大白蓮華  2012年(平成24年)10月号(No.754)

君よ! 創価の全権大使たれ

   創価学会名誉会長   池田大作

 決然と
  広布に戦う
   英雄は
  創価の誉れの
   君とあなたと

 「私は人生の道で出会った人たちに、思い切って真心の言葉をかけていった」「みんなと一緒に歩むところに道ができていくのだから」
 東欧の平和の先進国ウクライナの女性の詩人ウクラインカは謳った。

 同じ生きるのであれば、快活に語り、楽しく友を作り、仲間を増やしながら、希望の道を開いていきたい。

 日蓮大聖人は「願(ねがわ)くは我(われ)を損(そん)ずる国主等(こくしゅとう)をば最初に之を導(みちび)かん」(509ページ)と宣言なされた。御自身を迫害(はくがい)する権力者までも、成仏へ導(みちび)いていこうとの大境涯であられる。

 命を狙(ねらう)う敵が渦巻く流罪(るざい)の佐渡(さど)にあっても、阿仏房(あぶつぼう)・千日尼(せんにちあま)や国府入道夫妻(こうにゅうどうふさい)など、一人また一人と、生死を貫(つらぬ)く師弟の絆(きずな)を結んでいかれた。

 御義口伝(おんぎくでん)には「末法に入っては今日蓮等の類(たぐ)いは善(ぜん)の導師なり」(712ページ)と仰せである。

 我らは、大聖人に直結して、この五濁悪世(ごじょくあくせ)に躍(おど)り出て、人々を幸福に導いていく地涌(じゆ)の菩薩なのである。

 師・戸田城聖先生は、法華経に説かれる地涌の菩薩が「六万恒河沙(ろくまんごうがしゃ)」という無量の眷属(けんぞく)を率(ひき)いて、師の前に出現する姿を通し、教えられた。
 「我々も大勢の眷属(けんぞく)を連れて生まれてきていることは間違いない。そう決めて日々、祈り、戦つてごらんその眷属が必ず現れ、広宣流布に働くようになる。勝負は勇気だよ!」

 広宣流布のために生まれてきた我らが、勇気を奮い起こして語った分必ず自らに連なる地涌の眷属が呼び出される。たとえ今、反発したとしても、それが仏縁となり、未来の眷属となって、味方に変わるのだ。

 戸田先生は、悠然(ゆうぜん)と語られた。
 「娑婆(しゃば)世界だから、話が通じずに苦労する時もある。しかし、それゆえに功徳も大きい。私が創価学会だとの信心に立って包んでいけば、手を焼いた人ほど、熱心な諸天善神(しょてんぜんじん)の存在に驚くほど変わっていくよ」

 この「忍辱(にんにく)の鎧(よろい)」を着て戦い抜いてきたのが、わが誉れの多宝会(たほうかい)・宝寿会(ほうじゅかい)・錦宝会(きんぽうかい)の先輩方なのである。

 戦時中に父親が病死し、青春の苦闘(くとう)の中で入会した兵庫県尼崎の女性がいる。草創の女子部の「関西華陽会」一期生として、ここに平和の道ありと、凛々(りり)しく戦い抜いてきた。
 その後、母として最愛のわが子との死別も乗り越え、あの阪神・淡路大震災の折も、励(はげ)ましに奔走(ふんそう)された。

 「学会で社会を変える使命を学び、人生が180度変わりました。さらに多くの人に妙法のすごさを伝えたい。この心は誰も止められません」
 今も、そう微笑みながら、「創価の大使」として地域を照らしておられる。この偉大な常勝の母たちの心に、女子部も青年部も続いている。

 仏法への理解も、「立正安国」への共鳴(きょうめい)も、遠くにあるのではない。
 使命を自覚(じかく)し、立ち上がった一人の「人の振舞(ふるまい)」から広がるのだ。
 観心本尊抄(かんじんのほんぞんしょう)の文段には「我等この本尊を信受(しんじゅ)し、南無妙法蓮華経と唱え奉(たてまつ)れば、我が身即ち一念三千の本尊、蓮祖聖人なり」と示されている。

 戦う我らの生命には、御本尊、そして日蓮大聖人と一体不二(いったいふに)の智慧(ちえ)と勇気と福徳が如如(にょにょ)として迸(ほとばし)るのだ。
 さあ、君もあなたも、創価の全権大使である。今日も清々しく、勇気凛々と、勝利の仏縁の拡大を頼む!

 わが人生
  自ら叫べや
     大使命
  三世に勝ちたる
   万歳 挙げなむ