【第19回】 幸福と勝利の大城を! (2013.11.1)

さあ、11月です。秋が深まり、まもなく冬もやってくる。北海道や東北など、寒い地域では雪もふりはじめるね。
 みんな、元気かな?
11月といえば18日が創価学会の「創立記念日」です。みなさんのお父さんお母さんたちは、がんばってきました。
 とくに今年は、全世界の同志が待ちに待った「総本部」が完成し、いつの年にもまして喜びが大きいのです。
 総本部は、世界の平和と人類の幸福をめざす広宣流布の未来のために、こと尊い使命を受けついでくれる世界一の未来部のみなさんに贈る「宝の城」です。
    * * *
 私が、恩師・戸田城聖先生とお会いしたころは、今のような学会の会館は、一つもありませんでした。
 先生はよく「会館もないのでは、同志がかわいそうだ」と言われていました。
 私は「日本中、世界中に立派な会館を建ててみせます」と申し上げました。
 その約束通りに、日本、世界で、あの地にも、この地にも、たくさんの人が楽しく、朗らかに集まり、希望に燃えて前進するための会館を築いてきたのです。
 みなさんも、お父さんやお母さん、未来部のお兄さんやお姉さんたちと、会館に行って会合に参加したことがあるでしょう。
 会館には、青年部の「牙城会」、壮年部の「王城会」、婦人部の「香城会」などの方々がいて、真剣に守ってくださっています。
 このグループの名前を見て、気づいたかな? 「城」という字がついているね。
 ちょっとむずかしいかもしれないけれど、「城」という漢字には、もともと民衆を守るために、まわりに土をもって、壁をつくつったものという意味があるといいます。
 学会の会館は、民衆を守り、広宣流布を進める大事な「城」です。
 人々を幸福にし、地域と社会を繁栄させていく「城」です。
 学会の会館は、地震や豪雨などの自然災害があった時には、地域の一時的なひなん所となり、多くの方を守ってきました。
 海外では、実際のお城だった建物を、会館として使っている国もあります。
 たとえば、イギリスのロンドン郊外にあるタプロー・コート総合文化センターは、イギリス首相たちが訪れ、タイ王国の国王も滞在された有名なお城でした。今も、国の歴史的建造物に指定されています。
 また、大芸術家のレオナルド・ダビンチやミケランジェロが活躍した街・フィレンツェにあるイタリア文化会館も、国の車要文化財です。ローマに続く道を守る砦に始まる、約2000年の歴史が光ります。
 みなさんは、世界に広がる「創価の城」の王子であり、王女なのです。
 みなさんは、お城のような大きな建物を、どうやって、つくっていくか知っていますか。
 「ピラミッドは頂上からつくられはしない」と、フランスの文豪ロマン・ロランは言いました。
 そうです。建物は上からではなく、必ず土台からつくっていくのです。
 あのエジプトの大ピラミッドが4500年という長い歳月をこえて、くずれないのも、土台がしっかりしているからです。
 見た目がどんなによくても、土台が弱ければ、ちょっとしたことで倒れてしまいます。すべては、土台で決まります。
 学会の総本部も、じっくりと時間をかけで土台を盤石につくり上げました。
 長い人生でいえば、みなさんの時代は、ちょうど「土台を築く時」です。
 今、悩んだり、苦しんだりしていることは、全部、みなさんの人生の土台を、強くじょうぶなものにしてくれます。苦労は、幸福の土台なのです。
 だから、どんなに大変なことがあっても、決して負けないでください。
 「創価の城」の王子王女とは、何があっても「負けない人」のことです。
   
 私がお会いした大科学者ルネ・デュボス博士は、細菌学の研究で、多くの人の命を救った方です。
 その博士が紹介していた話があります。
 ある時、建物の材料となるレンガを汗水たらして運んでいる三人の人がいました。
 そばを通った人が、質問をしました。
 「何をしているんだい」
 一人目の人が答えました。
 「石運びだよ」
 次に、二人目の人が答えました。
 「壁をつんでいるのさ」
 最後に、三人目の人はこう言ったのです。
 「聖堂(特別な意義のある建物)を建てているんだ」
 重いレンガを運ぶという同じつらい仕事をしていても、どんな心で取り組んでいるかで、まったく意味が変わります。
 自分は偉大な建設にたずさわっているのだと思えば、その人は、誇りに燃えて前進することがてざるのです。
    
 みなさんの毎日の勉強や努力するのも、つらい時があるでしょう。
 でも、それらは、一つ一つが自分の夢につながる。今は、自分の偉大な城をつくっているんだと、心を決めて、明るく、ねばり強く、挑戦していってください。
 人間は「どんな希望をもっているか」「何のためにがんばるのか」で大きく変わります。
 私は、未来部のみなさんが、一人もれなく、自信まんまんと胸を張って生きていっていただきたいのです。
 みなさんも、自分らしく「大いなる希望」をもってください。「何のため」という目的を見つめ、それに向かって、努力をつみかさねていってください。
 そうすれば、みなさんの心の中に、幸福と勝利の大城が築かれていきます。
    
 「学会は、人材をもって城とせよ!」
 これこそ、戸田先生から何度も教わった学会精神です。
 立派な総本部の建物も、みなさん方が人材となって活躍することで、「宝の城」としてかがやいていくのです。
 ゆえに、学会は永遠に人材を育てます。
 人材で広宣流布の大道を開きます。
 人材で平和と幸福の花を咲かせます。
 人材で前進し、人材で勝利します。
 みなさんは、まちがいなく全員が大人材です。
 みなさんが力をつけて、世界中に「人材の城」を築き上げてくれるのを、私は何よりも楽しみにしています。
 一人一人の成長と勝利を信じ、きょうも一生けんめい、題目を送ります。
 寒くなるから、みんな、かせなどをひかないように!
 健康第一で、元気いっぱいに進もう!
参考文献はルネ・デュボス著、長野敬・新村朋美訳『生命の灯』(思索社)。