小説「新・人間革命」 勝ち鬨 一 2017年12月6日

青年の心には、果てしない希望の青空が広がり、真っ赤な情熱の太陽が燃えている。
ほとばしる勇気と、限りない創造の泉がある。
新しき時代の主役は青年である。青年が、いかなる志をいだき、どれほど真剣に学び、果敢に行動し、自身を磨き鍛えているか──そこに、未来の一切がかかっている。
ソ連・欧州・北米訪問から帰国した山本伸一は、今こそ青年の育成に力を注がね
ばならないと、固く心に決めていた。
一九八一年(昭和五十六年)七月十日夜、男子部・女子部結成三十周年を記念する青年部総会が、常勝の天地である大阪市の関西文化会館で意気軒昂に開催された。
伸一は、次代のリーダーたちの、新たな前進と活躍に心から期待を寄せ、長文の祝電を送った。
 
 「道は刻々と開かれている
  若き君達の舞台は
  刻々と近づいている
  私はそのために死力をつくして
  君達を広宣流布
  檜舞台にのせたいのだ
  一人も退いてはならない
  一人もたじろいではならない
  一人も軽蔑されてはならない
  
  わが学会の青年部も三十周年を迎え
  ここに三十歳になった
  三十にして立つとは
  古賢の言葉である」
 
青年よ、立て──彼の魂の叫びであった。
 
 「西暦二〇〇一年に向かって
  つねに世間の人々が感嘆し
  感服しゆくような
  この二十年間
  本舞台ともいうべき激動にして
  このすばらしき時代を
  私とともに勇気凜々
  築いていっていただきたいのだ」
 
眼前の課題を、一つ一つ確実に勝ち越えていくなかに、新世紀の絢爛たる勝利もある。