【第13回】 君よ輝け! 世界を照らせ (2013.5.1)

創価」は幸福者の合言葉
フランスの大文豪 ロマン・ロラン
たった一人の善人の善は人類を照らすのです。ですから、
人類が善くなるか悪くなるかは、私たちひとりひとりにかかっている。
 ──新緑が輝く季節になりました。5月3日の「創価学会の日」、おめでとうございます。
名誉会長 おめでとう! 栄光の「5・3」を全国、全世界未来部の皆さんと共に迎えることができて、本当にうれしい。
 5月の青葉のように、未来部の皆さんが、きらきらと光り、生き生きと成長してくれていることが、私の何よりの喜びです。
      
 ──5月3日は、学会の永遠の原点です。1951年(昭和26年)のこの日、戸田城聖先生が創価学会の第2代会長に就任され、「75万世帯の達成」を叫ばれました。
名誉会長 その通りです。当時、学会員は3000人ほどしかいなかったんだよ。「75万」という数字を聞いても、誰もが夢物語だと思っていました。
 しかし私は、戸田先生の誓いを、わが誓いとして走り抜きました。
 あの地この地で、悩み苦しむ友を励まし、一人また一人、一緒に立ち上がっていきました。その一波が万波となって、恩師の願業であった75万世帯を達成したのです。
 ──1960年(同35年)の5月3日、池田先生は、戸田先生の跡を継ぎ、第3代会長に就任されました。それから半世紀以上、広宣流布という人類の平和と幸福の実現を目指し、世界中を駆け巡ってこられました。
名誉会長 今や、創価の連帯は192カ国・地域に広がりました。24時間365日、たえまなく地球に題目の声が響いているのです。戸田先生は、どれほど喜んでくださることでしょう。
 この5月3日は「創価学会母の日」でもあります。一番苦労して広布に尽くしてくださる婦人部の皆さんに感謝の心を込めて、学会の大事な日を、「創価のお母さん」を讃える日にしたのです。
 ぜひ、未来部の皆さんも、お母さんに、日頃の感謝を伝える日にして下さい。
 私と妻が親しく語り合った友人に、アフリカの環境の母ワンガリ・マータイ博士(ノーベル平和賞を受賞)がいます。博士も生涯、お母さんへの感謝を忘れない人でした。「モッタイナイ」という言葉に象徴される、生命と環境を慈しむ「母の心」を世界に広めたことで有名だね。
 博士は生前、5月3日を祝して、ビデオメッセージを送ってくさいました。その中で、太陽のようなスマイルを浮かべながら、語ってくださった姿が忘れられません。
 「私が世界中を訪問する中で、確信を込めて言えることは、旅先で幸福な創価学会メンバーにお会いしなかった場所は一つもなかったということです」「お会いした学会の皆様は、本当に幸せそうでした。あまりに幸せそうなので、私は『幸福』といえば創価学会メンバーを思い描くようになりました」
 世界のどこに行っても、私たちの同志の笑顔が輝いているんです。すごい時代になりました。
      
 ──「なぜ、創価学会は、ここまで世界中に広がったのですか」と、高等部の部長から質問が寄せられました。
名誉会長 鋭い質問だね。それは、「一人一人を徹して励まし、大切にしたから」です。
 悩む友がいれば、一目散に飛んでいって励ましを送る。共に祈り、共に前を向き、共に立ち上がる。そうして蘇生した友が、今度は、勇んで友を励ましていく──。
 世界192カ国・地域といっても、その実像は、一人から一人への励ましの連鎖であり、人間革命の連続ドラマで成り立っています。これを「広宣流布」と言うのです。
 創価学会ほど、「一人」を大事にしている団体はありません。
 その中心になって頑張ってくださっている、仏にも等しい宝の存在が、皆さんのお母さん、そして地域の婦人部の先輩方なのです。
 ──「学会の素晴らしさを友達に語りたいのですが、どう説明すればいいですか」という質問もありました。
名誉会長 偉い。友達に教えてあげたいという心が、本当に尊い
 仏法や学会の素晴らしさを伝えるのに、「こう語るべき」という形式的なものはありません。日頃、座談会や部員会に参加したり、唱題したりする中で感じていることを、率直に、ありのままに話していけばいいんです。
 「いい人がたくさんいる」「みんな元気で明るい」「祈ると勇気が湧いてくる」「哲学が深い」──何でもいい。難しく考えなくて大丈夫だよ。
 そして未来部のみんなにとって、一番、良い説明があります。それは、「君自身、あなた自身が輝いていくこと」です。
 今は「勉学第一」「友情第一」で前進することが何より大切です。無理に語ろうとしなくても、君の頑張る姿が、学会の偉大さの実証になる。友を思いやるあなたの優しい心が、学会の思想の表現になる。みんなの輝く笑顔、負けじ魂で挑戦する勇姿、友を励ます声が、周囲を太陽のように照らしていくのです。
 そこで、フランスの大文豪ロマン・ロランの次の言葉を贈ります。
 「たった一人の善人の善は人類を照らすのです。ですから、人類が善くなるか悪くなるかは、私たちひとりひとりにかかっている」
 この通り、善の光で人類を照らしているのが、創価学会です。
 ──ロマン・ロランの不朽の名作『ジャン・クリストフ』や伝記『ベートーヴェンの生涯』は、未来部の読書感想文コンクールでも、よく読まれる名著です。
名誉会長 ロマン・ロラン(1866~1944年)は、私たちの初代会長である牧口常三郎先生と同時代を生きた人物です。
 彼の少年時代、祖国フランスはドイツとの戦争の敗戦などで、暗く息の詰まるような社会でした。その中で、ロラン少年は読書に希望を見いだし、大いに学び、力をつけている。
 人類愛の思想を訴えて戦争に反対し、迫害を恐れずに平和を叫び抜いた戦う文豪です。
 私も、若き日にロランの作品をよく読んだ。私が青春時代を過ごした終戦後の日本も、光が見えず混沌としていました。その中で、彼の魂の傑作は輝きを放ち、平和と自由の夜明けを告げたのです。
 ──『ジャン・クリストフ』については、かつて池田先生が創価大学で、「ああ、友といっしょにいさえすれば、苦悶までが喜びである!」などの言葉を通して、「友情こそ生涯の宝である」と語ってくださいました。
名誉会長 この世で最も尊く、信じられるものは、友情です。私もこの一点で、世界に対話の橋を架け、友情を広げてきました。
 ロマン・ロランは、若き日にトルストイの作品に感銘し、このロシアの大文豪と文通を重ねました。
 さらに、非暴力の英雄マハトマ・ガンジーや魂の大詩人タゴール、平和の信念の大科学者アインシュタイン博士、アフリカで医療に尽くしたシュヴァイツァー博士といった、偉大な指導者や知性と交流しました。世界を友情で結び、偏見や憎悪を乗り越えて善の連帯を広げることを願いました。
 このロランの夢を、私たち「創価」の平和と文化と教育の連帯は、実現しているのです。
 ──すごいことですね。
 ちょうど、未来部員から「『創価学会って何をしているの?』と友達に聞かれたけれど、うまく答えられなかった」という声が届いていました。
名誉会長 友達から、そう聞かれるのは、信頼されている証拠だよ。学会は世界規模だし、幅広い活動をしているから、一言で表現するのは難しいかもしれない。
 人々の幸福を願って仏法を実践する団体──それが創価学会です。あえて一言で言うなら、世界を元気にしているのです。
 仏法は人の振る舞いに表れ、人と人の間に脈動します。その真髄が「励まし」です。
 東日本大震災で、自身も被災しながら、友のために動く学会員の姿に、皆が涙しました。ここにこそ学会魂は燦然と輝いています。
 悩む人、苦しむ人に寄り添い、「大丈夫! あなたならできる」と励ましを送って、共に幸福の道を歩んでいく。その振る舞いに真の人間性が光り、最高の正義の道があります。みんなのご家族や、地域の先輩方の姿を見れば、納得できるでしょう。
      
 ──なかには、「学会の悪口を言われて悔しい思いをした」というメンバーもいます。
名誉会長 正義だからこそ、悪口を言われるんです。
 日蓮大聖人は、「愚人にほめられたるは第一のはぢなり」 (御書237㌻)と仰せになられた。
 牧口先生は「愚人に僧まれたるは第一の光栄なり」と言われた。
 これは、関西創価学園で話したことがありますが、ロマン・ロランも高校時代いじめにあっていた友人を守り抜きました。
 それゆえ悪口も浴びせられた。しかし、卑劣な人間たちなど逆に軽蔑しながら、正々堂々と前進していった。「まっしぐらにぼくたちの道を行こうではないか」と。
 ロランと、この友人は、互いに切磋琢磨して、共に歴史に名を残す文学者となっています。
 草創期、学会は「貧乏人と病人の集まり」とバカにされた。
 「病気が治ってから来い」「お前が貧乏でなくなったら信心してやる」などと、心ない言葉を浴びせられた。でも、何と言われようが、前進をやめなかった。
 勇敢に信心を貫く中で、病気を治し、生活を好転させ、幸福を勝ち取っていった。自分だけではない。友の幸せを祈り、地域に、社会に尽くし、勝利の境涯を開いていった。この「人間革命の歴史」が、学会の誉れです。
 学会員ほど偉大な人はいない。私は、こう断言できます。
 今や、多くの世界の識者も、社会に貢献する立派な青年を育てる学会に、最大に賞讃の声を寄せてくれています。
 世界の知性と良識が、創価学会の味方なんです。
 ──「部活や友達との約束と、会合の日程が重なってしまった時、どちらを優先すべきですか」という問いがありました。
名誉会長 全部、自由です。
 その時の自分にとって、どちらが価値的かを自分自身で決めていくのも、大事な訓練です。ご両親や担当のお兄さん・お姉さんに相談するのもよいでしょう。
 学会の会合は、参加すれば必ず得るものがある。帰る時には元気になっている。たとえ、その時は分からなくても、命の中に何かが残る。何年も後になってから、あの時、参加していて本当に良かったと思うものです。
 そのうえで、友達との大切な約束や、部活の練習・試合を優先することだって、あるでしょう。
 信心は一生涯ですから、窮屈に考える必要はありません。
 ともあれ、未来の主人公は君たちです。次の学会を創るのは、まぎれもなく未来部のみんなです。
 5月3日が学会の永遠の原点の日ならば、5月5日の「創価学会後継者の日」は永遠の希望の日です。私は、祈り信じています。君の勝利を! あなたの幸福を!