2008年12月27日付 聖教新聞  全国代表協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

2008年12月27日付 聖教新聞
全国代表協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

 会見当時、氏は病気がちで、故郷の村で療養中であったという。
 しかし、わざわざモスクワまで出向き、スーツに着替えて、「よく来られました」と、丁重に迎えてくださったことは、忘れることができない。
 人間と文学をめぐる語らいの途中である。氏からコニャックを勧められた。笑顔で「お空けください!」と。
 ロシアでは、お客さんが来ると、乾杯をして心からの歓迎の意を表する慣習がある。とはいえ、喉が焼けるような強い酒である。
 私は飲めない体質なので困り果てたが、礼を失するわけにはいかない。意を決して、ほんのわずかだけ流し込んだ(笑い)。
 会見を終え、私の顔を見た妻が「真っ赤じゃありませんか」と驚いていたことも、懐かしい思い出である。
 あの日、ショーロホフ氏は、“人間の運命”について、こう語っていた。
 「運命に負けないかどうかは、その人の信念の問題であると思います。一定の目的に向かう信念のない人は何もできません」
 その通りである。
 信心ほど強いものはない。広宣流布ほど偉大な目的はない。
 何があっても負けない、強い自分へと変わっていけるのが、「人間革命」である。

 人類への責任感

 一、ショーロホフ氏は、未来を男つめて、こう語っている。
 「私は、青年が苦労をして、われわれと肩を並べるようになり、われわれの世代交代をしてくれることを願っています」
 青年部の時代だ。私は、むしろ、“青年よ、幾多の先輩を乗り越え、さらに偉大な歴史を築きゆけ”と申し上げたい。
 革命と戦争の世紀を生き抜いたショーロホフ氏は言った。
 「この不安な時代にあって、平和の闘士の固い団結こそ、現在、もっとも焦眉の課題である」
 「私を突き動かしているのは、人類に対する責任感である」
 わが使命と責任を忘れない人は強い。
 平和のため、全人類の幸福のために、我らは追撃の手をゆるめるわけにはいかない。

張り切って!皆に勝利の喜びを
権力悪と戦い抜いたトルストイ
民衆の支持こそ偉大な栄冠
正義は負けない 不二の師弟がある限り

 民衆の声を聞け

 一、きょうは、全国 の各地で広布の言論戦を担う友の代表も参加されている。ショーロホフ氏の言葉を記念に贈りたい。
 「民衆の意見は、作家たるものなら誰もがもっとも大切にしなければならないものである」(F・ビリュコーフ編、秋山勝弘訳、横田瑞穂監修『ショーロホフと現代』モスクワ・プログレス出版所)
 「嘘は、どこまでいっても嘘である。誰もが、それに気づいている。ゆえに、嘘によって何人をも高めることはできない。本当の真実は、常に人を高める」
 「民衆とともに生き、人々の苦しみを我が苦しみとし、人々の喜びを我が喜びとし、皆の心の痛みを分かち合ってこそ、作家は、読者の胸を打つ本物の作品を書くことができる」
 友と同苦し、皆の喜びをわが喜びとしながら、民衆の心を鼓舞してやまない正義と真実の言葉を、広く社会へ発信していきたい。
 
 未来部こそ希望

 一、ショーロホフ氏の名作『静かなドン』は、すべてを失った主人公が故郷に戻り、わが子を抱き上げる場面で結ばれる。
 氏は、“未来を生きる子どもたち”に希望を見出していたのではないだろうか。
 学会の大いなる希望は、未来部である。21世紀使命会、未来部育成部長をはじめ、未来の宝を育む担当者の皆さん、いつも本当にありがとう!(大拍手)

ショーロホフ  嘘は、どこまでも嘘である 嘘で人を高めることは出来ない 本当の真実は人を高める

 「最後の勝利は苦労した人に」

 一、私は、若き皆さんに広宣流布の一切を託したい。いな、託すしかない。
 だからこそ、真実の師弟の歴史を、わが魂に刻みつけてもらいたいのだ。
 青年は、人を頼るような意気地なしであってはならない。「信頼できる人がいない」と嘆くより、自分が周囲から「信頼される人」になればいいのだ。
 戸田先生は言われていた。
 「苦労しなさい。最後の勝利は、苦労した人間にある。苦労した人間には、誰人もかなわないのだ」
 末法の社会は冷酷だ。自分だけ、いい子になって、人の苦しみを、あざ笑う。正義の人をも、虚偽で陥れる。これが一面の現実であるかもしれない。
 人々を苦しめる、偉ぶった人間、虚栄の人間、私欲を貪る人間。そうした悪人を払いのけて、民衆のために、民衆とともに進むのだ。豊かな慈愛にあふれた、人間らしい世界を、君たちの手で築くのだ。
 悲惨の二字のない世界──それこそが戸田先生の宿願であった。
 師のもとで、私は一兵卒となって戦った。祈り抜いた。正義を師子吼した。いかなる時代が来ようとも、私は一人、厳然と、恩師の遺訓を守って、まっすぐに進んできた。
 この師弟の闘争に、創価学会のすべてがある。
 きょうは、一年を締めくくる大事な協議会だ。広布第2幕の真実の師弟の勝利を、新しい創価学会の歴史を、晴れ晴れと築きゆく、出発としていただきたいのだ。
 仏法は、仏と魔の熾烈な闘争である。命がけの闘争で、障魔を破り、勝ち越えてきたゆえに、今日の大発展があることを、若き諸君は知らねばならない。

ショーロホフ 運命に打ち勝つ信念を持て

 自ら動き、語れ

 「今年1年、学会は厳然と勝ちました。
 来年も勝とう!
 勝てば、うれしい。皆も楽しい。功徳も大きい。魔も退散する。
 勝てば、大威張りで喜び合える。
 楽しい道をつくっていこう! 頼むよ!
 では、皆さん、お元気で!
 帰られたら、同志の皆様方に、くれぐれもよろしくお伝えください。「この1年、皆さんのおかげで勝ちました。大きな前進をすることができました」と最大に讃え、御礼を伝えていただきたい。
 私と妻は、毎日、全同志の健康・無事故・幸福を、一生懸命、祈っている。朝晩、何十年も、祈り続けてきた。これからも、一生涯、祈っていく決心である。
 素晴らしい年を、毎年、つくっていこう!
 この会場には、昨年11月、わが愛する関西を訪れた折、.新幹線の車中から撮影した富士山の写真が飾られている。
 関西よ、永遠に堂々たる「常勝関西」であれ! その誉れの心を忘れるな!──こう私は呼びかけたい(大拍手)。
 一、リーダーはいくつになっても、若々しく進むのだ。
 胸を張って!
 張り切って!
 同じ広布の戦でも、喜んで動けば、功徳は大きい。自らの足で立ち、自らの声で語るのだ。友のために祈り、励ましていくのだ。
 自分が生き生きとすれば、皆も元気になる。
 皆を喜ばせるのが、名指導者である。仏の行為である。
 それは、単なるご機嫌取りや、うわべだけのお世辞を言うことではない。皆が勝利し、皆が幸福になる道を開いていくのだ。
 皆を苦しめ、悲しませるのは、悪であり、愚者の行為である。
 一、御聖訓には仰せである。
 「この御本尊は、まったくよそに求めてはなりません。ただ、我ら衆生法華経を受持し、南無妙法蓮華経と唱える胸中の肉団にいらっしゃるのです」(御書1244ページ、通解)
 尊極なる仏の生命は、広布に生きる、わが胸中にある。自分自身が妙法の当休である。これほど尊いものはない。その自負と誇りをもって、進んでいただきたい。
 本年1年間、本当にありがとう!
 どうかお元気で! 元気に生きなければ損である。くれぐれも風邪をひかないように。
 よいお年をお迎えください。また来年、元気でお会いしよう!(大拍手)
 (2008・12・22)

全国代表協議会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕


ブログ はればれさんからのコピーです。