正義 38 2014年 2月15日

 
四月十六日午後、山本伸一は、埼玉訪問を終えて東京に戻ると、すぐに聖教新聞社で執務を始めた。
すると、会館管理者のグループである「礎会」の関西・北陸婦人部のメンバーが、研修で学会本部に来ているとの報告が入った。
「そうか。皆さんとゆっくりお会いし、御礼を言いたいな。陰で苦労して、会館を守り支えてくださっている方々だもの。
しかし、今日は、あまり時間がないので、皆さんがよろしければ、一緒に記念撮影をしよう」
多忙であっても、皆を励まそうという心があれば、激励の方法はいくらでもある。
午後五時前、伸一は、聖教新聞社の前で、五十人ほどのメンバーと記念のカメラに納まり、励ましの言葉をかけた。
「遠いところ、ようこそおいでくださいました。
皆さんの陰ながらのご苦労は、よくわかっているつもりです。周囲への心配りも大変でしょう。
また、近隣のお宅には、学会を誤解し、悪い印象をいだいておられる方もいるかもしれない。
しかし、だからこそ、自分がいるんだ。私は、学会の全権大使なんだとの自覚で、近隣に、地域に、学会理解の輪を広げていってください。
学会や仏法への理解といっても、それは、人を通してなされるものです。
だから大聖人は、『法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し』(御書八五六ページ)とおっしゃっているんです。
皆さんの日々の振る舞いが、あいさつの一声が、広宣流布を開いていくんです。
建物の礎というのは、外からは見えにくいものです。
しかし、その礎が、建物を支えている。同様に、創価学会を支えてくださっているのは、『礎会』の皆さんです。
学会の全幹部が、皆さんのように、私は広宣流布の、創価学会の、会員の皆さんの礎になろう。
自分の存在など、誰も気づかなくともよいとの気概をもてば、広宣流布の前進は、今の何倍も加速していきます」