2009年2月24日付 聖教新聞 婦人部・女子部最高協議会での名誉会長のスピーチ 下-1

2009年2月24日付 聖教新聞
婦人部・女子部最高協議会での名誉会長のスピーチ 下-1

声で勝て心を開け
歴史に残る「一歩」を踏み出せ─ケネディ米大統領

一、時代は動いている。今、世界各国から、創価人間主義を支持する顕彰が相次いでいる。毎日のように、うれしい連絡が飛び込んでくる。
 これも、すべて、来る日も来る日も、友のため、法のため、平和のために、広宣流布の道なき道を開いてこられた、尊き同志の奮闘のおかげである。
 だれも見ていなくとも、黙々と使命を果たす。誇り高く、誓いを貫く。皆が健康で、無事故で進んでいけるよう、心を尽くし、勝利を祈る──。
 創価班、牙城会、白蓮グループも、その心で戦ってくれている。
 広布の宝城を護り、同志を護り、広布を支える、すべての皆様方に、私は毎日、合掌する思いである。
 その人にこそ、最高の"勲章"を捧げたい気持ちだ。そういう人がいるからこそ、妙法は192カ国・地域にまで広がった。
 リーダーは、言葉でもいい、笑顔でもいい、何でもいい、真心にはそれ以上の真心で、必ず応えていかねばならない。
 皆に好かれ、皆の心を鼓舞する名指導者であっていただきたい。

人権の母パークスさん
 私は戦う! 苦しむともがいる限り

 青年のために!

 「我らの友情は、全世界を結んでいる。
 2月4日は、アメリカの人権の母ローザ・パークスさんの誕生日である。
 もう16年前になるが、パークスさんの80歳の誕生日を、アメリ創価大学ロサンゼルス・キャンパスでお祝いした。〈1993年1月30日〉
 私と妻からのバースデーケーキのプレゼントを、大変に喜んでおられた。あの美しい姿が、今も鮮やかに心に浮かぶ。
 パークスさんは、この前年に、語学研修中だった創価女子短大の乙女たちと語らいの一時をもった。
 「彼女たちとの出会いは私の一生における新しい時代の始まりを象徴するように思えてならない」と、この偉大なお母さまは言われていた。〈パークスさんは94年5月に創価大学を訪問。「あの女学生たちにお会いしたい」との希望を受け、創価女子短大の卒業生と再会が実現した〉
 「これからも青年のためにできる限りのことをしたい。青年こそ私たちの未来だからです」──これこそ、「人権の母」が、人生の総仕上げとして立てた願いであった。私も同じ思いである。
 一、パークスさんは、白人の乗客にバスの席を譲ることを拒否して逮捕された(1955年12月1日)。
 彼女の勇気から、あの有名な「バス・ボイコット運動」が始まったのである。
 パークスさんの信念は固い。「私たちは、強くありつづけなければなりません。希望を捨ててはいけません。そうすれば、きっと打ち勝つことができます」(高橋朋子訳『勇気と希望』サイマル出版会
 「私は、自分を、不正と闘った人間として、また、若い世代によりよい世界が来ることを望んだ人間として人びとから覚えていてもらいたいと思っています」「そして、私の闘いは続きます。抑圧されている人がいるかぎり......」(同)
 青年と共に、正義のために戦い抜く。その人生の栄光は、永遠に不滅である。
 「パークスさんの闘争から半世紀を経て、アメリカに初のアフリカ系(黒人)大統領が誕生した。47歳のオバマ大統領である。
 43歳で就任した、第35代のケネディ大統領に比せられる若さである。
 ケネディ大統領とは、私が首都ワシントンを訪れ、会談する予定で話が進んでいたが、横やりが入り、実現しなかった。のちに弟のエドワード・ケネディ上院議員が、東京の私のもとへ、わざわざ訪ねてきてくださったことも懐かしい。そのケネディ大統領の、平和への熱情あふれる演説を紹介したい。
 「試みるのに早すぎるということはありませんし、また話し合うのに遅すぎるということもありません」(長谷川潔訳注『英和対訳ケネディ大統領演説集CD付』南雲堂)
 「たとえ、それが千里の道程であれ、それ以上であれ、歴史上にわれわれがこの場所で、この瞬間に第一歩を踏み出したということを残そうではありませんか」(同)
 行動する「時」──それは「今」である。そして、一歩また一歩と、着実に歩みを進めてこそ、わが人生の勝利の金字塔を打ち立てることができるのだ。
 私は青春時代、"師匠がお元気な間に、偉大な歴史を残そう。師匠に喜んでもらうのだ。そして、永遠の勝利の因をつくろう"──こう決意して戦った。
 師弟の精神を見失った世界は、邪悪な人間に威張られるだけである。
 ともあれ、広布の戦は、時を逃してはいけない。絶対に、悔いを残してはならない。

 沈黙するな!

 一、今、スポーツ部の友の健闘が光っている。部歌「勇勝の歌」を高らかに歌いながら、自身の限界を越える挑戦を重ねている。
 スポーツの世界でも、よく「声を出せ!」「声で負けるな!」「声で勝て!」と言われる。
 スポーツ心理学などで用いられる「シャウト効果」という言葉がある。掛け声などを出すことで、不安を取り除き、プレッシャー(重圧)に打ち勝って、持てる力を存分に発揮することができるというのである。
 また、声を出すことで、脳も刺激を受け、呼吸も活発となり、血行もよくなる。健康にも良い。
 勇気の声が、壁を破る。希望の声が、勢いを増していく。
 一、ナチスの非道に警鐘を鳴らした、チェコの作家カレル・チャペックは述べている。
 「精神は自分からあきらめないかぎり、決して黙ったりはしません。沈黙する精神は、流れることをためらう川のようなものです。私たちはそんな川を干上がった川と言います」(田才益夫訳『カレル・チャペックの警告』青土社
 正義を語るのに、遠慮など必要ない。
 スッキリと語る。
 ハッキリと訴える。
 相手がよくわかるように、心に入るように言葉を尽くすのだ。
 決して、黙っていてはならない。悪意や偏見に対しては、速射砲のように、パンパンと打ち返すことが必要な場合もあるだろう。
 声が力だ。
 声が弾丸である。
 今、婦人部の皆様のにぎやかな声、生き生きとした声が、広布の新時代に響いている。
 本当に、頼もしく、ありがたい限りだ。
 力強い声は、皆の心を大きく広げる。温かい声は、友の心を聞かせる。
 久しぶりに会う友には、「しばらくでしたね」と、こちらから声をかける。失意の友には「祈っています」「応援しているよ」と励ましの声を贈る。
 にこやかに、明るい笑顔で語るのだ。自信に満ちて、正々堂々と対話するのだ。
 最高の対話の実践が広宣流布である。学会活動を一生懸命すれば、題目の響きも違ってくる。祈りも深まり、功徳もいや増す。

婦人部・女子部最高協議会での名誉会長のスピーチ 下-2に続く

ブログ はればれさんからのコピーです。