2008年4月16日付 聖教新聞 広布第2幕 第7回青年部幹部会への名誉会長のメッセージ

2008年4月16日付 聖教新聞
広布第2幕 第7回青年部幹部会への名誉会長のメッセージ


君よ次の50年の勝利を頼む

突破口を開くのは青年
ロマンロラン 「新しい道と新しい希望」を!
語った分だけ広宣流布は進む

一、若き信心の英雄!
 若き広宣流布の指導者! 若き、新世紀を勝ち開きゆく革命児!
 そして若き、使命深き平和・文化のリーダーの皆さん!
 新しい勝利、勝利のリズムを刻みゆく「広布第2幕 第7回」の全国青年部幹部会、まことに、おめでとう!
 あとを継ぐ直系の君たちには、私は、語っても語っても、なお語り尽くせない思いが込み上げてくる。ゆえにきょうも、式典(モンゴル文化詩歌アカデミーの「天の駿」賞贈室式)、に先立って、メッセージを贈ります。

 「SGIは青年の育成に貢献」
 一、フランスの文豪ロマン・ロランは叫んだ。
 「新しい時代には、新しい道と新たな希望!」(山口三夫訳「先駆者たち」、『ロマン・ロラン全集18』所収、みすず書房)と。
 不思議にも、今この時、広宣流布の「新しい時代」に「新しい勝利の道」を開き、「新たな希望の拡大」を成し遂げゆく、若きリーダーが陸続と躍り出てきた。
 私は、尊き先輩たちの健闘を讃えながら、全国各地の新出発を最大に祝福したい。
 現在、私が対談を進めている、南米アルゼンチンの人権の闘士・エスキベル博士も、"SGIは、世界の青年の育成に貢献する場である"と賞讃しておられた。
 「徹して青年を育てる」──これこそ、日蓮大聖人に直結する証明でもある。
 蓮祖御自身、どれほど青年を大切になさっておられたか。御書全集の中で、一番多く御手紙をいただいているのは、青年門下・南条時光である。
 本日は、大聖人が深く心を寄せておられたモンゴルから、重要な文化の指導者を、わが誉れの青年とともにお迎えすることができ、まことにうれしい限りである。

 「人材」で決まる
 一、「モンゴル」という国の名前には、「永遠の火」また「勇敢な人」という意義が込められているとも言われる。
 13世紀初頭に成立したモンゴル帝国が、人類史上、最大級の拡大を実現して、世界を結び、壮大な繁栄を築き上げたことは、あまりにも有名である。
 では、なぜモンゴル帝国が強かったのか。さまざまな観点から論じられるが、その一つとして、チンギス・ハーンのもと、絶え間なく青年の薫陶を続けていたこと、そして、差別なく実力主義で人材を登用したことが挙げられている.
 紀元前からの伝統を誇る名高い「モンゴル相撲」にも、人材の鍛錬という精神が貫かれていた。
 インド独立の指導者ネルー初代首相も、モンゴルの勝利の要諦を「訓練と組織のたまもの」と洞察していた(大山聰訳『父が子に語る世界歴史2』みすず書房)。
 「新しい人材」を育て、「新しい力」を結集したところが勝つ! これこそ、いつの時代も変わらない、絶対の勝利の方程式なのである。
 御聖訓には、「法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに等し」(御書856ページ)と明確に仰せだ。
 人材の育成こそ、令法久住の勝利である。
 青年の連帯こそ、広宣流布の勝利である。

13世紀モンゴルの学者の警鐘
嘘を許すな!打ち砕け

 破折精神を!
 一、ところで、チンギス・ハーンが重用した学者に、耶律楚材がいる。
 この耶律楚材は、嘘や邪説には徹底して反論した。そうした彼を悪口する者もいた。
 しかし、耶律楚材は、毅然と述べた。
 「正と邪の弁別をやめてはいけない」「私が論議しなければ、嘘がまかり通るだろう」(松崎光久『耶律楚材文集』明徳出版社)と。
 真実と虚偽、正義と邪悪を厳格に立て分け、明らかにしていくのは、ひとえに言論の力である。
 学会精神とは折伏精神である。破折精神である。正義の言論闘争である。
 大聖人は、「とてもかくても法華経を強いて説き聞かすべし、信ぜん人は仏になるべし謗ぜん者は毒鼓の緑となって仏になるべきなり、何にとしても仏の種は法華経より外になきなり」(御書525ページ)と厳然と示しておられる。

 電光石火!
 一、昭和31年(1956年)の4月から5月、私はあの大阪の戦いの指揮を執っていた。
 28歳の青年として、「電光石火」「疾風迅雷」で動きに動いた。
 大阪から東京に帰るやいなや、大阪におられる戸田先生に呼ばれ、とんぼ返りしたこともあった。
 5月1日の東京での本部幹部会に出際し、2日は大阪・中之島の公会堂、3日は東京の国技館での本部総会という強行軍もあった。夜行列車の中で登壇原稿を書き上げた日もあった。
 御聖訓の通り、三障四魔が紛然として競い起こるなか、私は「信心の利剣」で一切の魔軍を打ち破った。そして、この5月、愛する関西の同志とともに、前人未到の「11111世帯」の大折伏の金字塔を打ち立てたのである。
 青年が動いた分だけ、青年が語った分だけ、広宣流布は前進する。行動力こそが、青年の魂である。
 一、50年前の4月、戸田先生は75万世帯の折伏の願業を成就され、安祥として霊山へ旅立たれた。「学会は空中分解する」と騒ぎ立てられ、悲嘆に暮れる学会員もいた。
 だが、私は、4月10日の男子部幹部会で師子吼した。
 「『戸田先生が育成された、これだけの青年部の姿を見たまえ! これほど立派に前進していく学会の姿を見たまえ!』と、社会を驚かせてみようではないか」
 学会は、永遠に青年が新時代の突破口を開くのだ!
 思えば、戸田先生の学会葬を青山葬儀所で執り行うことも、私の発案であった。歴代総理大臣など、名界の著名人の葬儀が行われてきた斎場である。私自身が交渉に当たり、一切を取りまとめた。一事が万事である。
 「断じて、恩師を世紀の偉人として宣揚したい」──ただ師匠への報恩の誠を貫いて、この半世紀を戦い抜いてきた。
 これからの50年を託すのは、今の青年部の君たちである。未来部の君たちである。

自分らしく輝け! 自他共に幸福に!
御聖訓 さいわいは心よりいでて我をかざる

 大切なのは「心」
 一、とくに私は、あらためて、女子部、女子学生部のはつらつたる活躍を讃嘆したい。
 先駆的に女性教育に奔走されていた初代・牧口先生も、いかばかり、お喜びであろうか。
 本年は、紫式部の『源氏物語』が記録の上で確認されてから千年、また、『更級日記』の作者・菅原孝標女の生誕からも千年とされている。
 平安朝の時代にあっても、女性の言論の力が新たな文化の扉を大きく開いたのである。
 紫式部は、「他人を非難することはたやすく、自分の心を(適切に)はたらかせることは難しい」(宮崎荘平訳注『紫式部日記(下)』講談社学術文庫)という言葉を残している。
 紫式部は、華やかな貴族社会の女性たちの実像を見つめて、大切なのは「心」であると鋭く達観していたのであろう。
 まさしく、「心こそ大切なれ」(御書1192ページ)である。そしてまた、「さいわい(福)は心よりいでて我をかざる」(同1492ページ)である。
 自分を最も自分らしく光り輝かせながら、自他ともに幸福になるための信心である。いな、必ず必ず一人ももれなく幸福になれる信心なのである。
 励まし合い、支え合い、伸ばし合いながら、世界のどこよりも麗しい幸福と友情のスクラムを広げていっていただきたい。
 『更級日記』の菅原孝標女も、友情を大切にした女性と考えられている。
 しばらく疎遠になっていた遠国の友人にも、手紙を送り、いかなる時も「友情の火」が消えないことを確認し合った、微笑ましい逸話も残っている。
 ともあれ、大仏法を基調とした、わが創価の女性の平和・文化の対話運動こそが、これからの千年を大きくリードしゆく広がりとなることを、私は、妻とともに深く確信してやまない。

 仏種を植える時
 一、4月は陰暦で「卯月」と呼ばれる。それは稲を植える「植月(うつき)」が語源との説もある。
 まさに、春光あふれる今こそ、希望あふれる対話で仏縁を結び、友の心に仏の種を植えゆく時である。
 そして、いよいよ、若き正義の連帯を力強く開きゆく好機到来といってよい。
 50年前、戸田先生は語られた。「もう何もいらない。ただ人材が欲しい」と。私も、まったく同じ心境で、ただひたすらに、君たちの成長を祈り待っている。
 この4月12日は、1961年、ロシアの27歳の青年ガガーリンが人類初の宇宙飛行に飛び立った記念の日である。世界の幸福と平和の大軌道を切り開きゆく、誇り高き、わが青年部にガガーリンの言葉を贈りたい。
 「火は強い。水は火よりも強い。大地は水よりも強い。だが、何よりも強いのは、人間だ」と。
 そして、"その人間の中で最も強いのは、師弟に生き抜く君たち青年だ"と申し上げ、私のメッセージといたします。
 (2008・4・12)
 
広布第2幕 第7回青年部幹部会への名誉会長のメッセージ〔完〕


ブログ はればれさんからのコピーです。