大白蓮華 巻頭言  2008年3月号

大白蓮華 巻頭言  2008年3月号

青年よ! 富士の如くに

  白雪の
    富士を仰ぎて
       師のもとに
     若き英雄
        凛々しく集わむ

 「過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ
  未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ』(231ページ)
 この五十年にわたる創価学会の「宗教界の王者」の大行進は、あの昭和三十三年(1958年)の三月十六日、戸田城聖先生と私たちの峻厳なる師弟の誓願から始まったのだ。
 そして、新たな五十年へ、壮大な勝利の大遠征が、今、私と君たち本門の青年部との不二の結合によって始まっているのだ。
 「御義口伝」には「霊山一会厳然未散(霊山一会厳然として未だ散らず)」(757ページ)と引かれている。
 過去、現在、未来を貫いて、師と共に広宣流布を誓い、決然と師子奮迅の行動を起こしゆく生命の中に、「3・16」の会座は永遠に蘇り、継承される。その弟子の赤誠をば、師は王者の山・富士の如く厳として見守っているのだ。

  美しき
    富士の山あり
        創価には
       使命と勝利の
         不二の山あり

 歴史の偉業の成功が、本物であったか否か。それは「何よりも最も決低的に創建者の後継者の繁栄によって保障されている」-これは、トインビー博士の慧眼である。
 三代は断じて勝たなければならなかった。三代の勝利こそが、初代と二代の勝利を決定づけ、万代の勝利を開くからだ。
 九世紀、イングランド統一の基礎を築き、文化と学問を興隆させたアルフレッド大王は、人生最後の遺訓を残した。
「弱い者を守り、かばい、そしておまえの全力を尽くし不正を正せ」。ここに、王者の真髄の魂がある。
 王冠の如く輝く富士の山頂は、常に烈風だ。
 「強敵を伏して始めて力士を知る」(957ページ)。自らが大難の矢面に立って、三類の怨敵を打ち倒し、同志を護り抜く。この三代の使命と勝利の宝剣を、わが青年部が断固と掲げゆくのだ。
 ウクライナの大哲学者スコヴォロダは喝破した。
 「『忘恩』の心は、地獄の苦しみを生み出す泉である。「『報恩』の心は、あらゆる喜ぶに満ちた楽土である」と。
 これまで反逆者の本質も、ことごく恩知らずであった。嫉妬であった。そして、師匠の大恩に背き、同志を裏切った末路は、例外なく地獄の苦しみとなることは、あまりにも厳然としている。
 思えば、日興上人が、「遺誡置文」を著わされ、忘恩背信の五老僧の邪義に止めを刺されたのは、蓮祖の御入滅から五十年余であった。まさに半世紀を貫く壮絶な大闘争であられた。
 創立の師・牧口常三郎先生を獄死に至らしめた権利の魔性と邪宗門への憤怒を、戸田先生も最後の最後まで燃え上がらせておられた。師恩に応えゆく道は、永遠に死闘なのである。

  人生の
    幸福長者の
       母なれば
      富士を見つめむ
        世界は誉めなむ

 大中国の「人民の母」と慕われたとうえい超先生(周恩来総理の夫人)は、歴史に名高いあの長征から五十星霜を経ても、「生命ある限り、人民に奉仕します。戦いは止めません」と、私と妻に語っておられた。創価学会の母たちの心も、全く同じである。
 この尊き母の祈りと行動を受け継いで、創価の乙女たちが今、明るく溌剌と、青春勝利のスクラムを無限に広げている。本当に嬉しい限りだ。
 南米ボリビア共和国のマルチネス元教育大臣は、SGIの広布の前進を賛嘆しながら、「3・16」を祝賀してくださった。
 「政治家が社会を変えるのではない。『人間革命』を通し、青年が明日の世界を創ってほしい。創価の三代の会長は『まず一人から始まる』ことを、私たちに身をもって教えてくれています」
 真正の王者とは、一人立ち、そして皆を王者に高めゆく人だ。さあ、「富士山の木のごとく、ぞくぞくと」(1245ページ)と仰せのように、新時代の澎湃たる人材の陣列を勇敢に構築しよう!

  勝ちまくれ
     風雪乗り越え  
        富士の山