのです。
 動けば、道はできる。語れば、友は生まれる。
 わが愛する大事な青年とともに、一段と人類を結び合う「平和と友情のシルクロード」を、そして「正義と勝利のシルクロード」を、勇敢に、朗らかに、また地道に広げゆくことを決意して、私の謝辞といたします。
 世界を照らすロシア芸術アカデミー、万歳!
 未来を照らす、青年の太陽、万歳!(大拍手)
 一、最後に、いつも私たちを鼓舞してくれる音楽隊の皆様に、4首の和歌を贈りたい。

 全軍を
  常に鼓舞せむ
    音楽隊
   広宣流布
     輝く前途を

 晴れ晴れと
  希望と凱歌を
    天までも
   舞いに舞いゆく
     創価の楽雄

 この一年
  我らに勇気を
    贈りたる
   音楽隊の
    凛々しき君たち

 千万の
  我らの心に
    歓喜をば
   与え 響かむ
     音楽隊かな

 いつもありがとう!
 どうか、体を大事にしてください!(大拍手)
 きょうは長時間、本当にご苦労さま!
 また1年間、大変にありがとうございました。
 来年も、一緒に頑張りましょう! 勝ちましょう!
 ご出席くださった先生方にも、改めて深く御礼を申し上げます。
 それでは皆さん、よいお年を!
 お会いできなかった同志の皆様に、くれぐれもよろしくお伝えください(大拍手)。
 (2007・12・16)

広布第2幕 第4回全国青年部幹部会での名誉会長にスピーチ〔完
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