社説 友好の証・「中国京劇院」公演

  今月6日から始まった、民音の「中国京劇院」公演。連日、各地で、感動の渦を巻き起こし、多くの反響が寄せられている。
 「中国の伝統芸術の奥深さを感じました。声の響きが素晴らしかった。」(60代男性)、「失われつつある“報恩”という、人間として最高の行き方を学びました」(40代女性)「初めて京劇を見て、大変感動しました。志半ばで倒れた孔明の無念さが胸に迫りました」(50代女性)

    孔明の生き方を通して

 中国劇というと何か難しそうだが、舞台の左右に大きく表示される日本語の字幕によって、非常に分かりやすく、楽しみやすい舞台となっている。いやそれ以前に、言葉や表現の違いを超えた熱演が、人間の厚い恩情や愛情を、直接、胸に届けるのだ。
 2ヶ月にもわたる同京劇院の大規模な来日公演は、4年ぶり。今回の公演の大きな特徴は、日本人に最も愛される中国古典である「三国志」、しかも諸葛孔明という一人の人物に焦点を当てた演目中心に構成されていることだ。
 舞台は、「五丈原」から始まる。軍師・孔明を突き動かしていたのは、漢室の復興への情熱と、今は亡き劉備への報恩であった。
 若き日の、劉備の情厚き「三顧の礼」、劉備の后を悲劇が襲う「長坂ぱ」、魏の大軍を打ち破る「赤壁の戦い」、孔明が知恵で敵を出し抜く「空城計」と、名場面が情感豊かに展開する。
 そして再び、「五丈原」へ。脚本を書いた同京劇院の呉江院長は、“孔明の姿が周恩来総理と重なり、涙を拭いながら筆を進めた”として、次のように語った。
 「中国には、無私の人はその心に多くの人を入れることができるという意味の言葉があります。孫文先生や周恩来総理は、そういう指導者でした。
 また、民衆のために世界に平和・文化・教育の橋を架けてこられた民音創立者(池田名誉会長)も、諸葛孔明に通じ合う存在だと私は申し上げたいのです」(「みんおんクォータリー」第2号)

   隣国の人々の“心”を知る

 「文化の父」「師匠の国」である中国の京劇は、民衆によって愛される最高の舞台芸術である。今回の公演は、新しい世紀の「友好の懸け橋」となるものである。 
 公演では、最後まで報恩を貫き、民衆のために死力を尽くす孔明の姿に、人間としての“最高の生き方”を学ぶことができよう。そして、隣国の人々の“心”を知り、相互に理解し合うための、絶好の機会となるに違いない。


    友に贈る
  「異体同心なれば
   万事を成し」御聖訓。
   広宣流布
   団結の勝利!
   師弟不二の勝利!