【第36回】 「世界平和」貢献の人材たれ  (2013.8.21)

「生命尊厳」を時代精神
 日蓮大聖人は、「一日の命は三千界の財《たから》にもすぎて候なり」(御書986㌻)と仰せである。
 全宇宙で生命より尊い宝はない。ゆえに、いかなる理由があろうと、他人の命も、自分の命も、断じて傷つけてはならない。最大に尊重していかねばならない──仏法の説く「生命尊厳の哲学」を、万人が共有する時代精神として、我らは打ち立てていくのだ。
 人類は、戦争と暴力の流転に、どれほど苦しんできたことか。この宿命の大転換に挑戦していくのが、現代における「立正安国」の対話であり、創価平和運動である。
 世界の識者の期待も、いよいよ大きい。今こそ、わが青年部が誇り高く躍り出る時だ。
地球規模で考え、地域で行動する
 どんな高邁な観念論よりも、具体的な実践が大事である。
 平和は、どこか遠くにあるのではない。身近な地域に根差して、「一人」の人を大切に励ましていくことから始まる。今いる場所で、心を開いて、仲良く賢く、人間と人間の心の絆を結ぶことが、確実な平和の創造となる。
 現代は、地球一体化の時代である。青年のスクラムで、わが地域に「人間共和」の希望のモデルを創り上げれば、そこから世界へ、千波万波を起こしていくこともできるのだ。
「人間革命」の大連帯を
 戦争が、いかに残酷に青年を犠牲にし、青春を蹂躙するか。この悲劇だけは、絶対に次の世代に味わわせてはならないと決めて、私は戸田先生の弟子として戦ってきた。
 戦争の魔性を打ち破るためには、一人一人が「人間革命」をして、心に揺るぎない平和の砦を築く以外にない。そして、青年の熱と力を結集して、平和と文化と教育の大連帯を広げていくことだ。
 人間の生命には、核兵器にも屈しない、偉大な正義の力が秘められている。若き生命を自他共に輝かせ合い、足元から友情と信頼のネットワークを拡大してもらいたい