2008年3月22日付 聖教新聞 創価大学・創価女子短期大学卒業式での名誉会長のスピーチ-3

2008年3月22日付 聖教新聞
創価大学創価女子短期大学卒業式での名誉会長のスピーチ-3
キルギス国立大学より「名誉博士号」授与


 春の息吹で!
 一、ただ今、私は愛する皆さん方の創立者として、大哲学者であるベクボエフ総長、そして、大言語学者であるムサエフ学長から、何よりも栄えあるキルギス国立大学の名誉博士号を拝受いたしました。
 厚く厚く、御礼を申し上げます。ありがとうございました(大拍手)。
 私は生涯をかけて、このご高恩に報いてまいる決心です。
 じつは、きょう3月21日は、キルギスの暦でも、新しい春を祝う「出発の日」に当たっております。
 貴大学のモットーには、誇りも高く、「私たちとともに未来を展望し、成功に向かって歩みゆこう」と掲げられております。
 ここに集った全員が、きょうから新生の春の息吹で、新しい心で、大勝利の青春、大成功の人生を前進しゆくことを決意し合いたい。
 私は、貴大学が、その名に冠しておられる、民衆教育の大先覚者アラバエフ先生の崇高な足跡を、生命の奥深くに刻みつけております。
 20世紀の初頭、この信念の哲人は、キルギス語での教育の道を大きく開き、幾多の教育者を育成しました。
 貧しき人々のため、民衆運動の先頭にも立ち、横暴な権力と戦い抜いた勇者です。
 そして、この正義の大英雄は、わが創価教育の父・牧口先生と同じく、いわれなき罪で捕らえられ、壮絶な死を遂げました。
 何ものをも恐れぬ、この勇敢なる師子の魂を、貴大学は厳として受け継いでおられます。
 なかんずく、徹して民衆のために尽くされ、青年を育て抜いてこられたのが、ここにお迎えしたベクボエフ総長であり、ムサエフ学長なのです。
 お二人は、「喜びも悲しみも学生とともに!」という「学生第一の精神」を貫いてこられました。
 学生が苦しんでいれば一緒に泣いてあげる。励ましてあげる。
 これが本当の教育者です。
 学生に対して威張ったりする教員は、真の教育者とはいえない。
 このお二人の薫陶を受けて、わが創大卒業生の伊藤広宣君も、キルギスの大地に根を張り、貢献しております。
 卒業生の勝利の晴れ姿ほど、うれしいものはありません。
 貴国の国民作家・シジクベコフは謳った。
 「汝よ、強くあれ
 すべてを支える大地のごとく。
 いついかなる場所にあっても、誠実で勇敢なる人を手本とせよ。
 偽りの思想と臆病を打ち払うのだ
 病を体から追い出すように!」

キルギスの大詩人 友情こそ人生を幸の光で照らす

 わが創価教育にも、初代・2代、そして3代が命を賭して戦った不屈の大闘争の歴史があります。
 いかなる苦難にも断じて負けない。最後は「巌窟王」のごとく、師弟の勝利を勝ち取ってみせる──これが、創価の正義の師弟の大道であると思いますが、どうでしょうか(賛同の大拍手)。
 わが卒業生の皆さんは、胸を張って、堂々と、この絶対の勝利の道に続いていってください。
 頼むよ!〈会場から「ハイ!」との返事が〉

 恩師の願いを実現する人生
 一、牧口先生と同時代を生きた貴国の偉大な民衆詩人サトィルガノフは、「創造的活動にのみ、人間にとって、人生の本質がある」と喝破されました。素晴らしい言葉です。
 まさしく「創価」とは、常に新しい、創造と開拓の人生のことであります。
 私がトインビー博士と開始した対談も、「文明の対話」という新しき人類の潮流を起こしゆく、「挑戦の対話」でありました。
 博士との対談を一切、終えたあと、博士から私に1枚のメモが託されました。
 そこには、博士が自ら書かれた、世界最高峰の知性の名前が7人、記されていました。
 ローマ・クラブ創立者のペッチェイ博士、アメリカの医学・微生物学者デュボス博士、ドイツの教育学者デルボラフ博士などであります。
 「可能であれば、この方たちともぜひ対話を」とのトインビー博士の心は、今でも私の心から離れない。博士の期待に応えて、私は世界中に、対話の波また波を起こしてきました。
 私は、一人の無学な貧しい青年でありました。太平洋戦争で、4人の兄は全員、徴兵された。敗戦の時、私は17歳。長兄は、ビルマで戦死しました。父はリウマチで苦しんでいた。
 私は、そういう時代に青春を送った。不幸だったかもしれない。しかし、それらを全部バネにしました。
 そして、師匠の戸田先生が、私を育ててくださった。約10年間、私が勉強できなかったことを、亡くなる間際まで、ずっと教えてくださったのです。
 私は、"創価の大学を、教育機関を"との願いをはじめ、恩師の夢を、全部成し遂げました。私は、やりました。諸君も頼むよ!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
 一、私がこれまでお会いした識者は、記録によると数千人を数えるようです。きょう、お越しくださった世界的哲人であるロケッシュ・チャンドラ博士との語らいをはじめ、文明間を結ぶ対談集も、57点を数えようとしております。
 世界の大学やアカデミーでの講演も、モスクワ大学北京大学、フランス学士院、ハーバード大学ボローニャ大学など、32回を数える。国連からも、講演の要請をいただいております。
 なお、朝日・読売・毎日・日経等の新聞や月刊誌等への寄稿、インタビューの掲載は、日本では1100回を超えました。
 世界の一流紙からも多くの要請をいただき、この10年ほどでも、アメリカの「ロサンゼルス・タイムズ」や、インドの「タイムズ・オブ・インディア」など、33カ国・地域の11言語で、約400回に及び、私の寄稿などが掲載されてきました。
 創価の思想と哲学に寄せられる世界の関心は、一段と深まり、広がっているのであります(大拍手)。皆さんに、「これから」を頼みます! やりましょう!

 「自分の言葉」で真実を語れ
 一、キルギスのいにしえの大詩人バラサグンは謳いました。
 「真実を最後まで言い切らぬ者は、臆病者と嘘つきの名にふさわしい」
 「私のことを先駆者と仰ぐ人々よ、自身の言葉で、私の言葉を語り継いでいってくれたまえ」
 真実を言わないのは、臆病です。地位を持ち、偉くなった大人のなかには、自分だけを守り、師匠がどうなろうが、同志がどうなろうが、かまわなくなる者がいる。これまでも、そうだった。
 ずるい大人は、信じられない。新しい人を育てる以外にありません。
 皆さんも、ずるい他人を信じる必要などない。「自分」を信じることだ。
 戸田先生は、青年を信じた。19歳で出会った私を信じられた。私もまた同じです。若い諸君が大切なのです。
 嘘つきで、臆病な、ずるい人になってはならない。狡賢く黙っていることは、卑怯である。勇気の声が、正義を拡大する──これが戸田先生の叫びでした。
 確信ある青年の声の響きこそが、新たな革命の力である──これが牧口先生、戸田先生の結論でした。
 さらに、キルギスの格言を紹介したい。
 「人のためにする仕事も、習得するのは、あなただ」
 「仕事に幸せを見出した人は本当に美しい人」
 わが使命を果たすために「戦う人」は美しい。
 そしてまた、「我慢の底は幸せである」との格言が貴国にはあります。
 どうか、仕事を大切に、職場を大切にして、聡明に忍耐強く、信頼を積み重ねて、勝利者になってください。教員の皆様にも、学生と一体になっての前進を、お願いいたします。

 「一念」を定めよそこに栄冠が!
 一、さて、今回、インドのロケッシュ・チャンドラ博士から、周恩来総理から贈られた貴重な大蔵経(写本資料)や、博士の父君がマハトマ・ガンジー日蓮仏法を伝えられた教材の書籍など、1000点を超える人類の至宝を、数多く寄贈していただきました。ありがとうございます(大拍手)。
 最極の精神の遺産として、大切に大切に、万年までも、厳然と伝えさせていただくことを固くお約束申し上げます。
 マハトマ・ガンジーは、すべての人間の無限の可能性を信じて、断言しました。
 「よい機会に恵まれ、よい教育を受けることによって、最も崇高な『人間という花』は開花するのである」と。
 わが創価教育の教員の皆さんも、この心を忘れないでいただきたい。そのために創立した創大、短大です。
 このガンジーの確信の通り、女性教育、人間教育の理想の花を美しく咲かせておられる、インド・創価池田女子大学のクマナン博士一行も、ようこそおいでくださいました。うれしいです!(大拍手)
 創価教育の兄弟姉妹は、全世界に広がりつつあります。
 皆さんの「一人」の勝利は、世界の友の希望の光となっていく。
 マハトマ・ガンジーは確信していました。
 「幸福であるか不幸であるかは、心で決まる」
 「何人でも、たとえこの世に於て苦痛と損失を抱くことあるも、正義と誠実によって幸福を見出すことが出来るのである」と(福永渙訳『ガンヂーは叫ぶ』アルス。現代表記に改めた)。
 「心こそ大切なれ」です。皆さんも、わが心の一念を、巌のごとく、強く深く定め切っていくことです。そこにこそ、自身の人生の「栄光の宝冠」が輝いていくことを、忘れてはならない。
 勇気あるサトィルガノフは、「争いではなく、友情こそ、君の人生を幸の光で照らしゆくことを知ってくれたまえ」と謳いました。
 私たちは、キルギス、インドをはじめ、世界との友情をさらに広げながら、人類の平和と繁栄の未来を、赫々と照らしていける人生を生きようではありませんか!
 私の、宝であり、命であり、誇りである、晴れの卒業生の皆さん方の、健康と大勝利を祈りに祈って、私のスピーチを終わります。ありがとう!(大拍手)

創価大学創価女子短期大学卒業式での名誉会長のスピーチ〔完〕

ブログ はればれさんからのコピーです。