2008年6月23日付 聖教新聞 新時代第19回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-2

2008年6月23日付 聖教新聞
新時代第19回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-2

さあ 世界一の師子の陣列を
進み続ける人が真の勝利者

 真剣な師弟の戦いは、不可能を可能にする。
 ついに翌年(昭和54年)の5月21日、第1号となる3匹の蛍が飛んだのである(大拍手)。
 私が初めて、この学園の蛍を直に見たのは、7年後の1986年6月20日の夕暮れであった。
 何百匹もの蛍が飛び交う姿は、平安朝の時代に戻ったようで、今でも忘れることができない。
 地域の多くの方々も、大変に喜んでくださっているとうかがった。蛍を見に来られ、「本当に素晴らしい」と楽しんでおられる。美しい蛍は、交野の誇り高き“名物”ともなった(大拍手)。
 私は関係者の皆さんの労苦を決して無駄にしない。目立たなくとも、意義ある取り組みを、大事にし、応援してきた。
 あの構想から30年。今や創価学園創価大学での「蛍」をはじめ、「桜」や「蓮」など、自然保護の活動は一段と広がり、日本、いな世界の環境教育の模範と、大きく注目されている。
 なお、京都、東京の武蔵村山、さらに香川、富山など各地でも、自然保護に努める同志の方々から、美しい蛍の便りをいただいている。
 感謝を込めて、私は歌を詠ませていただいた。

 真心の
  蛍 見つめて
   あな嬉し
  玉光 輝き
   勝利の舞かな

 一、わが学園生、創大生の活躍は、晴れがましい。
 学園・東京校の「創価雄弁会」は、中学・高校とも、第13回「全国中学・高校ディベート選手権」関東地区予選で連勝し、全国大会への出場が確実になったとの報告があった。中学は6年連続11回目、高校は13年連続13回目の出場となる。
 創価学園は、日本一の弁論の名門校である。
 おめでとう!(大拍手)
 関西校では、高校のダンス部が「ミスダンスドリルチーム日本大会2008」関西・西日本大会のヒップホップ部門で2位となり、来月の全国大会への出場が決まった。
 5年連続6回目の出場、おめでとう!(大拍手)
 さらに東西両校の高校箏曲部は、そろって8月の全国大会(第32回全国高等学校総合文化祭)に出場する。東西両校が同時出場するのは2年連続5回目となる。
 大変なことだ。世界に誇る学園となった。
 学園生、万歳!
 健闘を心から祈りたい(大拍手)。

 全同志を代表して栄誉を拝受
 一、私は、これまで世界の大学等から、240に迫る名誉学術称号をお受けしてきた。世界第一の「知性の栄誉」である。
 さらに、決定通知をいただいている大学を含めると、名誉学術称号は、約260もの栄冠となる(大拍手)。
 思えば、私が第3代会長の在任中に授与された名誉学術称号は、モスクワ大学の「名誉博士」一つであった。それ以外は、すべて会長辞任(1979年〈昭和54年〉4月)後に拝受した栄誉である。
 会長を辞任した時、周りは敵ばかりであった。私に対してヤキモチを焼き、何とかして私を陥れよう、引きずり落とそうとする人間がいた。卑劣な策略が渦巻いていた。
 己の野心や身勝手な欲望のために、師匠を裏切り、学会を裏切る人間も出た。
 そうした中、私はただ一人、戸田先生の真実の弟子として「正義」を守り抜いた。日蓮大聖人の仰せのままに、立ち上がった。
 私は世界を舞台にして、新たな平和への闘争を開始した。平和・文化・教育の人間主義の連帯を広げるために、一つ一つ、手を打っていった。
 なすべき仕事を、地道になしていった。世界の知性は、それを、ちゃんと見てくださっていたのである。
 また、これらの栄誉は各国で活躍し、見事な信頼を勝ち取っておられる全同志のおかげであり、すべて皆様を代表してお受けしたものである。
 SGI(創価学会インタナショナル)の会長である私が、一国の最高学府から名誉学術称号を拝受すれば、その国の同志の大きな喜びとなる。誇りとなる。胸を張って、さらにSGIの活動に取り組んでいける。
 すべてに大きな意味があることを、皆さんには知っておいていただきたい。

 団地部が35周年
 一、きょうは、海外14力国・地域の皆さんが出席されている。
 本当にようこそ! ありがとう!(大拍手)
 アメリカの皆さん!
 カナダの皆さん!
 南米ベネズエラの皆さん!
 台湾の皆さん!
 タイとラオスの皆さん!
 そして韓国の皆さん! 尊き研修、大変にご苦労さまです!(大拍手)
 また、創価の「勝利の華」である芸術部の皆さん、いつも本当にありがとう!
 「地域広布の太陽」である団地部の皆さん、結成35周年、おめでとう!
 〈名誉会長の提案で、SGI、芸術部、団地部の万歳を三唱した〉
 海外の友は、喜びを、全身で率直に表す場合が多い。それに対して日本の人は、どんなに喜んでいても黙ったままで(笑い)、表に出さない傾向がある。
 もう少し、一緒になって声を出して喜んだり、気取らないで、ワーツとやってもいいのである(笑い)。それが海外の友への「礼儀」である(拍手)。
 皆、立って、「海外の同志、ようこそ! ご苦労さま!」と歓迎しよう!〈立ち上がって盛大に歓迎した〉

勇敢に信念を叫び抜け
トルストイ 困難が多いほど心は鍛えられる

 慢心から堕落が
 一、ドイツの詩人ハイネは綴った。
 「感情が気高く行為が気高い、そういうものが高貴なんだ」(井上正蔵訳『ハイネ全詩集第3巻』角川書店
 地位や富で、人間の価値は絶対に決まらない。決めてはならない。
 例えば、為政者ならば偉いのか。そうではない。同じ人間である。
 ましてや民主主義においては主権在民だ。権力者は、庶民に尽くすためにいる。大事なのは、何をなしたかなのである。
 また、ロシアの文豪トルストイは述べている。
 「自分の人生は完成をめざすことであると決めた人は、前方だけを見つめている。自分がやったことをふり返るのは、足をとめた人だけである」(小沼文彦編訳『ことばの日めくり』女子パウロ会)
 前を目指して進む──皆さんである。
 何があっても、自身のため、友のため、広布のために歩み続ける人が一番、偉いのだ。
 人間の究極の勝利者なのである。
 反対に、「もういいだろう」と慢心を起こしてしまえば、堕落が始まる。“進まざるは退転”である。
 イギリスの詩人シェークスピアは、戯曲の中で記している。
 「正義はわれに在りと信ずるものの胸はつねに安らかです」(小田島雄志訳『シェイクスピア全集6』白水社
 我らは、強き正義の大確信を胸に進んでまいりたい。
 一、戸田先生は言われた。
 「戸田城聖は、どこまでいっても戸田城聖である。広宣流布の闘士である!
 創価学会は、どこまでいっても創価学会である。師子の陣列である!
 これを忘れるな!」
 この決意で進もう!
 「困難な環境が多ければ多いほど、心を鍛えてくれる材料が多いということである」──これはトルストイの最晩年の言葉である。
 立場や肩書が偉くなっても、困難から逃げ、遊んでばかりの人間は、ひとつも偉くない。
 インドの大詩人タゴールは、「騙慢なるもの永遠のものならずと知るべし」(鳩山芳郎訳「ナショナリズム」、『タゴール著作集第8巻』所収、第三文明社)と喝破した。
 慢心を切るのは、「声」である。正義の声をあげるのだ。
 18世紀フランスの思想家ヴォルテールは「精神に正義がなければ、何もありません」(高橋安光編訳『ヴォルテール書簡集 1704-1778』法政大学出版局)と綴った。
 また、古代ギリシャの詩人ピンダロスの言葉には、「男どもの剛勇こそが、もっとも高い城壁としてそびえるのだ」(内田次信訳『祝勝歌集/断片選』京都大学学術出版会)とある。
 「一人」立てば、その人が「城」になる。勇気ある青年こそ、正義の無敵の城である。
 創価班、牙城会の皆の姿は、そのようになっている。諸君のいるところに、学会の偉大な強さがあり、人間革命の姿がある。
 一、師匠の恩を知る者は、必死になってその恩に報いるものだ。また、正法を求め、護り、わが身をなげうつ先人の説話は、御書のなかにも、数多い。
 私は、戸田先生に対して恩を報じた。戸田先生も、牧口先生に恩を報じた。この報恩の心を忘れてしまえば、将来の学会は心配だ。
 青年の育成に、これから、もう一度、力を入れていきたい。これが今の私の決心であり、心境である。頼むよ、青年部!
 大事なのは青年です!
〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
 いざという時に、不惜身命で、師の恩に報いよ! これが大聖人の教えである。
 このことを、青年部の諸君に、また、真実の学会の同志にこそ語っておきたいのだ。

 報恩を尽くし学会は大発展
 一、牧口先生、戸田先生、そして私が、師への報恩を尽くしたゆえに、今日の大発展がある。
 未来は弟子で決まる。金銭に左右される人間。人数の多さに傲る人間。位に惑わされる人間。そういう人間たちに、学会の清浄な世界をかき乱されては、絶対にならない。
 何度も申し上げてきたことだが、戸田先生は、獄死された牧口先生とともに投獄された。
 そして出獄後、牧口先生の大恩について、「あなたの慈悲の広大無辺は、わたくしを牢獄まで連れていってくださいました」とおっしゃったのである。
 戸田先生が牧口先生から受け継いだ、この師弟の魂を、壊そうとする者がいた。戸田先生が学会の理事長を辞任せざるをえなくなった時のことである。
 人の心というものは、移ろいやすい。
 一人きりで、寂しそうな、お体の悪い先生であられた。
 私は戸田先生に、先生が理事長を辞めたら、私の師匠も変わってしまうのかとお尋ねした。
 先生は、「君の師匠は、この私だよ」と言ってくださった。
 私は、あらゆる困難を打ち破った。一番大変な所で戦い、道を開いた。
 先生は亡くなる前に言われた。
 「よくやったな。大作は、よくやってくれたな。わが人生は、素晴らしい劇だったよ」と。
 ゆえに私には、一片の後悔もない。

新時代第19回本部幹部会での名誉会長のスピーチ-3に続く

ブログ はればれさんからのコピーです。