小説「新・人間革命」大道 32 2015年3月19日

山本伸一は、法華経普賢菩薩勧発品」の講義の最後に訴えた。
「私どもは、互いに同志として尊敬し、仲良く、団結して進んでいくことが大事です。
団結こそ、広宣流布の力であるからです。
経文、御書に照らして、広宣流布の団体である創価学会の前進を阻もうと、魔が競い起こることは間違いありません。
それは、外からの、権威、権力の弾圧や迫害となって起こることもあれば、同志間の怨嫉などの問題となって、内側から現れる場合もあります。
特に私たちが、用心しなければならないのは、内部から蝕まれていくケースです。
会員同士が怨嫉し、互いに恨んだり、悪口を言い合ったりするようになってしまえば、信心に励んでいても歓喜はありません。功徳、福運も消していきます。
ましてや幹部が反目し合って、団結できず、陰で足を引っ張り合ったりすれば、仏意仏勅の組織は攪乱され、引き裂かれ、広宣流布が破壊されていきます。その罪は大きい。
皆さんが仲良く団結しているということは、皆さんが境涯革命、人間革命をしている証明なんです」
大聖人は、「日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば例せば城者として城を破るが如し」(御書一三三七p)と、団結を破る大過を戒められている。
また、外敵は、団結できないところを狙って付け入り、師弟や同志を離間させ、反目させようとする。
したがって、どこまでも鉄桶の団結をもって、魔に付け入る隙を与えないことが、同志を守り、広宣流布を大きく前進させる力と
なるのだ。
二回目の勤行会の終了間際、伸一は、「この道の歌」を皆で歌うことを提案すると、賛同の大拍手がわき起こった。
集っていた各部合唱団と参加者が一体となっての、はつらつとした大合唱が始まった。
この時、既に三番の歌詞は、「夜空にはずむ 語りべに……諸天舞え」となっていた。天をも動かす歓喜の歌声がこだました。