2007年1月度婦人部グループ学習 富木尼御前御返事

富木尼御前御返事

やのはしる事は弓のちから・くものゆくことはりうのちから、をとこのしわざはめのちからなり、いまときどののこれへ御わたりある事尼ごぜんの御力なり
解説
 本抄は建治2年3月に、富木常忍の妻である尼御前にあてられたお手紙であり、別名を弓せん御書といいます。この年、母を亡くした富木殿は、遺骨を持って身延の日蓮大聖人のもとを訪れました。その折、尼御前が病気になり、弱気になっていることを聞かれ、「夫を身延まで送り出したのは尼御前のお力です」と、内助の功を讃えて、最大の励ましを送られているのが今回学ぶ御文です。
 富木常忍は、大聖人が佐渡流罪という苦難に遭われた時も、身延入山の後も、真心の供養をし抜いていました。身延に入られてからの大聖人の生活は、衣食住の上でも大変に厳しい状況でした。そんな中での御供養は、まさに大聖人の生命を継ぎ、法華弘通の灯を絶やさないためのかけがえのないものでした。
 大聖人は、富木殿が長年にわたり、一貫して大聖人に供養の誠を尽くし、外護してこられたのは、尼御前の内助の功のおかげであり、夫がどのように活躍できるかは妻の力によると、女性の力の偉大さを教えられています。
 初めに、夫と妻を、矢と弓、雲と竜に譬え、矢は弓の力で飛び、雲は竜の力で動くように、男がどのような働きをするかは女の力によるのでると、妻が生活の主役であることを述べられています。妻は一家の太陽のような存在です。妻がどう振る舞うかによって、夫の持てる力が発揮されていくのです。
 池田先生は私たち婦人部に、「賢い人であれ、聡明な人であれ 明るい人であれ 強い人であれ そして -優しい人であれ」と指導されています。