​大白蓮華 2018年8月号

巻頭言
凯歌大道の誉れの人生を!

 打ち続く苦難に遭(あ)いながら、なぜ、かくも堂々とされているのか? 激闘の日々、戸田先生に尋(たず)ねたことがある。
 先生は、「ぼくだって、夜も眠れぬほど、悩み、考えているよ」と笑いながら、こう答えてくださつた。 「それは、牢獄(ろうごく)のなかで、自分の使命を知ったからだね。生涯を捧(ささ)げて悔(く)いない道を見つけたということだ。
 そうなければ人間は強いぞ。恐れも、不安もなくなる」と。
 法難の獄中で齢(よわい)45にして妙法流布の大使命を覚悟(かくご)されてより、先生はまさしく「巍巍堂堂(ぎぎどうどう)として尊高(そんこう)なり」(2113ページ)という地涌の菩薩の生命で戦い抜かれたのである。

 命に及ぶ大病や災害、倒産など、逆境(ぎゃっきょう)に挑(いど)む壮年に、 先生は盟友(めいゆう)を抱(だ)きかかえる如(ごと)く渾身(こんしん)の励ましを贈った。 いざ肚(はら)を決めれば、我ら丈夫(ますらお)は劇的を力を出せるのだと。

 言(い)うに言われぬ苦労は絶(た)えないが、「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」の 題目があるゆえに、全ては黄金柱(おうごばしら)の円熟(えんじゅく)の輝(かがや)きと変わる。
 日蓮大聖人は、「法華大海の行者(ぎゃじゃ)に諸河(しょが)の水は大難の如(ご)く入れども・かへす事(こと)とがむる事なし、諸河の水入る事なくば大海あるべからず」(1448ページ)と仰せになられた。
 さあ、何でも来い! 創価の壮年は、大海原のように悠然(ゆうぜん)と、広宣流布、立正安国の誓願に生き抜くのだ。

 四条金吾(しじょうきんご)がそうだったように「負けじ魂(たましい)」で仏子(ぶっし)に尽 (つ)くせば、「法華経の兵法」の真髄(しんずい)を発揮できる。誰(だれ)が褒(ほ)めなくとも、師匠に笑顔で報告できれば、それでいいのだ。
 短気な金吾には、女性を大切に、大らかに包容(ほうよう)するの が賢人(けんじん)とも指導されている。世界一の太陽の婦人部から信頼される時、世界一の壮年王者と光ることを忘れまい。

 8月24日は「壮年部の日」。71年前の夏、恩師が19歳の私を導(みちび)いてくださったように、壮年が後継の青年を励まし、育(そだ)てゆく意義も込めさせて頂(いただい)いている。
 また1950年、最悪の苦境(くきょう)に、師が聖教新聞の構想を示された「創刊原点の日」でもある。一番の試練の時に一番の偉大な価値を創造するのが、壮年の本懐(ほんかい)だ。
 この魂(たましい)で、凱歌大道(がいかおうどう)の誉(ほま)れの人生を進もうではないか!

 人間の
  王者の心の 
    君(きみ)なれば
   民(たみ)に慕(した)われ
     師弟(してい)の凱歌(がいか)を