2007年11月21日付 聖教新聞 第2回 関西最高協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

2007年11月21日付 聖教新聞
第2回 関西最高協議会での名誉会長のスピーチ 下-2

友好の扉開いた春4月の来日
一、1990年7月27日、第5次訪ソの折、私は、モスクワのクレムリンで、ゴルバチョフ大統領とお会いした。
 午前10時半から、約1時間10分にわたった。
 会見には、ゴルバチョフ大統領の母校でもあるモスクワ大学のログノフ総長、世界的な作家のアイトマートフ氏など、政治、教育、文化の各界の指導者が同席された。皆さん、私の親友の方々である。
 〈このときの名誉会長との会見で、ゴルバチョフ氏は、翌年春の訪日を明言。当時、氏の訪日が危ぶまれていただけに、そのニュースは、テレビ・新聞で大々的に報道された。そして約束通り、ゴルバチョフ氏は、ライサ夫人とともに、91年の4月、ソ連(当時)の最高首脳として初の来日を果たし、友好の扉は大きく開かれた。
 この会員だけをとっても、名誉会長の日露友好における貢献は特筆すべきであるとの評価や感謝の声が関係者から寄せられている〉
 本年6月にも、ゴルバチョフ氏とお会いし、9度目の語らいを重ねた。

 橋を架けよう 
 一、文化大王として名高い、タイのプーミポン国王を、3度にわたり表敬させていただいたことも、私の誉れの歴史である。
 〈88年、92年、94年のいずれも2月〉
 また、1996年6月25日には、首都ハバナ市の革命宮殿で、キューバカストロ国家評議会議長とお会いした。
 カストロ議長との会見は、午後7時半にスタート。
 「後継者論」「人生哲学」「人材育成論」などを語り、あっというまに1時間半が過ぎてしまった。
 じつは、同じ年の2月、キューバ領空に入ったアメリカの民間機を、キューバ軍が撃墜するという事件が起きていた。
 アメリカの経済封鎖は強化され、キューバは孤立していた。
 こうしたなかで私は、文化交流、教育交流の橋を架けるために、キューバを訪問したのである。
 利害でもない。
 立場でもない。
 どこまでも、「同じ人間」として、語りに語り、友情を結んでいく。そこにこそ、確かな平和の地盤が築かれる。一対一の対話が、差異の「壁」を破るのである。
 正義を嫉妬する連中が、いかに卑劣な中傷を浴びせようとも、「誠実」の二字で結んだ友情は永遠に不滅である(大拍手)。

べティ・ウイリアムズ会長
「それは無理だ」と言われると 「やってみせる」と思うのです

 自分の地域をよくしよう! 
 一、今もなお、世界各地で続いている戦争や暴力、人権の躁欄に立ち向かう勇敢なる女性たちがいる。
 そうした方々を支援するために、世界を駆けめぐっておられるのが、南米アルゼンチンの人権活動家エスキベル博士である。
 現在、私は、エスキベル博士と対談を進めている。〈「人権の世紀へのメッセージ──“第三の千年”に何が必要か」とのタイトルで『東洋学術研究』に連載中〉
 博士は言われていた。
 「困難にも負けず、公平で人間的な社会を築こうと抵抗運動に参加する女性もいます。彼女たちは、とにかく、その存在と人生の証として、その場所で立ち上がったのです。彼女たちは顔もあり名前もある人間で、私たちに新しい道を照らし出してくれているのです」と。
 だれにも、人生の舞台となる地域社会がある。そこで、筆舌に尽くせぬ苦悩を受けることもある。
 しかし、どれほど苦難の嵐があろうと、「自分が生きる地域社会をよくしていこう」「自分自身の勝利の証しを残していこう」──そう勇気をもって立ち上がったとき、わが地域社会は、使命の舞台と変わる。
 地域社会に貢献し、深く根ざしていく生き方は、男性よりも女性が主役となっている。
 大関西の常勝の「歴史を創る主役」もまた、女性であった。
 エスキベル博士は、創価の女性運動にも、絶大な期待を寄せておられる。
 「(女性の)皆様が地域のためにできること、それはどんなことであれ、すべて人類全体に役立ちます」と。
 私たちの「地域のため」の活動は、そのまま、「人類のため」の貢献となっている。
 また博士は、このようにも言われた。
 「女性は生まれもった性質上、生命を与えるものであり、人々に希望をもたらし、生命や人生に豊かさを与える存在です。女性はつねに、勇気と決意を示してきており、日々の具体的な戦いのなかで、抵抗と円熟の模範を示しています」と。
 女性の「勇気」と「決意」が、人々に、大いなる「希望」と「豊かさ」を与えていることを確信していただきたい。

大関西の主役は女性
エスキベル博士
 女性は 生命 豊かさ 勇気を与える

 正義の怒りを 
 一、私とエスキベル博士には共通の友人がいる。
 「世界子ども慈愛センター」のベティ・ウィリアムズ会長である。
 ある母子が北アイルランドの紛争に巻き込まれ、母親の目の前で3人の子どもが犠牲になった。ベティ・ウィリアムズ会長は、故郷でのこの事件をきっかけに、正義の怒りを燃やして、平和と人権のために立ち上がられた。
 私がウィリアムズ会長に、「不屈の平和行動を貫いた支えとなったものは何ですか」と尋ねると、こう答えられた。
 「信念です。強い意志です。自分の中にある確信について、『勇気を持つ』ことが重要です。何事も、続けなければならない。だれが何と言おうと、あきらめてはならないのです」「これは、アイルランドの国民性のおかげでもあります。『それは無理だ』と言われると、『やってみせ!』と思うのが、アイルランドの女性なのです」
 まさに、関西婦人部の明るい明るい「負けじ魂」の大前進も、全く同じであると申し上げたい(大拍手)。

 強くなれ! 
 一、古代ローマの哲人セネカは綴る。
 「何の妨げにも遭わなかった幸福は、どんな一撃にも堪えられません。だが、絶えず自分の障害と戦って来た者は、(中略)たとえ地面に倒されても、膝で立って戦いつづけるのです」(中野孝次著『ローマの哲人 セネカの言葉』岩波書店
 何の苦労も、努力もなしに、幸福になれるはずがない。戦いがあるから、強くなれる。強いことが幸福なのである。
 さらに、セネカは言う。
 「早くに死ぬか遅く死ぬかには、何の意味もありません。大事なのは、善く死ぬか悪く死ぬかということだけです」(同)
 仏法の哲学とも響き合う言葉である。
 一、結びに、大阪事件の出獄後、旧関西本部で、戸田先生が、しみじみと語られた言葉を紹介したい。
 「この世の悲惨をなくし、不幸をなくし、人権を、人間の尊厳を守り、平和な社会を築いていく。そのなかにこそ、仏法の実践がある。それを断行するならば、当然、難が競い起こるぞ」
 「しかし、そんなことを恐れていたのでは、仏法者の本当の使命を果たすことはできない。われわれが宿業を転換し、一生成仏を遂げていくためには、法難にあい、障魔と戦って勝つしかないのだ。だから私は、社会の建設に向かって舵を取り、三障四魔を、三類の強敵を呼び出したのだ」「大難の時に、勇気を奮い起こして戦えば、人は強くなる。師子になるのだ」
 関西は、私とともに、真正の師子となった!
 関西よ、広布第2幕の創価学会を頼む!
 21世紀の広宣流布を頼む!
 そして、創価の師弟の永遠の常勝を頼む!
 こう申し上げ、私のスピーチとしたい。
 どうか、大阪、京都、滋賀、福井、兵庫、奈良、和歌山、そして全関西の尊き不二の全同志に、くれぐれも、よろしくお伝えください。
 258回目の関西訪問に寄せて、皆様に感謝の一首を捧げたい。

 おお関西
  私の第二の
    故郷かな
  兄弟姉妹に
    勝りし同志か

 常勝関西、頑張れ!
 皆さんお元気で! 長時間、ありがとう!(大拍手)
 (2007・11・10)

第2回 関西最高協議会での名誉会長のスピーチ 下〔完〕


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