2008年2月14日付 聖教新聞  新時代 第15回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-2

2008年2月14日付 聖教新聞
新時代 第15回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下-2

 異体同心で進め
 一、フランスの女性哲学者シモーヌ・ヴェイユは綴った。
 「すべて第一級の芸術は本質からして宗教的なものである。(今日ではこのことが忘れられている)」(渡辺義愛訳「重力と恩寵」、『シモーヌ・ヴェーユ著作集3』所収、春秋社)
 宗教性のない芸術はありえない。
 また、信仰なくして真の幸福もありえない。
 このことを忘れてしまったことが、現代の不幸の一因である。わびしい時代といえよう。
 ドイツの文豪ゲーテは記している。
 「真に志を同じくする人間とは、いつまでも不和が続くことはない。いつかかならずまた心が通いあうものだ。本来志を異にする人間と協調を保とうと求めてもむだである。そのつどかならずまた決裂が訪れる」(「箴言省察」から岩崎英二郎訳、『ゲーテ全集13』所収、潮出版社

わが地区の諸葛孔明に!
皆の目を自分の目に皆の耳を自分の耳に
指導者は多くの人の声を聞け

ゲーテ 志を同じくする人問とはいつか必ず心が通いあう

 志を同じくする「同志」であれば、たとえ少々ケンカをしたとしても、また一緒に前進していくことができる。
 妙法を唱え、広宣流布へ生きる学会の同志は一体である。意見や性格の相違があったとしても、信心を根本に、異体同心の団結で進んでいくのだ。
 しかし、本当に悪い人間は別である。学会を破壊する悪人とは、断じて戦わねばならない。
 一、ロシア連邦サハ共和国のヴラーソフ元首相は述べていた。
 「自分を選出してくれた国民を代表して、『国民の利益を将来まで展望し、開いていける人』が、本当の政治家だと思います。
 しかし、一度は、そういう思いでいても、世間の荒波にのまれて(理想を失い)消えていく政治家は、サハでも枚挙に暇がありません。
 人々のことを考えない政治家は、政治家ではなく、いずれ消えてしまう運命にあります」
 ヴラーソフ首相(当時)とは1999年3月に会見した。
 私はこれまで、世界中の指導者や識者とお会いしてきた。ありとあらゆる人と、平和への語らいを重ねてきた。

 タゴール広場を
 一、この中に、創価大学の出身者はいるだろうか?〈会場から「ハイ!」と返事が〉
 ご存じの通り、明年3月、創価大学に、新たに「タゴール広場」が誕生する。
 タゴールは、人間共和と生命の尊厳を高らかに歌い上げた、近代インドの大詩人だ。「詩聖」と讃えられている。
 私は、これまで、皆様を代表して、この詩聖の名を冠した「タゴール平和賞」を受賞したほか、タゴールが創立した「タゴール国際大学」、タゴールの生誕地にある「ラビンドラ・バラティ大学」から名誉博士号を受章している。
 タゴール広場には、インド文化関係評議会から寄贈された、高さ約3メートルのタゴール像が設置される予定である。
 どうか楽しみにしていただきたい(大拍手)。

 命をかけて!
 一、戸田先生は烈々と言われた。
 「(昭和20年)1月8日に、11月の(牧口)先生の死をお聞きしたとき、だれが先生を殺したんだと叫び、絶対に折伏して、南無妙法蓮華経のために命を捨てようと、決心したのであります」
 「命を捨てようとしたものに、なんで他の悪口、難が恐ろしいものであろうか」
 牧口先生の獄死は、一生忘れない! 生涯をかけて仇を討つ!──戸田先生は泣きながら、こう誓われた。
 そして、牧口先生の名を全世界に残す! 仏教史上に残す! そのために命を捨てて、牧口先生の弟子としての本望を遂げてみせると叫んだのである。
 これが牧口先生と戸田先生である。本当の師弟だ。師の正義の仇討ちのためにすべてをかける──今、この覚悟を持った人間が、どれくらい、いるだろうか。
 戸田先生は、命がけであったから、だれに悪口を言われようが、脅されようが、非難されようが、恐れなかった。
 私も同じだ。戸田先生のお心が、私にはよくわかる。
 皆さんには、この師弟の心を知っていただきたい。頼むよ!〈会場から「ハイ!」と返事が〉
 一、朗らかに進もう!
 御書には「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」(1124ページ)と仰せだ。師子は、何があっても悠然としている。
 皆さんは、何があっても、ニコッと微笑みながら、「私が行けば、大丈夫だ」と、すべてに打ち勝っていく──そういう「師子」であっていただきたい。
 〈ここで名誉会長の導師で題目を唱えた〉
 皆様の健闘を祈って会合を終わります。
 きょうは長時間、本当にありがとう! 海外の方、特にご苦労さまでした。
 どうか風邪をひかれませんように!
 春は、もうすぐだ。
 帰ったら全同志に、よろしくお伝えください。ありがとう!(大拍手)
 (2008・2・6)

 ※編集部として、名誉会長の了承のもと、時間の都合で省略された内容を加えて掲載しました。

新時代 第15回 本部幹部会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕



ブログ はればれさんからのコピーです。