2008年大白蓮華7月号  巻頭言

  わが未来部は地球の宝なり
                          創価学会名誉会長   池田 大作


    未来部に
      創価の陣列
         晴れ晴れと
      若き命の
         太陽昇らむ


 「アメリカの人道の母」エレアノ・ルーズベルトが大切にした恩師の信念がある。それは、「人間というのはだれもが、この世をよりよくするために生まれてきました」との教えであった。
 一人ひとりの子どもから、自分も人びとも幸福にできる尊厳なる生命を開花させゆくことーここに人類の宿願がある。
 蓮祖大聖人は、「開目抄」の結びにおいて仰せになられた。「釈迦仏、多宝仏、十方分身の諸仏は、法華経を未来に弘めて、未来の一切の仏子に与えようとされている。その御心は、わが一子が大きな苦しみにあっているのを見る父母の心よりも、何としてでも救わずにおかないとの思いが強盛である」(236ページ、趣意)
 未来に生きゆく若き命の太陽を輝かせよー創価の未来部の育成は、大仏法の本義の道であり、青き地球の希望の光である。


    おお未来
      未来は我らの
         黄金の道
      無上無辺の
         勝利があるから

 法華経に登場する竜女は、舎利ほつが女性を蔑視する暴言を吐くなか、「三千大世界」の価値を持つ宝の珠を、師匠と仰ぐ釈尊に晴れ晴れと献じた。この師弟の劇の主役は8歳であった。
 まさに、未来日の一人ひとりこそが、全宇宙にも等しい尊極の宝の生命そのものなのだ。どれほど素晴らしい智慧を持っていることか。使命のない子どもなど一人としていない。
 師・釈尊に真心の“土の餅”を捧げた徳勝童子は、その功徳によって、世界史に耀く平和の大指導者アショカ大王となった。
 わが師・戸田城聖先生は明確に宣言なされている。
 「社会のため、日本のため、人類のため、活躍する若い人材を大いに育てるのだ。これが、創価学会の目的である』
 世界広宣流布をめざして、師と共に、祈り、学び、戦いゆくことは最も充実した、最も誇り高い、青春勝利の大道なのだ。


    後継の
     誉れの使命の
         君なれば
       師子の心で
        今日も歩めや

 昭和五十四年の五月五日、第三代会長を辞任した直後、私は世界へ広がる海の見える神奈川文化会館で「正義」と揮毫した。脇書きには「われ一人正義の旗持つ也」と書き留めた。
 この日は、「創価学会後継者の日」であった。それは、初代・二代から譲り受けた、わが「正義の旗」を、未来部の友へと永遠に伝え託しゆくことを決定づけた栄光の日なのである。
 その一年後の五月五日「後継者の日」を、私は関西の天地で迎えた。この折、私は若き常勝創価の未来部に御聖訓を贈った。
 わが学会っ子は「師子王の子」だ。ゆえに卑劣な悪党などに侮られてはならない。勇敢に勝ち誇って、けなげな庶民を断固と護り抜くのだ。そのために、今は力をつけよ!学びにまなべ!
 時代は濁り乱れ、若き清純な命を惑わす悪縁は、あまりにも多い。社会の闇が深いからこそ、わが師が「生命の安全地帯」と叫ばれた、創価学会の善知識の世界が一段と光り輝くのだ。
 この創価の師弟のこっこ路を誰よりも深く知り、大切な大切な未来部員を励まし伸ばしてくださっているのが、尊き二十一世紀使命会、また未来部育成部長や教育本部などの同志である。その貢献は、識者からも「地域の教育力の再生の模範」等と絶賛されている。
 マハトマ・ガンジーの直系、アルン博士は語ってくださった。
 「私は声を大にして訴えたい。SGIのように、最高の文化・教育の宝を、未来の世代へ提供してくれる団体が、非暴力と平和をめざすこれからの時代に本当に必要なのです」
 私の人生の総仕上げは、今の青年部・未来部の若き「正義の走者」たちと一緒に、創価の永遠なる勝利を開きゆくことだ。


   大鳳
    育てと祈らむ
        鳳雛
      君らを見つめて
         祈る日々かな