第1回 声仏事を為す      (2012.2.1付 創価新報)

池田名誉会長が語る 勝利の人間学
 
第1回 声仏事を為す      (2012.2.1付 創価新報
 
妙法の音律が力に
 信心の根本は題目である。
 白馬が大草原を颯爽と駆けていくような、清々しい唱題を心がけたい。
 その題目の声が、行動となる。力となり、エネルギーとなる。そこから勢いも生まれる。
 たとえ一遍の題目であっても、全宇宙に響き渡る。妙法の音律は、諸天を揺り動かさずにはおかない。
 
心が声に表れる
 ある時、皆で題目三唱したが声が揃わない。戦いに臨む皆の呼吸が、合っていなかった。心がバラバラでは、皆の力も、結果も出ない。
 私は、何度もやり直した。声が揃うまで題目を唱えた。そして「前進」という合言葉を皆で何回も繰り返して叫んだ。最初は弱々しい声が、だんだん勇気凛々と力強くなっていった。皆の心に「前進する決意と自信」が漲っていった。
 心が声に表れる。声が壁を破る。声が出るようになった時、勝利へ怒濤の前進が始まったのである。
 
会合は声で決まる
 会合も声で決まる。張りのある声、確信に満ちあふれた声が響く会合をお願いしたい。
 役員の皆さんは、「仏を敬うが如く」、参加者を温かく迎え、送り出していただきたい。爽やかなあいさつの声が、時間をやりくりして会合に駆けつけた友の心を明るく満たす。
 体調のつらそうな人がいたら声をかける。帰宅の際に無事故を呼びかける──こまやかな心配りの一声が命を守る。同志を守り抜かんとする一念の音声《おんじょう》が、魔を退散させる。
 「声仏事を為す」である。声で仏の仕事をするのだ。