第35回 本部幹部会・関東総会への池田先生のメッセージ 2018年6月3日


世界平和の大航路を進め
トインビー博士「日蓮の遺命を創価学会が実行」
 
一、かの釈尊は、世界最高峰のヒマラヤのふもとに王子として生まれ、大宇宙の究極の法則と合致しゆく、生命の最高峰の境涯を示されました。
末法の御本仏・日蓮大聖人は、世界最大の太平洋のほとりに「民の子」として聖誕なされ、釈尊の遺命を受け継がれつつ、全人類の幸福と平和の道を広大無辺に開いてくださったのです。
小説『人間革命』の英語版が発刊された折、トインビー博士から寄せていただいた真心あふるる序文には、こう記されていました。
日蓮の地平と関心は、日本の海岸線に限定されるものではなかった。日蓮は、自分の思い描く仏教は、全ての場所の人間の仲間を救済する手段であると考えた」
そして、「創価学会は、人間革命の活動を通し、その日蓮の遺命を実行しているのである」と――。
トインビー博士も見つめておられた、壮大に全地球を潤しゆく誉れ高き民衆仏法の源流こそ、ここ千葉であり、我らの大関東であります。
大聖人直結の「敢闘精神」に燃える創価家族、すなわち埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の異体同心の皆さん、堂々たる大拡大、そして大勝利の関東総会、誠におめでとう!(大拍手)
さらに、海で結ばれた各国の宝友を迎えて、世界広布の息吹にみなぎる本部幹部会を、大聖人がどれほど喜んでくださっていることでしょうか!
海外の尊きリーダーの皆さん方、本当にありがとう!(大拍手)
 
未来部は人類の希望
 
一、思えば、第3代に就任して最初の夏、私は千葉の犬吠埼富津海岸で男女青年部の精鋭と錬磨の研修を行いました。
その折、健気な地元・銚子の友と、大漁節を歌いながらの野外座談会を開いたことも、忘れ得ぬ思い出です。
今、わが不二の誓願の青年部は、大関東をはじめ日本全国そして全世界で、地涌スクラムを一段と大きく広げながら、目覚ましい勝利の前進を続けてくれています。
その溌剌たる敢闘精神を、私は讃えたい。
そこで今日は、1982年(昭和57年)――若き正義の連帯で「反転攻勢」の波を起こした「青年の年」に、後継の友へ認めた四つの揮毫を通して、今の真情を伝えたいと思います。
 
一、まず「若人鯱之力」。
これは、戸田先生の和歌「荒海の 鯱にも似たる 若人の 広布の集い 頼もしくぞある」を胸に、先駆の学生部へ綴った書です。
海の王者たる鯱は、群を抜いたスピードと無敵の強さ、さらに仲間との優れたコミュニケーション能力、そして団結力でも知られます。 
それは、まさしく躍動する英才たちの群像にも通じます。
だからこそ、50年前の日中国交正常化の提言をはじめ、平和のビジョンを、私は男女学生部に語り託してきました。
どうか、いやまして躍動する、普く賢い「普賢」の力で、歴史を創る「広宣流布」即「世界平和」の大航路を進んでいただきたい。
 
一、次に、「栄光天使空」。希望輝く未来部への書です。
妙法受持の家に生まれ育つ宿縁が、どれほど深いか。
法華経を拝すれば、過去世に十万億の仏を供養してきた大功労の方々であり、未来へ計り知れない福徳をもたらす大使命の方々です。
ゆえに、わが未来部の成長こそ、全人類の希望であり、喜びなのです。
気高き担当者の方々に最敬礼して感謝するとともに、正義の宝の天使たち一人一人が健やかに栄光の大空へ羽ばたきゆけるよう、皆で一段と祈り、励ましていきたい。
任用試験に挑戦する未来部の友も、本当にご苦労さま!
 
「心の財」を積みゆけ
 
一、さらに、華陽の女子部に贈る書は「福運無限詩」です。
実は、ここ船橋は蒲田支部の縁で、私の妻も女子部時代、幾度も足を運んで同志と学会活動に励んだ天地であり、今日の大発展を何より喜んでいます。
大聖人は、「南無妙法蓮華経は、自他共の生命にも、周囲の環境にも、無量の福運と智慧を広げゆける福智の法である」(御書792ページ、趣意)と明かされています。
小さな、また地道な「心の財」の積み重ねこそが、無限の福運と広がります。
華陽姉妹の皆さんは、仲良く朗らかに支え合いながら、最も美しく、最も価値ある青春勝利のロマンの詩を、春夏秋冬、織り成していってください。
一、最後に、「勇者共戦」。若師子の男子部への記別です。
1973年(同48年)の早春、学会が仏法を基調とした本格的な社会建設へ挑み始めた時に、関東の男子部と心肝に染めた御聖訓があります。
それは、「日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず」(同1282ページ)と。
闘諍言訟の末法は、臆病では何事も成就できない時代である。ゆえに、創価の丈夫は「師子王の心」を持てる勇者として断固と共戦してもらいたい。
結びに、関東の在家の門下である富木常忍に授けられた「観心本尊抄」の一節「天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか」(同254ページ)を共々に拝したい。
そして、「太陽の仏法」の大光で、家庭も地域も、社会も世界も、いよいよ明るく照らし晴らそうではないか! と申し上げ、私のメッセージといたします(大拍手)。
 
本部幹部会で紹介された池田先生の指針 2018年6月13日
「黄金の日々」を勝ち取れ!
広布は「一人」から始まる
永遠に輝く「今生人界の思出」を
学会は「日蓮と同意」の団体
究極の幸福の軌道を邁進
 
創価の厳父・牧口先生の座像を見つめる池田先生ご夫妻(2007年7月、東京牧口記念会館で)
世界広布新時代第35回本部幹部会」(2日、千葉の船橋池田講堂)の席上、1997年1月の本部幹部会での池田先生のスピーチ映像が上映され
た。
行学の二道に
 
励む友への指針として掲載する。
 
一、思えば牧口先生は、昇りゆく旭日のような勢いで、「価値創造」の青春を生き抜かれた。
そして真っ赤な太陽が黄金の光を放ちゆくように、荘厳な人生の総仕上げを飾られた。
素晴らしき夕日は、素晴らしき明日を約束する。
西空を黄金に染めて沈む夕日は、明日の晴天を約束する。
同じように今世の偉大なる安祥の「死」は、「永遠の幸福」を約束する。
悔いなく広宣流布に生ききった一生は、三世永遠に仏界の大境涯へと輝きわたっていく。
ゆえに「一生成仏」の大道を進め! 今世を広宣流布に生き抜け! そう日蓮大聖人は、厳しく教えられているのである。
 
「毅然たる信心」で
 
一、戸田先生は、大確信をもって語られた。
「大聖人のおことばを信じて、この(法華経の)鏡に照らしてみるならば、(牧口)先生は法華経流布の国のなかの、もっとも徳清らかな王家に、
王子として再誕せらるべきこと、堅く信じられるべきで、先生の死後の幸福は、吾人(=私)に何千、何万倍のことか、ただただ、おしあわせをこ
とほぐ(=祝福する)ばかりである」と。
生命が存在する天体にしても、この地球だけではない。数多く存在するとされる。
そこには、多くの「法華経流布の国」があると考えられる。
ゆえに戸田先生は、御書に照らし、法華経に照らして明言された。
──牧口先生は素晴らしき「法華経流布の国」の、素晴らしき王家に、王子としてお生まれになられることだろう。
それほど牧口先生の幸福は計り知れない。われわれの何千何万倍である、と。
 
一、牧口先生、戸田先生に連なる学会員も、この一生を広宣流布に生ききったとき、皆、こうした永遠の勝利と栄光に包まれゆくことは、絶対に間
違いない。
ゆえに、負けてはならない。何があろうと「毅然たる信心」を貫くことである。
御書に「一切衆生・南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽なきなり」(1143ページ)とある。
また、「南無妙法蓮華経と我も唱へ他をも勧んのみこそ今生人界の思出なるべき」(467ページ)と。
はかない、夢のような一生である。「一生はゆめの上・明日をごせず」(1163ページ)である。
明日がどうなるかさえ、だれもわからない。
いわんや永遠はわからない。
いかなる富も地位も名声も、はかなき夢のごときものである。死後に持って行けるわけでもない。
そのなかで、私どもは永遠の妙法を唱え、弘め、広宣流布に命を燃焼させている。
これ以上の崇高な生き方はない。学会活動にこそ、人生の無上道がある。
 
太陽はわが胸中に
 
一、また、大宇宙の一切は、「南無妙法蓮華経」の力用である。
その「南無妙法蓮華経」という根本の法は、私どもの胸中にある。何と素晴らしいことか。
太陽は今日も昇る。私どもも、題目を今日も唱え、胸中に太陽を昇らせていく。
ひとたび太陽が昇れば、すべてが照らされていく。
わが「生命の太陽」を赫々と燃やしながら、今日も祈っていこう、戦っていこう、生き抜いていこう、人生の福運をつくっていこう。
ここに究極の幸福の軌道がある。
どうか、「黄金の一日一日」を信心で勝ち取っていただきたい。
この現実の「娑婆世界」「忍耐の世界」で、晴れ晴れと勝っていただきたい。
 
一、牧口先生は、千葉で立宗された大聖人の御姿を通して、学会員を励まされた。
1939年(昭和14年)、折伏のために九州に足を運ばれたときのことである。
当時は、列車の長旅である。今のように飛行機はない。高齢(67歳)のお体には、相当こたえたはずである。
しかし、先生は、法のためならば、いかなる労もいとわれなかった。
その折、初対面のある婦人も、牧口先生の青年のようなすがすがしい音声、絶対の確信、誠実と慈愛の姿に感動して入会を決意する。
声が大事である。確信が大事である。姿が大事である。すべて諸法実相である。
牧口先生は、その発心した婦人に、こう語りかけ、心にクサビを打ち込まれた。
「あなたが御本尊をいただくということは、仏法の原理に照らして、九州の全民衆が不幸という悩みから救われることになるのです!」
「一人立て!」である。どの地でも、広宣流布は常に「一人」から始まる。
 
妙法の種は必ず花開く
 
一、牧口先生は、その時、「諸法実相抄」の一節を拝された。
日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし」(1360ページ)
そして先生は、しみじみと語られたのである。
「大聖人も千葉の嵩が森で第一声を放たれたときは、お一人でした。今、あなたが九州で一人、この最高の御本尊に向かって南無妙法蓮華経と唱え
るということは、地涌の義によって、九州にも必ず、二人、三人、百人と御本尊を持つ人があらわれるということなのです」
この言葉の通り、牧口先生が自ら蒔かれた妙法の種は、見事に花開いている。
 
一、大聖人は、「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(同ページ)と仰せである。
ただ「拝んでいる」だけでは、「日蓮と同意」にはならない。折伏をやろう! 広
宣流布をやろう!──この心の炎が燃えている人が「日蓮と同意」なのである。
その意味で、まさしく「日蓮と同意」で戦い抜かれた象徴が牧口先生である。
日蓮と同意」の団体は、現在も、未来においても、断じて創価学会しかない、と申し上げておきたい。
本当に「日蓮と同意」の心をもった、本当の「学会の同志」で一緒に邁進しましょう!
 どうか、健康第一で、朗らかに、何ものをも乗り越えて、一日一日、福運を積んでいっていただきたい。
 私も、皆さまの健康、長寿、幸福、裕福を祈り続けたいと思っている。
本日、お会いできなかった方にも、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい。
長時間、ありがとう!