巻頭言 2019年(平成31年)1月号

我らの地域を「さながら宝土」に!  池田大作
 
昇りゆく旭日(きょくじつ)と共に、新しい人間革命の劇が始まる。
一年を通して、皆が日々「初日(はつひ)の出(で)」を仰ぐような心で励まし合えたら、どれほど明るい世界になるだろう。
御本仏・日蓮大聖人は、誰でも、いつでも、どこでも生命に元初の太陽を昇らせゆける道を示してくださった。
題目を唱えゆくところ、我が身を「さながら(そのまま)宝塔」として光らせ、我らの天地を「ここさながら宝塔の住処(しょじゅう)なり」(1304
ージ)と輝かせていけるのだ。
 
そう心を定(さだ)めれば、ありのままの自分を卑下(ひげ)する必要もなければ、どこか遠くに理想郷を求める必要もない。
御聖訓に「此(こ)の土(ど)を捨てて何(いずれ)の土を願う可(べ)きや、故に法華経修行の者の所住(しょじゅう)の処(ところ)を浄土(
じょうど)と思う可(べ)し」(72ページ)と仰せの通り、「今ここ」から寂光(じゃっこう)の宝土を築(きず)き広げるのだ。
 
「娑婆(しゃば)」とは「堪忍(かんにん)」と言われる如く、現実の世界は苦しみや悩みを堪(た)え忍(しの)ばねばならない。
その試練に敢然(かんぜん)と挑(いど)んで一つ一つ打開していくのが、「広宣流布」であり、「立正安国」である。
なぜ労(ろう)を厭(いと)わず、この挑戦を続けるのか。戸田先生は故郷の北海道の同志に語られた。
 
第一に、地域と社会への貢献(こうけん)を果たしながら、多くの人々と仏縁を結んで、自他共に功徳を広げていくことができるからである。
第二に、戦いを通して、組織の隅々(すみずみ)まで力を漲ら(みなぎら)せ、異体同心のスクラムを強くすることができるからである。
そして第三に、目標に向かい、一人一人が「自分らしく悔いなく戦い切った」と御本尊に報告できる清々しい歴史を残し、勝利の喜びをつかめるか
らである。
 
どんなに大変な場所でも、「地涌(じゆ)の菩薩」としての誓願に立ち返れば、自ら久遠(くおん)より誓い願ってきた天地だ。皆、深き宿縁(し
ゅくえん)で結ばれた感激の同志であり、眷属(けんぞく)ではないか。
ここで戦い、ここで勝って、「心の財(たから)」を積み、共々に人間革命して仏になるのだ。
世界広布が同時進行で展開する今、一つの地域の勝利劇が全創価家族の希望となる。
さあ、我らの地域から新たな「創価勝利」の旭日(きょくじつ)を!
 
 この天地
  楽土と照らす
   君なれば
   諸仏は讃えむ
    諸天も護らむ