本部幹部会・九州総会への池田先生のメッセージ 2018年7月10日


牧口先生、戸田先生の法難から75年 
牧口先生「私の後に必ず青年が続く」 
広布加速の原動力 衛星中継開始30年目 陰で支える全ての友に感謝
 
本部幹部会に参加した九州青年部・未来部が、学会歌「青年よ広布の山を登れ」を歌い上げる。“
広宣流布の未来を担うのは私たち!”との誓いに燃えて(九州池田講堂で)
 
一、初めに、このたびの記録的な豪雨の被害に心よりお見舞いを申し上げます。 
被災地の方々に届けと、ひたぶるに題目を送っております。
支援・激励、また復旧に尽力される皆さん方も、本当にご苦労さまでございます。 
尊き宝友を一人ももれなく、三世十方の仏菩薩よ、無量無辺の諸天善神よ、断固として護りに護り給えと、私はいよいよ強盛に祈り抜いてまいります。 
 
一、愛する大九州の栄光凱歌の総会、そして世界の気高き求道の友を迎えての本部幹部会に、万感の思いを込めてメッセージを送ります。 
わが学会の衛星中継が始まって、今年で30年目になります。 
数学の天才であった戸田先生はよく、「通信技術の発達は、広宣流布が飛躍的に加速する兆候なんだよ」と展望されていました。
その通りに、20世紀から21世紀の大転換期にあ
って、我ら創価家族は、衛星中継を通して、固く強く心を一つに結び合い、邪宗門をはじめ僭聖増上慢の迫害とも悠然と戦い抜きながら、世界宗教として大発展を遂げることができたのです。 
中継を陰で支えてきてくれた全ての方々に、私は心より感謝申し上げます。 
〈衛星中継は1989年8月24日にスタート。その後、離島や山間地の個人会場でインターネット中継が始まり、現在は、地上光回線ネットワークを利用した中継システムに移行している〉

不二の師弟で正義の勝ち鬨
 
一、鮮烈に思い起こされるのは、2005年の11月、同時中継で結ばれた、大九州の10万人の若人による、ベートーベンの名曲「第九」の圧巻の大合唱です。
沖縄と韓国の青年も参加した、この「アジアの第九」を、私は東京の学会本部で最初から最後まで見つめました。
距離を超えて、不二の師弟で正義の勝ち鬨を轟かせた、永遠に忘れ得ぬロマンの劇です。 
そして、きょうの総会も、私は大好きな九州への80回目の訪問との思いで、福岡の講堂、ならびに全九州12総県・43会館に勇み集った誉れの全同志の大勝利の勇姿を見守っております(大拍手)。 
壮年部・婦人部のリーダーたちの顔も本当に懐かしい。
頼もしく、凜々しい青年部・未来部の友とも、私は一人一人と心の握手を交わしています。 
さらに、九州家族と一緒に素晴らしい交流の歴史を刻んでくれた、海外の指導者の皆さん方も、何と輝き光っていることでしょう! 
 
一、御本仏・日蓮大聖人が願われた、「自他彼此の心なく水魚の思を成して」(御書1337ページ)広宣流布に進みゆく究極の団結は、この創価スクラムにのみあります。 
異体同心なればこそ、わが学会は断じて負けない。絶対に行き詰まらない。
必ずや万事を成就し、皆が尽きることのない大功徳を受け切っていけるのです。 
これまでも、ありとあらゆる苦難を我らは異体同心で乗り越えてきました。
これからも、全国・全世界の創価家族が地球を包みゆく異体同心の団結で、「大悪をこれば大善きたる」(同1300ページ)の実証を勝ち示していこうではありませんか!

先駆の誓願胸に

一、さて、今、世界中の友が仰ぎ見る牧口先生の肖像写真は、実は、福岡市の写真館で撮影されました。
それは、戦時中の1940年(昭和15年)の11月、69歳の牧口先生が
九州各地を折伏に奔走される最中です。 
写真館を営んでいたのは、半年前に東京で牧口先生にお会いし、その尊い振る舞いに感動して入会した青年です。
新入会の青年たちを大切に育てた先生は、彼の家にも足を運んで励まされたのです。
この折、青年は、ぜひとも先生の偉大な風格を留めさせていただきたいと申し出て、全魂込めて撮影に臨みました。 
 九州の若人ならではの、ほとばしる熱き真心があればこそ、「師子王の心」に燃え立つ「創
立の父」のお姿が、厳然と今に伝えられているのであります。 
この写真撮影から3年後の7月、牧口先生と戸田先生は、死身弘法を貫かれたがゆえに法難に遭われました。
今年で、75星霜となります。 
両先生が共に、それぞれの御書に強く線を引いて、身読された御聖訓を、きょうは改めて、後継の門弟一同で拝したい。今月の座談会の拝読御書にもなっている「種種御振舞御書」の一節です。 
通解で拝するならば──「各々、わが弟子と名乗る人々は、一人も臆する思いを起こしてはならない」(同910ページ)、「妙法蓮華経の五字が、末法の初めに全世界に広まっていく瑞相として、日蓮が先駆けしたのである。
わが一門のものたちは、二陣、三陣と続いて、迦葉や阿難にも勝れ、天台や伝教をも超えなさい。
わずかばかりの小島である日本の国主らが脅すのを恐れては、閻魔王の責めをどうするというのか」(同ページ)と。 
牧口先生は草創の九州の母に「私の足跡の後に必ず青年が続々と続きます」と宣言され、書き留められました。
この書面は、後に特高刑事に押収されましたが、今まさに世界中の青
年が陸続と躍り出ているではありませんか! 
我らは、誇り高き「先駆」の誓願のままに、いよいよ恐れなく、広宣流布、立正安国の先頭に立って、民衆の幸福と平和のために戦い進んでまいりたい。 
ここにこそ、人間として、これ以上ない栄光と福徳の人生があり、万人が未来永遠に崩れない常楽我浄の大境涯を開きゆける道があるからであります。 
そして、全国で最初に結成された九州多宝会の尊き父母たちのように、一人一人を温かくおおらかに励まし、希望の歌声を仲良く力強く響かせながら、若き地涌世界市民を、二陣、三陣と限りなく呼び出していこうではありませんか!(大拍手)

変毒為薬の前進
 
一、皆さんに応援をいただいている小説『新・人間革命』の執筆も、おかげさまで総仕上げに入りました。
連載の完結は、9月の8日、すなわち恩師の「原水爆禁止宣言」の日を目標に進めていることを、ここで報告させていただきます(大拍手)。 
「妙とは蘇生の義」(同947ページ)です。題目と共に日々、蘇る生命力で一切を変毒為薬し、不屈の「人間革命」の前進をと申し上げ、メッセージといたします。お元気で!(大拍手)



地球を包む異体同心の先駆のスクラム

池田先生がメッセージ 
誓願の広布の道を恐れなく
原田会長、永石婦人部長が海外の友、各部代表と出席
福岡 佐賀 長崎 熊本 鹿児島 大分 宮崎 43会館と中継

「世界広布新時代第36回本部幹部会」が8日午後、「九州総会」の意義を込めて、福岡市の九州池田講堂で盛大に開かれた。
これには原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が各部の代表、来日した13カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の友と出席。
九州7県の43会館と中継で結び、計3万5000人が集い合った。

池田大作先生はメッセージ(3面に掲載)を贈り、豪雨被害に遭った各地の友へ、心からのお見舞いの言葉を寄せた。
そして、「地球を包みゆく異体同心の団結で、『大悪をこれば大善きたる』(御書1300ページ)の実証を勝ち示していこう」「『妙とは蘇生の義』(同947ページ)の蘇る生命力で一切を変毒為薬し、不屈の『人間革命』の前進を」と呼び掛けた。さらに先生は、小説『新・人間革命』を、戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」の日である9月8日の完結を目指して書き進めていると披歴した。
(全国中継は13日から17日〈中継の会場と時間は各県・区で決定〉)​

幹部会では、池田主任副会長が池田先生のメッセージを紹介。
次に福岡の森恍次郎さん(副本部長)が活動体験を披露。
江戸時代から続く和菓子店を父から継ぎ、幾多の苦難を、師弟の誓いと強き祈りで乗り越えた勝利の実証を語った。
平井九州長、川上同婦人部長が、半年間で1万1000を超える「世帯増」を遂げた九州同志の勝利を報告し、「後継の青年20万の陣列」を築きゆく決意を披歴。
青年部・未来部の参加者全員で「青年よ広布の山を登れ」を大合唱した。
次いで、マレーシア創価学会の梅松明壮年部長が、医師、国立大学の副学部長、マレーシア創価幼稚園の理事長として、信心根本に奮闘する模様を報告。
また、同国で2万人の新入会員が誕生した喜びを述べた。
原田会長は、冒頭、豪雨の被災者に心からのお見舞いの言葉を述べた後、先月、ノーベル平和賞受賞者のエスキベル博士と池田先生が発表した共同声明「世界の青年へ レジリエンス(困難を乗り越える力)と希望の存在たれ!」が世界中で反響を呼んでいる模様を紹介。
さらに、博士が語った“人は100歳まで青年でいられる”との言葉に触れつつ、今なお「青年の心」で世界広布の陣頭指揮を執られる池田先生の闘争に、弟子一同が続きたいと訴えた。
そして、「一人を大切にする精神」こそ、創価三代の師弟を貫く精神であると強調し、「『一対一』の対話で仏縁を大きく広げゆく夏に」と呼び掛けた。
続いて、「トルストイの時代」賞の授与式と併せて行われた本部幹部会(2008年12月)での池田先生のスピーチ映像を視聴。
最後に、全員で「This is My Name」を大合唱した。



本部幹部会で紹介された池田先生の指針 永遠なる師弟の勝利劇を共に 2018年7月19日

青年ならば試練に挑め 「強敵」こそ自身を鍛える“第一の味方”
 
池田先生が青年部の代表と共に、トルストイの玄孫ウラジーミル氏(中央)、ショーロホフの令孫アレクサンドル氏(左端)ら一行を歓迎。
席上、先生に「トルストイの時代」賞、ショーロホフ生誕100周年「記念メダル」が贈られた(2008年12月、東京牧口記念会館で)

「世界広布新時代第36回本部幹部会」(8日、福岡市の九州池田講堂)の席上、2008年12月の本部幹部会での池田先生のスピーチ映像が上映された。
師弟の月・7月を勝ち飾りゆく友の指針として掲載する。
 
一、私たちが敬愛してやまぬ、大文豪トルストイ先生は綴りました。 
「お母さまの顔はただでも美しかったけれど、微笑によってそれはいっそうすばらしくなり、まるで周囲のもの全体が明るくなるようであった。
生涯のつらく苦しいおりおりに、もしほんのちょっとでもあの笑顔を見ることができたら、私はおそらく悲しみとはどんなものであるかをすら知らなかったであろうと思う」(中村白葉訳『トルストイ全集1』河出書房新社) 
お母さんの微笑みは、すべてを明るく照らしてくれる。お母さんの微笑みがあれば、私たちは、人生の苦しみも悲しみも、朗らかに乗り越えていくことができるのだ──。

平和を祈る心
 
一、じつは、トルストイ先生は、幼くして母を亡くしました。〈ちょうど2歳になるころ。
文豪は、母の面影を求め、作品を通して母の愛を宣揚した〉 
私がお会いした、偉大なる文豪ショーロホフ先生も、最愛の母を戦争の空襲によって奪われました。 
それだけに、お二人の大文学には、世界のお母さんたちの幸福を願い、そして人類の平和を祈る心が深く深く込められていると感じてなりません。 
きょうは、わが未来部の代表も集いました。高等部、中等部の若き皆さん、本当にご苦労さま! お休みのところ、よく来たね。成績は大丈夫かな。 
若いということ自体が、一番の財産だ。 
電車賃が足りない時は、一駅や二駅は“マラソン”で(笑い)。そのくらいの心で、朗らかにいくのです。 
青春時代は、悩みが尽きないものだ。だからこそ、先輩は、後輩を大事にしてあげてほしい。
何か困っていることはないか、悩んでいることはないか、相談にも乗ってあげてもらいたい。
うんと応援してあげるのです。 
親を一番、大事に! 後輩をまた一番、大事に! 
これが、「人道」の出発です。 
それから、男性は、女性を大事に! なかんずく、全員が、お母さんを大事に! 
これが、人生の「根本」です。 
 
一、トルストイ先生の名作『戦争と平和』。読んだことのある人はいますか?〈会場から多くの手が上がった〉 
内容は聞かないから、心配しなくてもいい(笑い)。 
戦争と平和』は200年前、ナポレオン軍がロシアに攻め入った時代が舞台である。
荒れ狂う動乱の激流の中で、真摯な青年が、いかに悩み、いかに苦難を勝ち越えていくか。 
試練に打ち勝つ「青年の勝利」が、この大河小説の主題の一つであるといってよい。

全てが財産に
 
一、トルストイは記しています。 
「試練こそ私にはこよなく有難い」(ビリューコフ著、原久一郎訳『大トルストイ勁草書房) 
また、「苦難に耐えることを知る人間は、不幸になるわけがない」というのが彼の信念でした。 
その通りと思う。私の人生も、そうだった。戸田先生も、そうおっしゃった。 
青年ならば、苦難にぶつかっていくことだ。試練に挑んでいくことだ。
要領よく生きて、何で本物の人間ができるだろうか。 
苦労をして働く。広布のために戦う。時には、いじめられる。それでも前進を続けていく。そして勝つ。 
それが全部、自分自身の訓練となり、財産となるのです。 
仏法でも、“強敵”こそ、自分を強く大きく鍛えてくれる“第一の味方”であると教えている。
仏になるための「善知識」なのである。 
トルストイは、政治の権力による弾圧にも、宗教の権威による破門にも、卑劣な虚偽の中傷にも、絶対に屈しなかった。 
「屈しない」ことが勝利である。永遠の勝利だ。屈してはならない。私も何があっても、絶対に屈しなかった。 
師子王である戸田先生に薫陶された直弟子は、何ものにも負けないからです。

真実を広める
 
一、「なすべき大切な使命」とは何か。 
トルストイは、青年に伝えました。
それは、「持てる力の限りを尽くして、わが身に知り得た真実を世界に広めながら、生き抜いていくことである」と。 
これこそ、創価学会の精神ではないか。世界広布の人生ではないか。 
理想を目指す人には生きがいがある。 
その理想を実現しゆく方程式を、トルストイは示唆してくれているといえよう。 
わが青年部の皆さん! 「生命の尊厳」そして「人間革命」の希望の哲学を、生き生きと、大確信をもって、これからも、さらに力強く大師子吼していこうではありませんか! 
 
一、トルストイの『戦争と平和』には、こうも記されている。 
「勇気あれば 勝利ゆるぎなし」(藤沼貴訳、岩波文庫) 
「戦いに勝つのは、必ず勝とうと堅く決心した者だ」(米川正夫訳、岩波文庫) 
ここから、社会を変革しゆく要諦を読み取ることができる。平和を築く、我らの言論戦も、勇往邁進して勝ってきた。 
仏法は「不惜身命」「勇猛精進」と説く。わが身を惜しまず、勇猛に戦ったほう
が必ず勝利するのである。 
ショーロホフ先生の作品からも、「勝負」の哲学を学び取ることができる。 
こう綴られていた。 
「勝利は頂上にあるんだ」「重要なのは頂上に達すること、どんなことがあってもたどり着くということだ!」(昇曙夢訳『祖国のために』角川文庫) 
この不屈の心意気で進もう! 
君たち青年よ! 師子王のごとく、大鷲のごとく、勇気と執念で断じて勝ちまくれ! 
トルストイ先生も、ショーロホフ先生も、ずる賢い大人たちの傲慢や恩知らず、また、ウソや攪乱を許さなかった。
正義と誠実の「青年」を信じ抜かれたのである。 
戸田先生も、誰よりも「青年」を信じておられた。青年部、頼むよ! 
 
一、トルストイ先生の一人の若き弟子(グーセフ)は、師の大思想を勇敢に広め、戦った。
そのために不当に弾圧され、2年間も追放・流刑された。 
しかし、この若き弟子は、師のもとで戦いきった青春に、一点の後悔もなかった。 
〈グーセフはトルストイ最晩年の1907年から09年まで2年間、トルストイの下で働く。09年に流刑。
流刑の地から帰った後も、他の弟子とともに、師トルストイの原稿収集、出版、師の思想の研究に生涯を捧げた〉 
「これでいいんだ」と、わが心に叫べる人生は、幸せである。 
若き弟子は、流刑の地から、81歳になる師匠トルストイに、こう書き送っている。 
「もしも私に、今より千倍厳しい困難が降りかかったとしても、私は、この2年間、こんなにも長く、あなたのおそばにいることができたことを、ただ天に感謝したことでしょう」 
「あなたとともに過ごすことができ、いつも最高の幸福を感じておりました」 
師弟に生きることほど、幸福なものはない。これこそ真実の価値ある人生である。
よくよく心に留めていただきたい。 
牧口先生と戸田先生も、そうであられた。 
戸田先生と私も、深い深い絆の、人生の劇であった。師弟一体の戦闘を続けてきた。何一つ、後悔はない。 
今度は、私と君たちで、尊極の師弟の勝利の歴史を、誇り高く、永遠につくり残していこうよ! きょうから!