随筆 我ら勝利の大道 NO.4 誉れの「SGI家族」 ㊤㊦ 2010-2-1/2

◇ 随筆 我ら勝利の大道 NO.5 誉れの「SGI家族」 ㊦ 2010-2-2



君ありて 広布の流れは 幾重にも 世界の果てまで 勇み進まむ



コンゴ独立の指導者ルムンバ初代首相は叫んだ。

「前途がいかにけわしいものであろうと、ゆるぎない意志と全幅の自信をもって努力してゆかなければならない。座して待つのみでは、決して境遇を改善することはできない」そして言い切った。

「熱意をもつものは、進んでみなの先頭にたたなければならない」

勇敢に立ち上がれ! ここに、先駆者の魂があり、責任がある。

「第ニの十年」に進む二十一世紀ー。今世紀を、真の意味で「アフリカの世紀」と輝かせていく眼目は何か。

それは、最も苦しんだ人びとが、最も幸せになるという証を、全世界に宣揚することだ。

最も虐げられた人びとこそが、社会変革の主役として堂々と胸を張って躍り出る、民衆勝利の時代を開くことだ。

アフリカが「幸福大陸」にならずして、真実の世界平和は訪れない。

この地球は「我此土安穏」の大理想とは、いまだ遠くかけ離れている。

経済格差や貧困、政情不安や治安の悪化など、国によって、さまざまな問題を抱えている。内戦の余燼がくすぶる地域もある。

そのなかで、アフリカの同志が、どれほど勇敢に妙法を弘め抜いてこられたか。その筆舌に尽くせぬご苦労は、十方の仏菩薩も、必ずや御照覧であろう。

「夜はどんなに長くとも夜明けは必ず来る」と、コンゴの格言にある。

勝利の朝を開く、希望の光こそ、青年だ。

アフリカで今、SGI(創価学会インタナショナル)が旭日の勢いで発展し、未来を担う後継の青年たちが続々と成長していることほど嬉しいことはない。

この新春の聖教新聞は、アフリカからの朗報が紙面に光り輝いた。

中部アフリカのガボンで地区が結成されたニュースは、世界のSGI家族に喜びの笑顔を広げた。

隣接するカメルーンでは、五本部から八本部に発展した。このカメルーンの国立植物園では、光栄にも、私の木まで植樹してくたさった。

樹齢百年の「大樹」に育つという木の写真を拝見しつつ、私は無限に伸びゆくアフリカの未来を祈り合掌した。

アフリカ東部のケニアや南部のザンビアなど各国でも、わが同志は創価の旗を

掲げて躍動している。

さらに西アフリカのトーゴでは、実にメンバーの約七割が青年だ。

内戦に苦しんできた、同じ西アフリカのコートジボワールでも、十年で十倍もの拡大が達成されている。

二○○四年三月、本部幹部会の席上、尊きSGIの全同志に捧げゆく思いで、遠来のコートジボワールの二人の青年に、「月桂冠」と「花のレイ」を贈り、肩を組んで語り合った。

心を尽くせば心が応えてくれる。そこに師弟の魂の脈動もある。青年たちは、喜びと感謝の心で勇み立って、妙法流布の原動力となってくれた。今や二万人を超えたメンバーの約半数を青年が占めている。

この年頭も、首都のヤムスクロで六百人、最大の都市アビジャンで八百人の御本尊授与が行われた。

広宣流布のため、師匠と共に、一生涯、戦い続けることを誓います!」

儀式の折、はつらつたるアフリカの地涌の若人は、まさに舞を舞うが如く、はち切れんばかりの勢いで誓願を立てる。

欧州と日本から祝福に駆けつけたリーダーも、その圧倒的な若き地涌の群像に、感涙を禁じ得ませんでしたと語っていた。

未来は、青年で決まる。

先輩は後輩を温かく見守り、青年は先輩を尊敬しながら、どこまでも仲良く麗しい創価の結合で前進していくのだ。そこに、仏法の命脈は限りなく流れ通っていくからだ。

私が「アフリカの世紀」を展望して五十年ー。

今や五十三カ国・地域からなるアフリカ連合(AU)の結成に続き、近年は「アフリカ合衆国」として統一を模索するなど、希望の大陸は国際社会で着実に地歩を固めつつある。

合衆国の夢が実現すれぱ、世界最大の面積を持ち、人口約十億人の大国の誕生となる。

今年は、アフリカ大陸初となるサッカーのワールドカップ(W杯)の南アフリ力大会も控え、注目の的である。

ニ十年前(一九九○年)に最初の出会いを刻んだ〃人権の巌窟王マンデラ元大統領も、どれほど喜ばれていることだろうか。

昨秋、創価大学のパン・アフリカン友好会の友が、元大統領の最近の発言を教えてくれた。九十歳を超えて健在の賢者の言葉だ。

「個人の生活、また地域社会において、他の人を深く思いやることは、私たちが情熱的に夢見てきた、より強い世界の建設に、大いに貢献するものです」

「壊したり、破壊することは非常に簡単なことです。平和を築き、何かを建設する人こそ英雄です」

その通りだ。今いる場所で、友のために心を配り、行動する日常の戦いのなかにこそ、理想の世界は築かれていくのである。

ともあれ、政治、経済のみならず、スポーツ、環境、芸術など、いずれの分野でも、世界はアフリカ抜きに語れない時代となった。

「アフリカの栄光の世紀」は、これからが本番だ。

「希望は世界の柱だ」と、ナイジェリアのことわざにある。「希望大陸」アフリカが、世界の明日を築き支える黄金柱なのだ!

アメリカ文化を代表するジャズ音楽も、アフリカと深く結びついている。

ジャズは、あまりにも過酷な逆境のなかから、アフリカ系アメリカ人(黒人)によって育まれた「魂の音楽」である。

そのジャズの王者であり、わが同志であるハービー・ハンコックさんとウェイン・ショーターさんが語っておられた。

ージャズとは、まさに「最悪の環境や境遇と向き合い、乗り越えながら、偉大なる価値を生み出すという人間の特質」の証明なのです、と。

そこには、仏法の「変毒為薬」にも通する、気高き「人間の讃歌」がある。

日蓮大聖人は「賢者はよろこび愚者は退く」(御書一○九一ページ)と仰せである。

人生も、社会も、試練の時こそ、この賢者の魂で、前進していくことだ。



チャンスを活かせ!



統一ドイツのワイツゼッカー初代大統領は、東西が一になったその日、次のように宣言した。

「歴史がわれわれにチャンスを与えてくれています。われわれは成功を確信し、自他の信頼を胸にこのチャンスを活かしていくつもりであります」

御聖訓にも、「異体同心なればか(勝)ちぬ」(同一四六三ページ)と御断言である。ゆるぎない「自他の信頼」を根本として団結こそ前進勝利の偉大な力だ。

アフリカなど各国でも、かつて、あの腐敗堕落の日顕宗が、清浄なるSGIの組織を破壊しようと暗躍した時期があった。

だが、仏の軍勢は微動だにしなかった。SGIは、永遠に「異体同心の団結」で勝ち進むのだ!

信心に、地理的な距離は関係ない。創価の師弟は、どんなに遠く離れていようが、心は常に一緒であり、常に一体なのである。

SGIが誕生した三十五年前(一九七五年)のあの日、地平線の彼方に昇った日蓮大聖人の世界仏法の太陽は、今、中天に燦然と輝き、地涌の友の活躍を見守っている。

大聖人は、地涌の菩薩が大地から涌出する意義について、「涌出とは広宣流布の時一閻浮提の一切衆生法華経の行者となるべきを涌出とは云うなり」(同八三西ページ)と仰せだ。

今、意義深きこの時に涌出し、集った、誉れ高きSGI家族よ!尊きパイオニア地涌の友よ!

さあ「いよいよ」の決意に燃えて、勇敢に打って出よう!今日より明日へ、勝利また勝利の前進だ!

全世界、全地球に乱舞しゆく妙法の勇者と共に!



この一年 福運十年 積みゆけと 意義ある闘争 創価を守れや



   (随時、掲載いたします)



ルムンバの言葉は『祖国は明日ほほえむ』中山毅訳(理論社)。ワイッゼッカーは『言葉の力 ヴアイツゼッカー演説集』永井清彦訳(岩波書店)。