【第21回】 勇気の一歩で世界へ!(2014.1.1)
新時代はみんなから開幕!
名誉会長 希望あふれる新年の太陽が昇りました。
未来部の皆さん! あけましておめでとう!
世界の、あの地この地のSGI(創価学会インタナショナル)の未来部からも、「元気に新年をタートします」との連絡が、どんどん入ってきています。
──「世界広布新時代 開幕の年」である本年は、未来部結成50周年の佳節でもあります(1964年6月7日、高等部が結成)。新時代の主役である未来部のメンバーは、はりきっています。
名誉会長 うれしいね。ぜひ、「未来部新時代 開幕の年」にも、していこうよ!
私の恩師・戸田城聖先生は、未来の宝である学会っ子たちに、期待を込めて語りかけてくださいました。
「将来、誰もが幸せをかみしめることができて、国境や民族の壁のない地球民族主義の平和な世界を築かねばならない。みんなは、きょうのこのおじさんの話を忘れないで、少しでも、この夢を実現してほしい」
戸田先生は、目の前の子どもたちと、一人の大人として向き合い、心から大事にされた。「地球民族主義」という壮大な構想を、真剣に語られました。
先生には、一つの絶対の確信がありました。「世界最高の仏法を持った青年は、すでに世界的指導者である」という一点です。
戸田先生は、未来ある若い人材を信頼し、世界広布の偉大な使命を教えてくださったのです。
みんなは、この「地涌の菩薩」という言葉を知っているかな? 座談会で耳にしたり、任用試験で学んだりしたメンバーもいるでしょう。
名誉会長 「地涌の菩薩」は、一人一人が黄金の輝きを放ち、まるで仏のような姿をしている。あまりにも荘厳なので、それまで仏の説法を聞いていた優秀な人々ですら、驚きを隠せないほどでした。
智慧は豊かで、志が固く、求道の心にあふれている。対話も上手で、見た目も端正で頼もしい。
皆が、民衆を幸福へと導くリーダーで、それぞれが数え切れないほどの友を引き連れていると、法華経には説かれています。
そして、「地涌の菩薩」は、正しい仏法を世界中に弘めていくことを、師匠に誓うのです。
これほどまでに尊貴な「地涌の菩薩」とは、一体、誰のことでしょうか。
それは、まぎれもなく、皆さんのお父さん、お母さんをはじめ、わが学会の同志の方々です。
実は、皆さんも、この「地涌の菩薩」の誓いを持って生まれてきた一人一人なんだよ。
──なかには、「僕なんて、成績だって良くないし、違います」「私はそんなに立派じゃありません」というメンバーもいるかもしれません(笑い)。
名誉会長 今は、そう思うかもしれないね。でも、仏法を持《たも》った皆さんは限りなく尊く、偉大な人なのです。
日蓮大聖人は、「今、日蓮およびその門下が、南無妙法蓮華経と唱えるのは、すべて地涌の菩薩の流類《るるい》(仲間)なのである」(御書751㌻、通解)、「皆、地涌の菩薩の出現でなければ、唱えることのできない題目なのである」(同1360㌻、通解)と仰せです。
題目を唱える人は──
無限の可能性を開いていける。
泉の如き智慧を湧かせられる。
輝く英姿で友に希望を贈れる。
若くして妙法を持《たも》ち、勉学に挑戦する君の眼前には、すでに世界への扉が開かれているんです。
真剣に唱題に励み、友のために行動するあなたの行くところは、世界のいずこの地も、そこが自分を輝かせる最高の天地なんです。
新時代を迎えたこの時に、未来部として学んでいるみんなには、世界の指導者として羽ばたきゆく大使命が厳然とあるんだ。
「大きな山に登ってみると人はただ さらに登るべきたくさんの山があることを見出す」
──女子未来部のメンバーから、「世界のいろんな場所で、人々に会って、夢や希望について話がしたいです。そのために今、私は何をすればいいですか」という質問が寄せられています。
名誉会長 素晴らしい! 世界が、みんなを待っている。
みんなは、人類の希望です。
勉強、語学の習得、読書、心身の錬磨──世界に雄飛しゆく皆さんにとって、今すべきことは、たくさんあるでしょう。
しかし、決して焦る必要はありません。「千里の道も一歩から」です。地道な一歩一歩がこ来の大成につなかっていきます。
「わたしは、ひとつの大きな山を越えてわかるのは、行く手にもっともっとたくさんの越えるべき山があることだけだという真理を発見した」
ならば、また一つ、山を登ればいい。全力で登り切れば、そこにはまた雄大にして新たな景色が広がっているのです。
青春は、挑戦また挑戦です。この不屈の連続闘争の人が、真の勝利者なのです。
27年半に及ぶ投獄を経て、南ア初の黒人大統領に選ばれると、異なる人種が融和する「虹の国」づくりを進めました。
池田先生とは、2度、会見されていますね(1990年と95年)。
名誉会長 何があっても屈しない「正義の巌窟王」でした。その実像は、誰をも慈愛で包み込む「人道の闘士」でした。
マンデラさんが、1万日に及ぶ獄中闘争を勝ち越えて、出獄した8カ月後(1990年10月)、東京・信濃町の聖教新聞社で、多くの青年たちと共に、盛大にお迎えしました。お会いした時の、あの「マンデラ・スマイル」を忘れることができません。
「のんびりしてはいられない。わたしの長い道のりは、まだ終わっていないのだから」と、休むことなく、自由を勝ち取る道を歩み抜きました。まさに、目の前に次々と現れる“使命の山”を踏破し続けたのです。
マンデラさんのように、みんなも目の前の山を、忍耐と負けじ魂で登り切ってほしい。そうすれば必ず、素晴らしい理想の峰が見えてきます。
──青春時代は、さまざまな苦難の山、悩みの山、課題の山との戦いの連続かもしれません。
名誉会長 そうだね。だからこそ、「勇気の一歩」が大切です。
マンデラさんが、皆さんと同じ10代の日に、心に刻まれた指針は、「勇気をもって立ち向かえ」というものでした。
つまり、何か問題が起きた時に、臆病になって逃げ出してしまえば、いつまでも問題は、とどまってしまう。そうではなく、勇気を持って、その問題に取り組むのだ。立ち向かうのだ──と。
マンデラさんは、この教訓を決して忘れなかったといいます。
自分の弱い心を一つ一つ制覇して、「勇気の心」を強く大きくしていったからこそ、差別や迫害、壮絶な獄中生活といった、あらゆる苦難を勝ち越えることができたのです。
その挑戦の日々が、世界中が讃えてやまない「マンデラ」という偉人をつくりあげていったに違いない。
恐れを知らないことが「勇気」ではありません。恐れを感じても、それに負けないでチャレンジし続けることが、真の「勇気」なんです。その人が、世界を変えてゆくのです。
──「いつの日か、池田先生のように、世界平和のため、民衆の幸福のために行動していきたいと思っています。そのためには、世界を舞台に働く職業に就くべきでしょうか」という具体的な質問もありました。
名誉会長 もちろん、私は、みんなに世界で活躍する人材に成長してほしい。しかし、それは単に、「海外に行く」「世界を相手に仕事をする」というかたちだけを指しているのではない。
自分が今いる場所で、堂々と生き抜くことが、世界広布の根本です。「ずっと国内にいるから、私は世界広布に貢献していない」などと思う必要は全くありません。
先日、未来部と交流したSGIメンバーから、感動の声が届いていたよ。未来部が御書を学んでいることに驚き、「早速、国に帰ったら、未来部メンバーと実践します」と言っていました。
みんなの頑張る姿が、世界中に大きな影響を与えていく。
今、情報化も急速に進み、どんどん世界は近くなり、結ばれています。どこにいても、どんな立場であろうと、皆さんの時代は、世界が相手です。
だからこそ、どこまでも理想を高く掲げることです。「私は世界広布をする」と決めることだ。その祈りが、かなわないわけがない。
みんなは、人々に笑顔を贈り、幸福を贈るために生まれてきたのだから──。
みんなには未来がある。無限の可能性がある。みんなのために、私は道を開き続けてきました。
日本の、そして、世界の広宣流布を、よろしくお願いします。