第34回 本部幹部会・信越総会への池田先生のメッセージ 2018年5月14日

御本仏は 流罪佐渡も「常寂光の都」と
「さあ来い!」と試練に向かえ
 
本部幹部会の前日(12日)、長野研修道場を訪れたSGIメンバーが、信越の同志と記念のカメラに納まった。
「新たな人間革命のドラマを共に!」との誓いにあふれて
       
       
一、今、私は改めて、創価の師弟の不思議なる宿縁に思いをはせております。
御本仏・日蓮大聖人が、佐渡流罪という大難を受けられ、ここ信越の天地に第一歩をしるされたのは、文永8年、西暦1271年のことでありました。
それから満600年の1871年(明治4年)、創価の父にして殉教の大師匠たる牧口常三郎先生は、大聖人の魂魄とどまる信越に誕生されたのであります。
牧口先生は、このふるさとを愛され、同郷の友や後輩に尽くされました。
学会を創立して真っ先に、若き30代の愛弟子・戸田城聖先生を伴って、生まれ故郷・新潟柏崎の荒浜へ足を運び、知人たちを折伏されてもおります。
それは、軍国主義の靴音が高まる時代にあって、妙法という幸福と平和の種を、愛する郷土の大地に蒔きゆく旅でありました。
とともに、信越において大聖人が「顕仏未来記」等を認め「仏法西還」「一閻浮提広宣流布」を宣言なされたことを偲びつつ、学会による未来の壮大な世界広布を展望しゆく旅でもあったのであります。
こうした師弟旅の思い出を、のちに戸田先生は、長野の軽井沢で過ごされた最後の夏、私にしみじみと語ってくださいました。
私が小説『人間革命』の執筆を深く誓ったのも、この時であります。
幾重にも「師弟誓願」の歴史が刻まれた信越での本部幹部会、誠におめでとう! 
新潟も、長野も、全地区、全ブロックが元気いっぱい、折伏弘教、人材拡大に邁進して本日を迎えられたことを、うれしく伺っております。
そして、信越の同志と共に、素晴らしい友好交流を広げてくれたアメリカ、南米、
欧州、台湾、韓国の皆さん、本当にありがとう!
牧口先生も、戸田先生も、どれほどお喜びでしょうか。日本と世界の創価家族の勇気みなぎる大健闘を、大拍手で讃え合おうではありませんか!(大拍手)
 
国土世間を変革
 
一、御本仏が、発迹顕本からの3年に及ぶ歳月を、他のどこでもない、ここ信越で過ごされた意義は、計り知れません。
それは、「雪が降り積もって消えることがない」(御書916ページ、通解)という厳寒にさらされ、「今年、今月にも、万が一にも死を免れようのない身命である」(同509ページ、通解)と仰せの如く、極限の弾圧を耐え忍ばれた一日一日であられました。
その中にあって、大聖人は悠然と、阿仏房や千日尼をはじめ新しい地涌の菩薩を一人一人、呼び出され、題目を唱える男女は、ありのままの姿で、最極の生命の「宝塔」であると、示していかれたのであります。
こうした尊き無名の父母たちや、信仰を始めて間もない庶民を育みながら、大聖人は、こまやかに地域に仏縁を結ばれ、有力者や長老、ひいては敵対する人々までも味方とし、佐渡の島の国土世間を大きく変えていかれました。
さらに、後継の弟子たちを薫陶されるとともに、乱世のただ中にある鎌倉等の門下一同の無事安穏を、「湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く」(同1132ページ)祈り抜いてくださいました。
そして、「開目抄」や「観心本尊抄」など、万年までの法門を書き残してくださったのであります。
 
不撓不屈の信心で
 
一、この御本仏の師子奮迅の御振る舞いを深く拝し、佐渡での御聖訓を、皆で心肝に染めたいと思います。
すなわち、「この世界の初め以来、父母の反対や主君などから迫害を受け、遠国の島に流罪された人で、私たちのように喜びが身にあふれている者は、よもや、いないであろう。
それゆえ私たちが住んで法華経を修行する所は、いずれの地であっても常寂光の都となるであろう」(同1343ページ、通解)との御文であります。
この大聖人の直系として、いかなる難にあおうとも、いかなる宿命が襲いかかろうとも、妙法を唱え抜き、「さあ来い!」と喜び勇んで立ち向かい、使命の現場で断固と勝ち越えていく。これこそ、我ら創価の師弟であります。
広布と人生の師弟旅は、永遠に試練との大闘争です。
それゆえに、いよいよ「不撓不屈」の信心で「人間革命」の舞を舞い、新たな地涌の連帯の裾野を広げ、わが誓願の天地に「常寂光の都」を輝きわたらせていきたいのであります。
世界広布が同時進行で展開する今こそ、それぞれの郷土に「人材拡大」「青年育成」の理想郷を築き上げ、地域蘇生の連鎖を創り起こして、大いなる友情と信頼と平和の光で、地球社会を照らしていこうではありませんか!
終わりに、きょう「母の日」(13日)の本部幹部会に当たり、偉大な創価の母たちのますますの健康と幸福を皆で祈りたい。
そして、全世界の躍動する若人と共々に、「共戦の勝利旅」へ出発しよう! 悪戦苦闘を突き抜けて! と申し上げ、私のメッセージといたします。
 
美しき信越、万歳!
美しき創価の母、万歳!
美しき世界の学会家族、万歳!(大拍手)
 
 
 
世界広布新時代第34回本部幹部会 信越総会から
(要旨) 原田稔会長 2018年5月19日
 
「真実に勝る雄弁なし」の確信で──
創価の正義を胸張り語ろう
 
 
一、「世界広布新時代第34回本部幹部会」ならびに「信越総会」の開催、誠におめでとうございます(拍手)。
本日は、12カ国・地域から、82人のSGIメンバーも参加されております。
遠いところ、ようこそお越しくださいました。
 
一、さて、先日、日中平和友好条約締結40周年を記念する中国・李克強首相の歓迎レセプションに出席してまいりました。
池田先生から李首相に贈られた漢詩と共に、先生の歓迎の意をお伝えすると、李首相は「33年前の池田先生との出会いを、よく覚えております」と誠に懐かしそうに語っておりました。
33年前の1985年(昭和60年)3月、若き李首相は中国青年代表団の副団長として、当時の胡錦濤団長と共に来日されました。
それは、前年に日本から青年3000人の大交流団が訪中した、その返礼としての来日でした。
この時、先生は“昨年、日本の青年がお世話になったことでもあり、大事な未来の指導者だから”と、地方指導の予定を変更して東京に戻り、代表団と会見されました。
青年を心から大切にされ、そして誠実には大誠実をもって報いる池田先生の行動こそ、時を経るごとに輝きを増す友情の根幹なのだと、今回、改めて学ぶことができました。
 
一、また、先月には、フランス、スペイン、イギリスを訪問してまいりました。
スペインについては、カプート理事長の報告にあった通りですが、フランスでは、フランス学士院を訪れ、アブラハム友愛協会のエドモンド・リール会長夫妻、経済等の分野で活躍するベルナール・エザンベール氏らと会見。
フランス・仏教学研究所のドミニック・トロティニヨン所長とも、有意義な対話を交わすことができました。
さらに、「欧州会議」設立45周年を祝賀するフランスSGIの総会では、席上、大手出版社のアルマッタン社から、池田先生に「平和への対話特別賞」が贈られました。
また、6000人を超す青年結集の大勝利に沸くイギリスでは、ロンドン市庁舎でマシュー・ライダー副市長と会見。
タプロー・コート総合文化センターでの環境展示“希望の種子展”の開幕式には、多くの来賓が集い、地域貢献の努力が結実した式典となりました。
多様な民族、言語、文化の人々がひしめき合うヨーロッパにあって、広宣流布を進めることが、どれほどの艱難辛苦を伴うか。
だからこそ、かつて池田先生は「日蓮仏法もこのヨーロッパで実験証明されてこそ、初めて世界宗教として飛翔することができる。
私はそう決めて祈り、欧州広布の第一歩を踏み出しました」と、つづられました。
例えばフランスでは、「ライシテ」と呼ばれる原則があります。これは、私生活の信仰は自由だけれども、公共空間には宗教性は持ち込まないという考え方です。
ライシテは、フランス革命以来の長い歴史的経緯に根差しており、こうした独自の事情によって、フランスでは創価学会に対して厳しい偏見の目が向けられた時代がありました。
2001年12月のこと、ゴルバチョフソ連大統領と、池田先生との対談集『20世紀の精神の教訓』のフランス語版が発刊され、ゴルバチョフ氏自身が出席しての出版記者会見が、パリ政治学院で行われました。
その後、ゴルバチョフ氏は、パリで人気のテレビ番組に出演しました。ところが、その番組で司会者から、先生とSGIに関する無認識からくる質問が飛び出したのです。
学会を取り巻く当時の社会状況を象徴する、ひと幕でした。
しかし、質問が終わるや否や、ゴルバチョフ氏は毅然とした口調で語り始めました。
「いいですか。池田会長に対して、一部の根拠なき言説があるようですが、私がそのような質問を受けたのはフランスだけです。
どこからそのような話が出てくるのか理解できません。全く根も葉もないことです。
この本は、すでにいくつかの国で出版され、各国の読者から多大な賛同と支持を得ています。
まず、それが第一点。
次に、池田氏は私との対話を行う前に、全大陸のおよそ100人ほどの識者と対談し、その中の誰一人として、池田氏を非難した人はいませんでした!」──こう明快に切り返したのです。
慌てた司会者は、「それはその通りです。その通りです」と、ほうほうの体で退散してしまいました(笑い)。
池田先生の結ばれた友情が、いかに強い絆であるか。そしてフランスの同志は、こうしたゴルバチョフ氏に負けず劣らずの言論戦を展開してこられました。
それはスペインしかり、イギリスしかり、であります。
ゆえに今、日蓮仏法が世界宗教として飛翔しゆく実証を、見事に示しきっているのであります。
 
一、日蓮大聖人は「日蓮がごとく身命をすてて強敵の科を顕す」(御書1589ページ)と仰せになられました。
広布が伸展すれば、三類の強敵が出来するのは必定です。
ゆえに、こちらから斬り込み、根も葉もないデマの正体を暴き、責め抜く──。
相手の心に深く入り込んだデマの“毒気”を抜き去らなければ、真に「心に刺さる対話」「心を変える対話」にはならないのです。
私どもは「真実に勝る雄弁なし」そして「勇気に勝る信心なし」の大確信で、胸を張って、創価の正義と真実を語り広げていきたい(拍手)。
 
一、ここ信越の地で書き起こされた小説『新・人間革命』は、以来、四半世紀を経て、いよいよ6月、その掉尾を飾る第30巻の上巻が発刊されます。
師弟の月・7月へ、池田先生が命を削るようにして紡ぎ出された、一言一句に全身全霊で向き合い、実践しながら、私どももまた、「わが人間革命」の新たな一ページをつづる、一日また一日にしていこうではありませんか(拍手)。