小説「新・人間革命」 誓願 百二十六 2018年8月24日
これで海外訪問は、世界五十四カ国・地域となった。
これには大統領夫妻、ノーベル平和賞を受賞したオスカル・アリアス・サンチェス元大統領らが出席した。
会場のコスタリカ科学文化センターには、「子ども博物館」が併設されており、そこで遊ぶ子どもたちの元気な声が、式典会場にも響き渡っていた。
スピーチに立った伸一は、微笑みながら語った。
「賑やかな、活気に満ちた、この声こそ、姿こそ、『平和』そのものです。
ここにこそ、原爆を抑える力があります。希望があります。
子どもたちは、伸びゆく『生命』の象徴です。
核は『死』と『破壊』の象徴です」
席上、伸一は、「"核の力"よりも偉大な"生命の力"を、いかに開発させていくか」
「"核の拡大"よりも強力な"民衆の連帯"を、どう拡大していくか」
──ここに人間教育、民衆教育の重大な課題があると訴えた。