大白蓮華  2012年(平成24年)9月号(No.753)

信心で勝て 社会で光れ!!

          創価学会名誉会長    池田大作

美しき
  我らの魂
    永遠に
  守れや光れや
   悪世の社会に

 人生も社会も、「光」と「闇」との戦いである。時代の闇(やみ)が深ければ深いほど、妙法の当体である我が生命から、赫々(かっかく)たる希望の光を発していくのだ。その力こそ題目である。

 今、世界的に先の見えない不況が打ち続き、雇用なども不安定である。仏天よ、尊き友を守りに護(まも)り給えと、強盛に祈らずにはいられない。
 創立の父・牧口常三郎先生が、大切にされていた御聖訓がある。
 「天晴(てんは)れぬれば地明(ちあきら)かなり法華(ほっけ)を識(し)る者は世法(せほう)を得可(うべ)きか」(254ページ)

 牧口先生は、この一節を拝され、九州の弟子たちを励まされた。
 「太陽が昇った瞬間から、大地はパッと明るくなる。信心の力で、生活のすべてが改善できるのです。大事なことは『天を晴らすこと』です」
 自分が太陽と輝(かがや)けば、恐れる闇(やみ)はない。どんな悩みも照(て)らしていける。
 どうか、太陽の仏法の信仰者として、勇気ある信心の一念を燃え上がらせ、難局(なんきょく)を突破(とっぱ)していただきたい。

 あの剛毅(ごうき)な四条金吾(しじょうきんご)も、所領替(しょりょうか)えや領地没収(りょうちぼっしゅう)など、幾度(いくど)となく絶体絶命の窮地(きゅうち)に追い込まれた。
 しかし、「へつらうけしきなかれ」(1164ページ)、「を それまいらせ候べからず」(1150ページ)の御指南のまま、胸を張って正義の信仰を勇敢(ゆうかん)に貫(つらぬ)き通した。
 とともに、職場では誠実に聡明(そうめい)に忍耐強く「陰徳(いんとく)」 を重ねていったのである。そして遂には、揺(ゆる)るがぬ信頼と堂々たる勝利の実証(じっしょう)を打ち立てた。

 逆境を跳(は)ね返(かえ)し、「主の御ためにも仏法の御ためにも世間の心ねもよかりけり・よかりけり」(1173ページ)と謳(うた)われた軌跡(きせき)は、永遠に世界の門下の鑑(かがみ)である。

 信心が弱いから試練(しれん)が絶えないのではない。あらゆる苦難は、いよいよ「師子王の心」を呼(よ)び覚(さ)まし、金剛(こんごう)の信心を鍛(きた)え上げゆくためにある。

 師・戸田城聖先生も、仕事で苦労する友を抱きかかえて励まされた。
 「失業や事業の苦しみは、身を切られる辛さだ。しかし、それは本当に信心で勝てる時が来ているのだ。
 勝負はこれからだぞ。これこそが真の信心の功徳だという、思いもよらぬ結果を必ず出せるんだよ」と。
 大変な時こそ、臆(おく)さず惑(まよ)わず嘆(なげ)かず、強く大きく朗らかに、満々たる生命力で境涯(しょうがい)を開いていくのだ。

 私の知る信越広布の功労の友は、新潟県の長岡空襲(ながおかくんしゅう)で、父母も弟も妹も奪われた。信心で奮起(ふんき)し、亡き父の紙器製造業を発展させた彼の信条は、「誠心誠意」と「独創革新」である。
 事業も人生も、波瀾(はらん)の嵐を、何度、乗り切り、勝ち越えたことか。邪宗門(じゃしゅうもん)の迫害にも、勇猛(ゆうかん)に戦ってくれた。
 「『私が創価学会だ、私の生き方を見よ』との一心で戦い続けてきました。だから力が出たんです。試練に『ありがとう』と言いたい」と、百戦錬磨(ひゃくせんれんぱ)の笑顔皺(えがわしわ)が誇(ほこ)らしい。

 学会には、「この人を見よ」と仰ぐ大長者が、いずこにも輝いている。
 「仏法即社会」そして「仏法勝負」という真髄(しんずい)の実践をし抜いて、SGI(創価学会インタナショナル)憲章に明確に掲(かか)げたように、一人一人が社会の良き市民として貢献(こうけん)する“平和の世雄(せおう)”こそ、創価の師弟である。

 仕事も生活も、そのまま「人間革命」即「広宣流布」の本舞台である。さあ、眼前の課題に、一つまた一つ、今日も喜び勇んで挑(いど)みゆこう!

 この世をば
  断固と勝ち抜き
    朗らかに
   勝利の宣言
     一人ももれなく