大白蓮華 2013年(平成25年)4月号(No.760)

大白蓮華 2013年(平成25年)4月号(No.760)

友から友へ 歓喜の声を
 
創価学会名誉会長 池田大作

 「勇気ある一歩を、まず踏(ふ)み出すことです。そして、一歩一歩と前に進み続けることです。そこに、おのずと道は開かれていきます」
 私たちの大切な友人である、アメリカの行動する未来学者ヘンダーソン博士は、こう微笑まれる。

 うしろを振(ふ)り向いても、何も生まれない。
 だまって座(ざ)していても、何も変わらない。
 快活(かいかつ)に動きを起こせば、そこから希望が動き出す。
 勇敢(ゆうかん)に声をあげれば、そこから力が漲(みなぎ)っていく。
 わが尊き同志は、友のため、地域のため、社会のため、快活(かいかつ)に打って出て、明るく励まし合いながら、「立正安国」の対話を粘り強く重ねてくれている。
 なんと気高(けだか)く、力強い民衆の大連帯であろうか。

 建長5年(2153年)の4月28日、全人類の生命を照らし晴らす大音声が轟(とどろ)きわたった。
 日蓮大聖人が、故郷の安房(あわ)の国から末法万年尽未来際(まっぽうまんねんじんみらいさい)へ放たれた「立宗宣言」の第一声であられる。
 大聖人は生涯、大難を覚悟され、正法正義を語られた。
 報恩抄(ほうおんしょう)には、その御心を「今度(こんど)命をおしむならば・いつの世にか仏になるべき、又何(またいか)なる世にか父母・師匠をも・すくひ奉(たてまつ)るべきと・ひとへに・をもひ切りて申し始め」(321ページ)とも明かされている。

 私たちが広宣流布の闘争に挑(いど)みゆくことは、御本仏の立宗以来の不惜(ふしゃく)の大精神に直結している。労苦は多い。多忙な日々でもある。しかし、すべてが一生成仏の道であり、最高無上の報恩(ほうおん)と孝養(こうよう)を果たす道なのだ。


 師子 吼(ほ)ゆる
  正義の叫びか
   君が声
  友を救わむ
    社会を照らさむ


 思えば、立宗宣言の聴衆は、決して大人数ではなかった。「少少(しょうしょう)の大衆(たいしゅう)に」(894ページ)と明確に記されている。
 私たちの座談会をはじめ、身近な一人一人と仏縁を結び広げていく、少人数の「草の根」の語らいも、この大聖人の法座に真っ直ぐに連なっているのだ。

 わが師・戸田城聖先生は教えてくださった。
 「広宣流布の大願に思い切って戦う我らの命には、大聖人と同じ力と福徳、同じ大歓喜が湧現(ゆげん)する。
 信心とは金剛(こんごう)の勇気である。一人の勇気ある信心から、一切の勝利が必ず開かれていくのだ!」

 この確信、この誇り、この喜びこそ、我らの変わらざる学会精神である。4月から5月へ、我らは、いやまして頑健(がんけん)なる大生命力を光らせていくのだ。 

 昭和35年の4月28日、第3代会長就任を前に、私は縁深(えにしふか)き文京支部の同志たちと語り合った。
 「さあ、日本中、そして世界へ、いよいよ新たな前進また前進だ! 一生涯、一緒に戦い勝とう!」
 この決意のまま、やがて豊島支部の初代支部長となった友は、大病や倒産を勝ち越えた喜びを語り抜き、妙法に生きる人間の勇気の力を証明するのだと、日本一の支部の大拡大を3ヵ月連続で成し遂げてくれた。

 御聖訓には、友から友への波動を「随喜(ずいき)する声を聞いて随喜し」(1199ページ)とも仰せである。

 今日も一歩前へ! 「歓喜の中の大歓喜」の題目の音律を響(ひび)かせ、あの友この友と希望の対話を広げながら、立宗760周年を勝利の大行進で飾ろう!