【第11回】 抜苦与楽の英雄   2009-4-2 (下)

仏法は、人間の「一念」に光を当てます。相手の「境涯」を見つめます。

 人種や民族、学歴や肩書など、あらゆる差異を超え、「生命」という最も普遍的な大地に拠って立ちます。

 それゆえに、狭い通念や偏見に囚われず、大胆かつ率直lに、心と心、生命と生命を結び合いながら、人類の新たな価値創造の活路を開いていけるのです。

 「仏法に国境はない」-これが恩師の叫びでした。私はその直弟子として、世界を舞台に、人間主義の対話のうねりを起こしてきました。

 動くことです。語ることです。

 たゆみなき一波また一波が、「分断」から「結合」へ、「対立」から「融和」へ、「戦争」から「平和」へ、人類史を転換しゆく潮流となることを信じて、私は戦ってきました。

 著名な経済学者であり、晩年には創価大学で青年を薫陶してくださった故・大熊信行教授は、こう結論されていました。

 「平和国家においては、政治万能の思想は存在せず、すでl=政治を越えたものが、政治を指導する関係にある」

 「およそ平和主義の原点といえば、東洋でも、西洋でも、実は宗教なのであった」

 平和な国家を築くためには、人間のあらゆる営みの基底部にあって、精神性を開花させゆく「哲学」「宗教」の力が絶対に不可欠である。

 ゆえに大熊教授も、 創価の前進に未来の希望を託してくださったのです。

 戸田先生は、青年部にこう呼びかけられました。

 「根本の哲学は、生命哲学である。われわれは、この大哲学によって、世界をリードするのである。諸君は、すでに世界的な指導者なのです」

 若くしてこの最高哲学を実践しゆく、わが青年部.未来部の友は、民衆のため、広布のため、強力な指導者に陸続と育ってもらいたい。



一緒に題目を唱え

 大事なことは、広宣流布を前進させることです。広宣流布を邪魔したり、足を引っ張ったりする魔の蠢動を断じて許してはいけない。

 戸田先生は「仏道修行をやりぬけば、あらゆる衆生から信頼され、あらゆる衆生を堂々と導いていける大境涯になる」と言われました。

 リーダーは、皆の苦しみをわが苦しみとし、皆の喜びをわが喜びとして、親身になって尽くしていくことです。

 一緒に勤行をし、一緒に題目を唱えていくことが大切です。

 そして、師の如く自分自身が先頭に立って、勝利の道を断固として切り開いていくことです。ここにこそ、真実の人間指導者の王道があります。

 曰蓮大聖人の御心のままに、「一切衆生の同一苦」に打ち勝ちゆく創価スクラム。この学会を護り、学会と共に歩む人生こそ「慈悲の中の大慈悲」(御書1467ページ)の前進です。

 尊極無上の正義の大連帯を一段と強め広げながら、朗らかに勝ち進みましょう!

 歓喜と幸福の「師弟桜」「勝利桜」を悠然と咲かせゆこうではありませんか!



 新世紀 我らの舞台と  晴れやかに 右手に哲学  左手に慈悲もて