2008年6月  大白蓮華6月号  巻頭言

                                2008年6月
     大白蓮華6月号  巻頭言

  「絶対勝利」の智慧を開け!           創価学会名誉会長 池田 大作

 戦いし
   君が福運
      無量なり
    智慧といだせや
       勇気といだせや

 「知恵と運命が相争う時、知恵が全力をつくして戦えば、運命も知恵を破ることはできません」
 これは、波瀾万丈の歴史の劇を見つめ続けた、英国の大文豪シェークスピアの洞察であった。
次から次へと襲いかかる試練を、いかに乗り切っていくか。人生は、絶え間ない難題との智慧比べの勝負といってよい。
御義口伝に、「智慧とは南無妙法蓮華経なり」(725ページ)と仰せである。
 妙法を信受した我らは、あらゆる苦難を打開しゆく仏の智慧を、自身の生命から無量無辺に湧現することができるのだ。
 わが師である戸田城聖先生は、悠然と語られた。
 「信心は智慧の宝蔵である。『頭』は勝つためにあるものだ。『隋縁真如の智』は、いくらでも湧いてくるはずだ!」
荒れ狂う
    怒涛に君ら
       勇み起て
     英智の旗を
        断固掲げて
 「天下将に乱れんとす。命世の才に非ざれば、済う能わざるなり」とは『三国志』の一節である。乱世だからこそ、傑出した智慧を出し切らねば、人々をリードすることはできない。
 尊き母たち、そして未来に生きゆく若い青年たちのために、いかなる局面にあっても活路を開拓できる「創価智慧の道」を広々と開かれたのが、創立の父・牧口常三郎先生である。
 この牧口先生の生誕の記念の月に、わが婦人部が結成され、さらに、わが学生部が誕生した意義は計りしれない。
 今や、中国の大教育者の方も、深く讃えてくださっている。
創価学会そのものが、「友誼の心を持ち、進取の気性に富む学生」、また「正義感と国際センスを身につけた青年」、そして「朗らかで、哲学と社会性を併せ持つ婦人」が学び合う「校舎なき大学」であり「生涯学習の学園」である、とー。

  あの地にて
     また この地にて
           広宣の
        指揮とる智慧
            功徳の我が身と

 「悩みを通して智はきたる」-トインビー博士は、この古代ギリシャの大詩人アイスキュロスの言葉が好きであられた。
 まさしく仏法の「煩悩即菩提」の法理にも通ずる。法のため、人のため、真剣に祈り悩んだ分だけ、大きな智慧が開かれる。
 物を覚えるのが苦手だった修利はん特は、釈尊の師恩に感謝し、誠実に仏道修行を貫き通して成仏した。六万蔵という膨大な経典を諳んじた提婆達多は、増上慢にも師に敵対し、地獄に堕した。
 師弟の道を踏み外せば、迷走だ。「摩か止観」にも、「師に値わざれば邪慧日に増し」(153ページ)と戒められている通りである。
 「広宣流布の師・戸田先生ならば、どうされるか」と、常に私は一念を定めて戦ってきた。「自分のため」ではない。「師匠のため」であり、「広宣流布のため」である。だから智慧が出る。「師弟不二」の祈りと行動に徹したゆえに、、勝ってきたのだ。
 あの第二次宗門事件のさなか、衣の権威で恫喝する坊主に、連祖御生誕地の地・千葉県の婦人部は毅然と切り返した。
 「衣を着て威張って、世界広布ができますか!創価の師弟が先駆を切って世界へ弘めたのです。御書の通り実践してきたのは創価学会です!」
 後継の青年部は、わが創価の無名にして崇高な大賢者たちに光る、この智慧の深さを知ることだ。実践で学びとることだ。
 アメリカの宗教学の第一人者、ハーバード大学のハービー・コックス教授は、「創価の人間革命の智慧と実践の中に、混乱の社会を調和と安定へと導いていく方途が示されている」と評価してくださった。人類は、創価智慧を待望している。
 「前途を阻む障害を、勇気と智慧で突破せよ!」。この師の厳命のまま、「絶対勝利」の一歩を今日も断固と踏み出すのだ。

     我が使命
       地湧の菩薩と
      同じなれば
    心畏るな
       佛智は無量と