2008年6月30日付 聖教新聞  各部合同協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

2008年6月30日付 聖教新聞
各部合同協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

 庶民こそ英雄
 一、いざという時に、果敢に戦うのは、いつも名もなき庶民である。
 嵐にも屈せぬ最前線の同志のおかげで、今日の学会は築かれた。
 信心の世界は、学歴や肩書で推し量ることなど絶対にできない。
 地位や立場ではない。
 その人が本当に立派であるかは、多くの大切な会員のために尽くしたかどうかで決まる。
 一身をなげうって、広宣の師弟の道を、貫き通したかどうかで決まる。
 将来のために、強く申し上げておきたい。

 「朗らか長者」に「信頼の長者」に
 一、平和は「地域」から始まる。
 「地域」こそ「世界」を変えゆく現場である。
 これが、私が世界の知性と語り合ってきた、一つの結論である。
 最も身近な地域で、最も地道な貢献を重ねゆく人こそ、どんな有名人よりも尊い
 とくに、わが創価の「地域部」「団地部」の方々は、来る日も来る日も、地域のため、近隣の方々のために、誠実に行動されている。
 例えば、町会、自治会、商店会、老人会、PTA等の役員、また民生委員や保護司、消防団、さらにはボランティア活動など、誠心誠意の努力を尽くされている方は多い。
 地域でも、団地でも、どれほど大切な存在であるか──。
 一、日蓮大聖人が佐渡流罪された折、中興次郎入道という"地域の名士"がいた。
 この人は年配であり、心は賢明、身も壮健で、佐渡の人々から人格者として慕われ、尊敬されていた。
 佐渡には大聖人を憎む人が多かったが、この人が「日蓮という方は、何かいわれのある人にちがいない」と毅然と語ったようである。
 そこから周囲の人々の認識も大きく変わり、危害を加えられることはなかった。
 そのように御書に述べられている(1333ページ)。
 《1333ページ原文=『島にて・あだむ者は多かりしかども中興の次郎入道と申せし老人ありき、彼の人は年ふりたる上心かしこく身もたのしくて国の人にも人と・をもはれたりし人の・此の御房は・ゆへある人にやと申しけるかのゆへに・子息等もいたうもにくまず、其の已下の者ども・たいし彼等の人人の下人にてありしかば内内あやまつ事もなく』 管理人》
 〈中興次郎入道は、流罪中の大聖人に会い、法華経に帰依した。子息の中興入道も、夫婦で純真な信心に励んだ〉
 ともあれ、「信心即行動」「仏法即社会」である。一人一人が「地域の灯台一となって光っていくことが、広宣流布の実像なのである。
 「朗らか長者」「信頼の長者」として、一人一人を味方にし、仲間を広げながら、わが人生を誇り高く飾っていっていただきたい。

 近隣を大切に
 「学会の草創期、拠点での唱題の声が少々、大きくて、周囲から苦情がきたことがあった。
 お互いに感情的に反発して、話は、こじれるばかり。
 同志から相談を受けた私は、申し上げた。
 気持ちはわかるが、今回の場合は、相手の言い分にも道理がある。
 何より、近隣の方々には、普段からお世話になる。絶対に、大事にしなければならない──。
 そして、私が間に入って、先方に、丁寧に、おわびした。以後、常識豊かに行動していくことを約した。
 そのうえで、信教は自由であるし、学会は平和と文化の団体である。どうか、ご理解いただきたいと、誠心誠意、お話しした。
 それ以降、相手は、よき理解者に変わったのである。

 正邪を正せ!
 一、対話こそ力だ。
 誤解があれば解き、無理解ならば教え、偏見があれば道理を尽くして正せばよい。
 そして、悪意に満ちた一つの暴論には、十の正論で、断固、打ち返し、打ち破るべきである。
 学会の悪口を言われても、何も言えない。何ひとつ反論できない。そんな、ずるい、無責任なリーダーであってはならない。
 どんな相手に対しても、言うべきことば言い切っていくことだ。
 「悪は悪」と明快に破折していくことだ。そうしなければ、会員が、あまりにも、かわいそうである。
 また、相手にとっても、正邪をはっきりと伝えていくことは、結局、慈悲の行為となる。

 「師弟」こそ根本の学会精神
 一、「師弟」は仏法の根幹であり、根本の学会精神である。
 戸田先生は、ご自身の小説『人間革命』に託して、次のような話を紹介しておられる。
 ──戦前、学会への寄付を、師匠に隠れて、横領しようとした連中がいた。
 主人公の"巌さん"は激怒し、叱りつけた。
 「君等は先生の偉大な目的を知らないのか」
 「君等は先生の名において自分自身の事を計ろうとするのだろう」
 計画が見破られた連中は「どうか先生には言わないでください」と懇願する。
 "巌さん"は、絶対に許さなかった。
 「私と先生とは師弟である。親子の情愛を持っている。
 学会内に起こった事件を私に対して、先生にかくしておれという事は、私に先生の敵になれというのか、私が先生に学会の事をかくし事をしたならば、その日から私は弟子だという事が出来るものか、そんな考え方は私の境涯には無い」
 わが身をなげうって、師に仕えているのか。
 逆に、自分のために師を利用しているのか。
 戸田先生は、弟子としての根本姿勢を教えられたのである。
 「牧口先生が三笠小学校の校長時代、先生を陥れようとする人間がいた。牧口先生は、厳然と見破られ、戸田先生にあてた手紙のなかで、次のように綴られた。
 ──戸田君、あの男は警戒せよ! と。
 〈1922年=大正11年2月20日付〉
 牧口先生の戸田先生に対する信頼は絶大であった。
 初代会長の牧口先生を第2代会長の戸田先生が完璧に支えたから、学会は発展した。
 その戸田先生を第3代の私が命がけで守ったから、今日の世界192カ国・地域に広がる"平和と友情の大連帯"となった。
 学会が、ここまで大きくなるとは、だれも想像できなかったであろう。

題目を! 「師子の吼ゆるが如く」 [御聖訓]
全員が広布の責任者

 今の千倍の力を
 一、私は、全部、やりきった。折伏をはじめ、広宣流布の戦いをやりきり、全部、勝ちました。
 師匠のため、同志のために、すべてを捧げる思いで、身を粉にして働き、世界的な学会をつくったのである。
 これを見られたならば、戸田先生、牧口先生も、きっと満足され、「本当にすごいな」と、ほめてくださるにちがいない。そう私は確信している(大拍手)。
 次は、皆さんである。青年部の諸君である。
 皆さんが「不二」の師弟に徹すれば、学会は未来永劫に栄えていく。
 「真剣」の二字で、本気になって、大聖人の仰せの通り、異体同心で進んでいただきたい。
 がっちりと呼吸を合わせ」「全員が会長」「全員が広布の責任者」との自覚で、「世界一の創価学会」の建設を、よろしく頼みます!
 断固、勝っていただきたい。形式や格好など、いらない。今の千倍の力を出すのだ。その力を出す根本は題目である。
 「獅子の吼ゆるが如く」(御書764ページ)、朗々たる勤行・唱題で、一日一日を勝ち進んでいただきたい。
 長時間ありがとう!
 また再び、楽しく集い合おう!
 「師弟不二」で勝ちまくろう!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
 皆さん、どうか、お元気で!(大拍手)
 (2008・6・24)

各部合同協議会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕



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