2008年1月16日付 聖教新聞  新時代第14回 本部幹部会

2008年1月16日付 聖教新聞
新時代第14回本部幹部会 
新時代第14回 本部幹部会 1回 全国婦人部幹部会でのスピーチ-2

師弟こそ勝利の鉄則
戸田先生 「信頼できるのは青年の心」
弟子は一人立った 師匠の構想を実現するため

 微笑みに感謝
一、19世紀フランスの科学者パスツール
 伝染病の原因の解明などに尽力し、「人類の恩人」と讃えられる。
 この大科学者は、母への感謝を、こう述べている。
 「勇気あるお母さん。あなたの情熱を、あなたは私に移し伝えられました」(ヴァレリー・ラド著・桶谷繁雄訳『ルイ・パストゥール』冨山房。現代表記に改めた)
 母が懸命に情熱を注いでくれたから、今の私がある。深い報恩の心を表現した言葉である。
 また、ドイツの大音楽家ベートーベンは語ったという。
 「自分に良いところがあるとすればそれは母のお陰だ」と(小松雄一郎訳『新編 ベートーヴェンの手紙〈上〉』岩波文庫の注を参照)。
 ベートーベンもまた、終生、母への感謝を忘れなかった。
 さらに、20世紀を生きたアメリカの女性作家パール・バック
 『大地』『母の肖像』などの作者として有名な彼女は、自らの母をこう讃えた。
 「母はどんな場合にも恐れたことがない」「(母は)微笑を惜まない」(村岡花子訳「母の肖像」、『ノーベル賞文学全集7』主婦の友社
 そして、「(母は)最後まで若々しい精神を持ちつづけ、不屈不撓、寛大」(同)であったと。
 まさに創価のお母さんの姿である(大拍手)。

 「人生は始まったばかり」
 一、先ほども触れたが、重ねて「成人式を迎える皆さん、おめでとう!」と申し上げたい。
 毎年、決意に満ちた新しい人材が淡々と踊り出る。指導者として、これほど、うれしいことはない。
 ロシアの文豪ドストエフスキーは記している。
 「あなたはいままさに青春時代、若さにみちあふれて、人生ははじまったばかりです──なんとこれは幸福なことでしょう! 人生を見失うことなく、ご自分の精神を大事にし、真実をお信じになることです」(小沼文彦訳『ドストエフスキ全壬集15』筑摩書房
 この言葉を新成人の諸君に贈りたい(大拍手)。

 米(アメリカ)の同志が活躍
 一、きょうは、信頼するアメリカの友も来てくださっている。
 初代会長の牧口先生は、大著『人生地理学』で展望しておられた。
 「将来の文明統合地は正に米国にあり」(「文明地論」)と。
 第2代会長の戸田先生も、常々、教えられた。
 ──戦後の日本に、民主主義の根幹である「信教の自由」の道を開いてくれたのは、アメリカである。その恩返しをするのだ、と。
 「恩を忘れるな!」。それが戸田先生の厳命であった。
 今、わが妙法の同志が、アメリカ社会の中で生き生きと活躍し、平和のため、人々の幸福のために勇んで貢献している。
 牧口先生、戸田先生の二人の大師匠が心から喜んでくださっているであろう。本当に、ありがとう!(大拍手)
 アメリカの公民権運動の闘士キング博士の有名な叫びに、こうある。
 「われわれが今日世界で必要としているのは、正義と善のために立ち上がる人々の存在である」(梶原寿訳『真夜中に戸をたたく』日本キリスト教団出版局)
 世界190カ国・地域で、正義と善のために行動している、わがSGIの同志こそ、「国の宝」であり、「世界の宝」であり、「人類の宝」である。
 こう私は、恩師とともに高らかに宣言したい(大拍手)。

 「敵は星の運行に逆行している」 
 一、アメリカの偉大な人権活動家で、社会学者、教育者であるデュボイス博士は語った。
 「命ある限り、人生の可能性を信じなさい。人間は、常に、より偉大な、より広大にして充実した人生に向かって生き、そして、進むのだ」
 わが学会も、前進また前進である。平和と文化の勝利に向かって!
 さらに博士は言った。
 「われわれの敵は、一時は優勢に見えようとも、星の運行に逆行している。正義と人間性は、断じて勝たなければならないのだ」と。
 正義と人間性に反する者は、いくら調子よく見えても、大宇宙の正しい道理と時の流れに逆行しているゆえに、必ず衰亡していく。それが歴史の方程式である。
 正義の創価は、断じて勝ち進もう! 朗らかに! 頼むよ!(大拍手)

 誓いの響き高らかに! 
 一、わがブラジルの交響楽団の皆さん、日本一の音楽隊と一緒に、世界一の名演奏、本当にありがとう!(大拍手)
 15年前、サンパウロ近郊に広がる、忘れ得ぬ自然文化センターで、私は、ブラジルの交響楽団の皆さんに申し上げた。
 「世界第一を目指そう! 世界各国で演奏して、いつの日か、日本へ凱旋の公演を!」と。
 皆さんは、そのとき、元気に手を振って、約束してくれた。
 そして、真剣に祈り、戦いを開始した。
 広大なブラジルでは、練習に集まるのも、どれほど大変なことか。
 いかなる試練も乗り越えて、皆さん方は、これまで世界の35都市で公演し、50万人もの人々に、希望の演奏を贈ってきた。
 貴国の大統領の前でも、堂々と演奏を行ったことは、よく存じ上げている。
 そして、きょう、その日がやってきた。
 日本への凱旋が見事に実現した。
 師弟の約束を厳然と果たしてくれて、本当にありがとう! 私はうれしい!(大拍手)
 一、19、20世紀のブラジルの音楽家ヴィラ=ロボスは語った。
 「音楽は、良き響き、調和の讃歌によって、平和を呼び出し、人類を導く。そして、音楽は、人類が理解し合い、生命の尊厳を讃え合い、人間同士が歓びをもって生きていくことを教えてくれる最良の模範である」
 日本でも、世界でも、音楽隊、鼓笛隊、合唱団の皆さん方の活躍によって、広宣流布が大きく推進された。
 私たちは、最高の感謝の拍手をもって讃えたい(大拍手)。
 皆さんの団結の響きによって、私たちは、どれはど勇気づけられてきたことか。音楽もなく、合唱もないところに、歓びはない。発展もない。
 暗く冷たいコンクリートに囲まれて生きているようなものだ。
 音楽隊、鼓笛隊、合唱団の皆さん方こそ、平和と文化の担い手であり、指導者である。
 創価の妙音菩薩として、人々を励まし、奮い立たせてきた大功徳は、三世永遠に響きわたっていくにちがいない。
 全員で、「万歳!」を贈りたい。〈感謝の心をこめ、全員で万歳三唱した〉

80歳を超えたトインビー博士──
 さあ語り合ましょう!

 “我らの対話が 人類を家族に” 
 一、私が、大歴史学者トインビー博士から、対談を要請する丁重な書簡をいただいたのは、1969年(昭和44年)であった。
 書簡には、「現在、人類が直面している諸問題に関して、二人で有意義に意見交換できれば幸いです」と綴られていた。
 この時、博士は、おいくつであったか。みずみずしい、そして若々しい80歳であった。
 トインビー博士は叫ばれていた。
 「私たちはこの地球上を永続的な平和と社会正義の状態におく転期にあるのかもしれない」
 そして博士は、私たちが「危機の時代」に生きているなら、それを「よい方向に転ずるようにできるだけのことをすれば、私たちは黄金の時代の先駆者となる可能性が多い」と述べておられる(松本豊治編訳『歴史の教訓』岩波書店)。
 そのトインビー博士が「世界的な出来事」と言って期待してやまなかったのが、私たちの創価の「人間革命」の大運動であった。
 2年越しの対談の結びに、トインビー博士は、私に強く語られた。
 「私たちの対話が意味するものは、人類全体を一つの家族として結束させる尊い努力です」
 当時は米ソ、中ソが対立していた。
 博士は、私が「日本とソ連」「日本とアメリカ」「日本と中国」の対話を重ねていくならば、ソ連アメリカ」「ソ連と中国」の対話へと発展していくであろうと期待して下さった。
 私は、この博士の言葉通りに、世界を対話で結び、人類の連帯を築いてきた。
 創価の対話は"世界の最も偉大な模範""現代の閉塞状況を打ち破る鍵"──このように、今、最高峰の知性が信頼を寄せてくださっている。
 私への、トインビー博士の第一声は、「さあ、語り合いましょう!」であった。
 今年も、世界中に「対話の旋風」を巻き起こしてまいりたい。

君よ創価諸葛孔明と立て
名指揮に学べ
 人材を登用 団結を重視 人の意見を聞く
 味方をつくる ホシを明快に 率先の行動

 強き祈りを!最高の努力を! 
 一、今年は、北京オリンピック──。
 その慶祝の意義を込めて、東京富士美術館(八王子市)で5月3日から「大三国志展」が開催される。〈5月には、同美術館の「新館」がオープンする予定〉
 これには、中国国家文物局の協力をいただき、わが国の国宝にあたる「国家一級文物」が展覧される。
 あの「赤壁の戦い」で有名な赤壁の遺跡から出土した鏃なども展覧される予定である(大拍手)。
 「赤壁の戦い」は、西暦208年、今から1800年前に繰り広げられた。ご存じのように、孫権劉備の同盟が、知略をもって、圧倒的な曹操の大軍を打ち破った戦いである。
 これにより、「天下三分の計」という諸葛孔明の展望へ、大きく時代が動いていった。
 「和恵」である。残らにとっては、偉大なる御仏智を引き出す「信心」「祈り」である。これこそ、最も強い力なのである。
 そして最高の「努力」。そこに勝利は生まれる。
 頑張ろう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 戸田先生は、このことを何度も話された。そして、『三国志』を読むように言われたのである。

新時代第14回 本部幹部会 1回 全国婦人部幹部会でのスピーチ-3に続く


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