2008年4月28日付 聖教新聞 新時代第17回本部幹部会 広布第2幕 第2回 全国婦人部幹部会での名誉会長のスピーチ

2008年4月28日付 聖教新聞
新時代第17回本部幹部会
広布第2幕 第2回 全国婦人部幹部会での名誉会長のスピーチ


 人間の根幹は恩
 一、話は長くなるが、大事なことなので、今、語っておきたい。
 日蓮大聖人は、明確にこうおっしゃっている。
 「恩を知ることを最高とし、恩を報ずることを第一としてきた」(御書491ページ、通解)
 仏法の根幹、人間の根幹の道は「恩」である。
 恩を仇で返すような人間は、断じて許してはならない。そうした連中にだまされ、左右されるようになったら、おしまいだ。
 「絶対に恩知らずとは戦え!」とは、戸田先生の遺言であった。
 太陽系には、太陽系の運行の軌道がある。
 銀河系には、銀河系の調和の軌道がある。
 仏法の世界には、人間が人間らしく生きゆく、正しい生命の軌道がある。
 それが「知恩」であり「報恩」の道である。
 これを大聖人は教えてくださった。
 リーダー自身が、この精神を命に刻み、身をもって伝えていくことだ。
 一、古今東西を問わず、「忘恩」は厳しく戒められてきた。歴史上の事実である。
 古代ローマの大哲学者セネカは喝破した。
 「すべての悪より低劣なのは、恩知らずである」(小川正廣訳「恩恵について」、『セネカ哲学全集2』所収、岩波書店
 恩を忘れるところから大きな乱れが始まる。これまでの退転・反逆の輩も、恩という一点がなかった。
 私は、戸田先生が言われた「報恩の道」を、厳然と開いてきた。
 先生は「大作がいるから、学会は筋を通して、真っすぐに進んでいる」と、ほめてくださった。
 一方で、先生は「組織が大きくなれば、悪い人間も出てくる」と心配されていた。
 だからこそ、私は「関西」の天地に、師弟直結の模範の人材城を築いてきた。
 関西の皆さん、しっかり頼むよ! 頼るべきは、関西である。大関西があるかぎり、学会の未来は盤石だ(大拍手)。
 一、戸田先生は、このように、有名な指導を残された。
 「現在の世相を見ると、人の道である知恩・報恩を貫く者は、ごく稀となってしまった。忘恩から、社会の乱れが生ずるのである」と。
 生み育ててくれた「父母」の恩を忘れてしまえば、家庭は乱れる。当然のことだ。
 世の指導者は「民衆」の恩を忘れ去った時、慢心を起こし、狂い始めるのが常である。
 戸田先生は断言なされた。
 「恩知らずから、魔は動く。恩知らずから、堕落は始まる。恩知らずから、畜生になる」──このように厳しかった。

大難を越えて!邪悪を打ち破れ!
不惜身命が報恩の道
戸田先生 「師恩を踏みにじる人間を許すな」

 「法師の皮を著たる畜生」
 一、創価学会が、宗門に、どれほどの真心の限りを尽くしてきたか。支え、護り、伸ばしてきたか。
 学会が寄進してきた寺は356カ寺。大石寺への登山者は7000万人にも及ぶ。
 学会のおかげで、宗門は栄え、発展した。
 宗門のわがまま、無理な要望にも、我慢して、誠心誠意、応じてきた。
 その学会を、日顕宗は、「もう必要ない」と切り捨て、これほどの大恩を仇で返したのである。
 「恩知らずの極みがここにある」と、私は断言したい。
 そして、御書で珂責されている「法師と云う名字をぬすめる盗人」「法師の皮を著たる畜生」(1386ページ)そのものであると、明言しておきたい(大拍手)。
 今の惨状に明らかな通り、日顕宗は御本仏・日蓮大聖人から峻厳に叱咤され、断罪されている。
 この日顕宗と対決してきたのが、先ほどご紹介した、正義の同志の僧侶方である。拍手で讃え、これからも、共に戦ってまいりたい(大拍手)。
 一、さまざまな「恩」のなかでも、とりわけ大切な、根本の「恩」とは何か。
 それは「師恩」、すなわち、仏法を教え、人生の規範を示す師匠の恩である。
 師恩のありがたさを、日蓮大聖人、そしてまた日寛上人は教えてくださっている。
 〈「報恩抄」で大聖人は、「父母の恩」「師匠の恩」「三宝の恩」「国土・社会の恩」の四つの恩をあげられている。
 日寛上人は、同抄の題号の意義について、通じては、「四恩」に報いる、別しては、「師匠の恩」に報いる意味であると、釈しておられる〉
 戸田先生は、法難の牢獄にまでお供して、牧口先生に報恩の誠を尽くされた。牧口先生にお仕えする姿は、厳粛そのものであられた。
 それだけに、戸田先生は、師恩への違背を烈々と叱られた。
 「師弟」という一点に対しては、それはそれは鋭く、厳しかった。
 ひとたび怒ると、そこに居られなくなるほどの迫力であった。
 その先生に、私は育てられた。10年間、朝から晩までお仕えした。本当に偉大な先生であられた。
 一、戸田先生は遺言された。
 「社会的な地位をもっている者が、信心がなくなり、その立場にふんぞり返って、その中に悪鬼入其身して、魔となるのである」
 「師匠のおかげで偉くしてもらいながら、将来、畜生の如く師恩を仇で返し、踏みにじっていく悪逆な連中が出たならば、断じて許すな!」

戸田先生 恩知らずから堕落は始まる

 創価の師恩を忘れ、増上慢に狂って、学会に弓を引いた輩は、例外なく、厳しい仏罰を受け、無残な末路をたどっていることは、皆様がご存じの通りである。
 私は、そうさせたくないから、人生を勝たせてあげたいから、厳しく言うのである。
 社会的地位は、信心とは関係ない。絶対にその人を特別扱いしたり、威張らせてはならない。
 また、社会で重責ある立場の人は、自分の分野で立派な成果を上げ、第一線から退いた後も、地域に尽くし、学会に尽くし抜いていく。そういう人生を歩んでもらいたい。
 一、インドの提婆達多は、師匠である釈尊の恩を裏切った。
 仏弟子たちは、師敵対の提婆達多に激怒し、責めたと、経典は伝えている。
 ──提婆達多よ、釈尊は、あなたの師匠ではないか。師・釈尊のおかげで、あなたは仏法を知り、深い境地を得られたのではないか。その師匠に敵対するとは何事か──と。
 弟子が大事である。
 弟子が愚かであれば、増上慢の人間に、和合僧の組織を破壊されてしまう。
 恩知らずの人間に対しては、弟子が立ち上がり、戦うことだ。恐れず、言うべきことを言っていくことだ。
 一、師恩に報いるための要諦は何か。
 不惜身命で広宣流布のために戦うことであると、日寛上人は、報恩抄の文段で明快に示しておられる。
 いくら口先で師匠を讃えても、「戦い」がなければ、師恩に報いたことにはならない。
 「行動」である。「戦う」ことである。
 大難が競い起ころうとも、身命を惜しまず、邪悪と戦い抜く。そして、正法を弘めて、人々を救っていく──これこそ、師恩に報いる真の道なのである。
 〈「報恩抄文段」に「大難競い起るとも身命を惜しまずして詩法を呵責し、能く大難を忍んで法華経の行者と顕れ、父母・師匠等の大恩を報ずべしとなり」等とある〉
 その通り、一分の狂いもなく、創価の三代は、健気な真実の同志とともに、戦い続けてきた。
 「師恩に報いる」という根本の道を示し切ってきた。
 だからこそ、現代史の奇跡とうたわれる、世界広宣流布の時代が開かれたのである(大拍手)。
 一、この創価の師弟の歴史を讃嘆する「普賢菩薩」の守護の働き、多宝の証明が、続々と現れている。
 私が世界の大学・学術機関からいただいた234の名誉学術称号も、知性と良識の守護であり、真実の正視眼の証明にほかならない。
 多くの識者の声が寄せられている。
 〈ブラジル・北パラナ大学のラフランキ総長は、池田名誉会長への名誉博士号の授与の際、語っている(1998年11月30日)。
 「私たちは、池田博士の師匠に対する『師弟不二』の一念に心より感動しております。報恩の心は、善人の心にこそ、そして、平和を愛する人の心にこそ宿るのです」
 韓国・鬱陵(ウルルン)郡の鄭宗泰(チョンジョンテ)郡守(ぐんしゅ)は、名誉会長夫妻に「名誉郡民」称号を贈り、こう述べている(1998年10月17日)。
 「池田会長は、師匠の恩を忘れず、発展させていく『弟子としての行動』を一心に貫いてこられた。これこそが、現在のSGIが築かれた原動力であり、これからも永遠に発展させていく原動力であると、確信いたします」〉
 世界からの期待に応えて、私たちは「師弟の道」「報恩の道」を堂々と進んでまいりたい。
 一、仏法で説かれる「師子」とは、「師匠」と「弟子」との一体不二の生命にほかならない。最強であり無敵なのである。
 師恩に不惜身命で応えゆかんとする弟子の「信力」「行力」にこそ、無限の「仏力」「法力」が厳然と現れる。
 師弟の心が合致すれば、恐れるものはない。何ごとも、必ず成就することができる。
 わが青年部よ。子孫末代まで、この法則、この法理を絶対に忘れず、後悔なき「この道」を堂々と進みゆけ!
 偉大なる青年部よ。きょうも明日も、永遠に勝ち進め!

 勝利の師弟の姿を忘るな!
 一、戸田先生は晩年、慟哭しながら、語ってくださった。
 「大作は体が弱いのに、師匠である私のために、これほどまでに、命を削って、言語に絶する師子奮迅の努力をしてくれた」
 亡くなられる直前、固く手を握られ、「ありがとう」「ありがとう」と言ってくださった。
 私が、先生の後継の第3代に就任したのは、昭和35年(1960年)の晴れわたる5月の3日。
 妻はこの日を、わが家の葬式と覚悟した。
 以来、1年また1年、戸田先生からいただいた命で、私と妻は、あらゆる三障四魔に打ち勝ってきた。今日の学会を築き上げた。
 もし私がいなかったならば、学会は宗門に乗っ取られ、内部の師子身中の虫たちに攪乱され、今日の姿はなかったという人もいる。
 しかし私は、大聖人の御加護をいただき、ますます健康で、全世界の指揮をとり、学会を守っている(大拍手)。
 だれ人も想像できなかった姿であろう。
 この厳然たる師弟の勝利の姿を忘れることなく、勝ち進んでいただきたい。
 こう申し上げ、私のスピーチを終わります(大拍手)。
 常勝関西はじめ、全世界の同志の幸福、万歳! 長時間、ご苦労さま。ありがとう! お元気で!(大拍手)
 (2008・4・23)

 ※編集部として、名誉会長の了承のもと、時間の都合で省略された内容を加えて掲載しました。

新時代第17回本部幹部会での名誉会長のスピーチ〔完〕



ブログ はればれさんからのコピーです。