大白蓮華 2013年(平成25年)8月号(No.764)

我らの未来部よ新しき黎明たれ!

 創価学会名誉会長   池田大作

 「子どもの内にある松明の炎こそ、未来を照らす太陽なのだ」と、かのビクトル・ユゴーは叫んだ。
 若き心に灯る希望の炎を信じ、育み、いやまして光輝あらしめていく──ここに、私たちの責務がある。

 私が第3代会長に就任して最初に結成したのは、未来部である。それは、小説『人間革命』の連載と呼応していた。創価学会の真実の歴史を残すとともに、万代にわたる令法久住の未来を開いていったのだ。

 『人間革命』の第一章は「黎明」。最終章は「新・黎明」。その意義を、私は未来部の友に語った。
 「仏法は常に、現在から未来へ前進する。君たちが元初の生命の太陽を輝かせて、新しい、もっと素晴らしい、世界平和の黎明を創っていくんだよ」と。
 この心を同じくする盟友が、壮年・婦人部の未来部育成部長、青年部の21世紀使命会、学生部の進学推進部長をはじめ担当者の方々である。感謝は尽きない。御本仏の御照覧は絶対なりと、私は確信する。

 日蓮大聖人は、四条金吾夫妻に後継者が誕生することを「法華経が流布していく種を継ぐ玉のような子」と寿がれた。“我が子のように思われる”とまで、喜んでくださったのである(1109ページ、趣意)。

 仏法の眼で見れば、未来部は、どの子も、かけがえのない大聖人の「我が子」である。
 その一人一人に絶対の信頼を寄せ、皆で励ましを送り、成長を祈り続ける。そして人生と社会の勝利者を育て上げていくのが、創価の人間教育の大地である。


朗らかに
 英知の太陽
   育ちゆけ
  学び鍛えて
    明日を照らせや


 そこには「人間はかくも温かく素晴らしい」との感動が満ち、人に尽くす生き方の模範が光っている。
 青春には思いもよらぬ試練が立ちはだかる。多感な年代ゆえ、時として反発や葛藤もあるだろう。
 しかし、わが師・戸田城聖先生は明快に語られた。
 「子どもの将来は、今の姿だけではわからない。こちらの信心で変わる。必ず向上の軌道に乗る。困らせる子どもは、自分を仏にしてくれるのだ。共に広宣流布のために涌出した地涌の菩薩なんだよ!」

 戦時中、空襲で焼け出された岐阜の女性は、「ここに平和の光あり」と入会し、村八分にも負けなかった。聖教新聞の配達とともに、結成時から未来部を担当し、広大な天地を駆け、若き友を勇気づけてくれた。
 「富も学歴もない。しかし、後継の宝だけは断じて立派に育ててみせると、心は熱く燃えました」と。
 3人の愛娘は鼓笛隊で薫陶を受け、お孫さんたちも創価大学アメリ創価大学に学んだ。広布の母は幾多の後輩に慕われ、悠々と総仕上げを飾られる。
 世界中で、祖父母をはじめ尊き多宝の先輩方が、未来部の激励に力を入れてくださり、ありかたい限りだ。

 「私たちが子どもたちのためにしたことは、未来に百倍の実りと変わる」「若き生命に種を蒔こう。正義の心を込め、歓喜の心を込めながら」──これまた、ユゴーの不滅の呼びかけである。

 時代の闇は深い。だからこそ、我らの未来部よ! 新しき地球社会の希望の黎明と躍り出てくれ給え!