大白蓮華  2012年(平成24年)5月号 巻頭言

世界一の婦人部に幸(さち)の宝冠(ほうかん)



 世界一
  誇る われらの
   婦人部は
  福徳ゆたかに
    使命も尊く

 歴史を振り返れば、残酷(ざんこく)な戦乱(せんらん)や抑圧(よくあつ)や宿命(しゅくめい)に、どれほど多くの女性たちの涙が流されてきたことか。
 その悲しみの流転(るてん)を止(とど)め、平和と尊厳(そんげん)と幸福の笑顔の花を、世界中に数え切れぬほど咲き薫(かお)らせていく。これが「創価の女性の世紀」である。はるか彼方(かなた)に思われてきた希望の新時代が、今いよいよ始まっている。

 日蓮大聖人から、「上人(しょうにん)」とまで讃(たた)えられた光日尼(こうにちあま)は、夫を亡くし、頼(たの)みとする息子にも先立たれながら、師の励ましを支えに、 妙法に毅然(きぜん)と生き抜いた。

 この母への御聖訓には、「三つの綱(つな)は今生(こんじょう)において切れました。五つの障(さわ)りもすでに晴れたことで しょう。心の仏性(ぶっしょう)の月は曇(くも)りがなく、身の罪障(ざいしょう)の垢(あか)は消え果(は)てました。あなたこそ即身(そくしん)の仏です。何と尊(とうと)いことでしょうか」(御書934ページ、趣意、「光日尼御返事」)と仰せになられている。

 「三つの綱(つな)」「五つの障(さわ)り」とは、長い間、不公正に女性を虐(しいた)げ、苦しめてきた圧迫(あっぱく)や束縛(そくばく)のことである。

 たとえ、どんな境遇(きょうぐう)にあろうとも、題目を唱え、広宣流布の行動に勇みゆく中で、わが心の天空には、名月が美しく冴(さ)えわたるような成仏の境涯を必ず開いていくことができる。
 ありのままの自分自身が尊極(そんごく)なる妙法の当体であることに歓喜(かんき)して、何ものにも負けない仏の智慧(ちえ)と力を晴れ晴れと解き放っていけるのだ。

 大聖人が示してくださった通りに、「宿命」を「使命」に変え、「救いを待つ凡夫(ぼんぷ)」から「師と共に人々を救いゆく地湧(じゆ)の菩薩」と目覚(めざ)めて、自他共(じたとも)に幸福を勝ち開いている。 これが、世界一の創価の婦人部である。

 あの昭和32年の大阪大会。中之島の中央公会堂の場外で、激(はげ)しい雷雨(らいう)にも怯(ひる)まず、「最後は正しい仏法が必ず勝つ」との私の叫(さけ)びを命に刻(きざ)みつけてくれた一人の母がいる。

 最愛のわが子との突然の死別。夫妻で経営する会社の負債(ふさい)。自らのガンの宣告。打ち続く試練(しれん)を勝ち越え、今、爛漫(らんまん)と勝利の花を咲かせている。
 「貴女(あなた)の誠実にはかなわない」と地域からの信頼も厚い。母は語る。
 「強気で負けんことが、福運です。師弟不二の命で、今日も明日も広布に走ろう! 一人でも青年を励まそう! この心は永遠に変わりません」
 こうした無名にして偉大な母が、いずこにも太陽と輝いておられる。ゆえに、広布の陣列(じんれつ)は明るく強い。

 ニュージーランドを代表する平和学者のケビン・クレメンツ博士も、東日本大震災の直後からの婦人部の自発の献身(けんしん)を深く賞讃(しょうさん)されている。

 博士は、被災された婦人部の方々の素晴らしい体験が、「困難(こんなん)に直面した時の希望の大切さ」と「人間のもつ力」を教えてくれ、「人類史において女性が果たしてきた役割」を象徴(しょうちょう)しているとも語られた。

 慈愛(じあい)に満ちた、生命尊厳の平和な社会を築く中心に、創価の母がいる。

 師・戸田城聖先生は言われた。
「唱題は勇気を命に点(とも)す戦いだ。驚くような変毒為薬(へんどくいやく)の大功徳を必ず現せるんだよ。その貴女の姿が、今度は人々の眼(まなこ)を妙法に開かせるのだ。すごい使命の人生ではないか」

 さあ、世界一の婦人部に、皆で続こう! 勇敢(ゆうかん)に祈り、戦い、勝って、我らの誉れの母たちに、無上(むじょう)の幸(さち)の「宝冠(ほうかん)」を捧(ささ)げようではないか!

 悲しみも
  悩みもすべて
   乗り越えて
  いつも勝利の
    笑顔の女王よ