小説「新・人間革命」 誓願 七十一 2018年6月19日
宗門から「解散勧告書」なる文書が送付されてきてから三週間後の十一月二十九日、またしても学会本部に文書が届いた。「創価学会破門通告書」と書かれていた。
宗門は、解散するよう勧告書を送ったが、学会が、それに従わないから、"破門"するというのだ。
最高指導会議議長の泉田弘や参議会議長の関久男、同副議長の清原かつ等である。
泉田は、あきれ返りながら語った。
「いったい誰を"破門"にしたのかね。普通、"破門"は、人に対して行うものだが、学会とSGIという組織を"破門"にしたという。
そして、個々の会員には、宗門の信徒の資格は残るので、学会を脱会するよう呼びかけている。
結局、学会員を奪って、寺につけようという魂胆が丸見えじゃないか。
宗門の権威主義、保身、臆病、ずるさは、昔から全く変わっていないな。信心がないんだ。
だから、戦時中は、神札を受けるし、御書も削除している。
また、何かあると、御本尊を下付しないなどと、信仰の対象である御本尊を、信徒支配の道具に使う。
それと、注意しなければならないのが、創価の師弟を引き裂こうとしてきたことだよ。
宗旨建立七百年(一九五二年)の慶祝記念登山の折、戦時中、神本仏迹論の邪義を唱えた悪僧・笠原慈行を、学会の青年たちが牧口先生の墓前で謝罪させた。
その時も宗門の宗会は、戸田先生に対して、大講頭罷免、登山停止等を決議した。
戸田先生一人を処分して、同志との離間、創価の師弟の分断を謀り、学会員を宗門に隷属させようという魂胆だったんだよ」