正義 37 2014年 2月14日

 
山本伸一は、個人に即して、創価学会の合唱運動、合唱祭の意義を語っていった。
合唱祭に出演された皆さんは、歌の練習に取り組むなかで、苦手な課題を克服しようと懸命に努力されてきた。
それを通して、挑戦の心を育んでこられた。
また、合唱というのは、自分が上手ならば、それでいいというものではない。大事なのは全体の調和です。
したがって、最高の合唱にしようと努力していくなかで、広宣流布への異体同心の団結も培われていきます。
さらに、皆さんは、合唱祭の大成功をめざして、真剣に唱題してこられた。
その題目は、信心向上の力となります。自身の大生命力を涌現させ、幸福境涯を開く偉大なる功徳の源泉となっていきます。
そして、家事や仕事、学会活動をしたうえで、忙しいなか、合唱の練習に通われた。
それは、有意義な時間の使い方を身につけ、すべてをやりこなす力を引き出す訓練になったことでしょう。
私どもは、何があろうが、どんな宿命の試練にさらされようが、希望の歌””勇気の歌””喜びの歌を、さわやかに、さっそうと口ずさみながら、幸せの航路を、勇躍、進んでまいろうではありませんか!」
文化合唱祭のあと、伸一は、会場を東大宮会館(現在の南大宮会館)に移して、文化合唱祭に招待した十人ほどの僧侶と懇談した。
彼は、学会は日蓮大聖人の御遺命である世界広宣流布をめざし、重層的な布石をしながら、一途に折伏・弘教の大波を起こしてきたことを語った。
そして、今後も、力の限り宗門を守り、僧俗和合して広宣流布、令法久住のために進んでいきたいと訴えた。
また、僧侶方には、仏の使いである健気な会員を、慈悲の衣で包み込むように、大切にしていただきたいと念願したのである。
僧の反応は、さまざまであった。頷く僧もいれば、下を向いて視線を合わせぬ僧などもいた。
しかし伸一は、心の扉を開こうとするように、誠意をもって語りかけていった。
 
■語句の解説
◎令法久住/「法をして久しく住せしめん」と読む。法華経見宝塔品第十一の文。未来にわたって、妙法を伝えていくこと。