【第12回】 不軽の不屈の精神 2  2010-6-30

「振る舞い」で決まる
 
名誉会長 正義の革命児は、怒濤の人生を恐れなく、まっしぐらに進むのです。 不軽菩薩は、増上慢の勢力にも怯まず、非暴力を貫いた。それは、人間としての最高の行動である「人を敬う振る舞い」にほかなりません。
 
大山 この「一人を大切にする」振る舞いが、法滅の時代を変えていったのですね。
 
名誉会長 大聖人は、「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(同1174ページ)と断言されています。 「人の振る舞い」こそ、仏法実践の肝要です。この振る舞いが相手の生命を変える。 どこまでも「誠意」です。 全身全霊の「情熱」です。 ひたむきな「真剣」です。 その根本は「勇気」です。 それでこそ、人々の心を大きく動かしていくことができる。不軽菩薩も、信念と誠実を貫いて、最後は勝利した。
 
佐藤 はい。不軽菩薩自身は、「六根清浄」という大功徳を得て、寿命を「二百万億那由他歳」という長きにわたって延ばします。そしてこの不軽が後に釈尊となります。 さらに御書には「不軽菩薩を罵打し人は始こそ・さありしかども後には信伏随従して不軽菩薩を仰ぎ尊ぶ」(1125ページ)とあります。 最終的には、迫害した側も、自分たちの誤りに気づいていくのです。
 
名誉会長 勇気と誠実と忍耐の勝利です。 「御義口伝」には「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(御書769ページ)とあります。上慢の四衆の仏性は、実は不軽菩薩を礼拝していると仰せなのです。 私たちが、相手の仏性を尊敬して対話をした時、たとえ、その時は反発されたとしても、相手の仏性は実は私たちの仏性を礼拝しています。 私たちが誠実に語った分だけ、仏種が植えられ、必ず相手の生命も変革への一歩を始めているのです。 勇気をもって語れば、こちらの仏性も強く現れる。相手の仏性も薫発される。 私たちの対話は、お互いが心豊かになり、「自他共の幸福」を開き、「皆が勝者」へと前進しゆく行動なのです。 「広宣流布」即「世界平和」の推進も、私たちのたゆみない対話の繰り返しの中にしかありません。
 
祈りを込めた対話を
 
大山 本当に地道な戦いだと思います。
 
名誉会長 そう。地道といえば、これほど地道な労作業もない。しかし着実に、そして確実に相手の生命は変革されます。それが「下種仏法」の対話の力です。 大聖人は仰せです。 「少しも恐れなく法華経を弘め続けたので、今は日本国の人びとの中にも、『日蓮の言うことが道理かもしれない』と言う人もあろう」(同1138ページ、通解)と。 君たちの若き対話の力が、広宣流布を大きく前進させることは間違いありません。
 
宮尾 はい。私たちは、ますます自信満々と対話に邁進してまいります。
 
名誉会長 人間は必ず変わる。それを「どうせ話しても無駄だ」と決めつけてはいけない。決めつけは無慈悲に通じてしまう。これが不軽の精神なのです。 戸田先生は言われました。 「祈りを込めた対話には、必ず強い強い仏の力がこもる」「折伏すれば信用が残る」 さらに先生は、青年に、「一人の強き生命力が、多くの人の生命に影響を与え、よりよく変えることができる。この働きを最も確実に推進する力が妙法なのである」と語られました。 君たちの勇気の声は、清々しい波動を広げる。そして、信頼を深めるのです。
 
佐藤 はい。広宣流布の対話の渦のなかで、断じて勝利を開いてまいります。
 
名誉会長 それでこそ、現代の不軽菩薩です。 あらためて言えば、「万人が尊極の存在である」という真実が見失われ、増上慢の勢力が充満している時代に不軽菩薩は出現した。そして、「人間尊敬の哲学」の力で人々の生命を変えていった。 現代にあって、友の幸福のために生き抜く学会員の姿は不軽菩薩と同じです。その不軽の勇気を青年部は受け継いでいってもらいたい。 21世紀の勝利はすべて、青年の手にかかっている。君たちの「不軽の不屈の精神」で、民衆凱歌の新時代を威風堂々と勝ち開いていってもらいたいのです。