小説「新・人間革命」大道 41 2015年3月30日

山本伸一は、「ああ感激の同志あり」の合唱が終わると、歌詞を解説していった。
「この歌は、四国で制作を進め、中部の地で仕上げました。
曲名にも入っていますが、『感激』ということが歌の主題です。
信心に励んでいくうえでも、幸福を確立していくうえでも、それが最も大事だからです。
『感激』できる人は、何事にも感謝していける、清新で謙虚な、豊かな生命の人です。
反対に、傲慢で、人が何かしてくれて当然であると考えている人には、『感激』はない。
日々、『感激』をもって生きている人は幸せです。
その『感激』を生み出す根本は、清らかな久遠の生命に立ち返ることです。それは、朝の朗々とした勤行から始まります。
一番の『おお東天に 祈りあり 元初の生命の 曙は』というのは、そのことを示しています。
満々たる生命力をたたえた朝の太陽を浴びながら、すがすがしい心で、力強く、一日の行動を開始していくんです。
そのころには、『聖教新聞』の配達員さんは、既に新聞を配ってくださっているでしょう。
また、『感激』は、受け身になり、義務的に信心に取り組んでいたのでは生まれません。率先して行動を起こし、真剣勝負でぶつかっていく、その実践のなかにあるんです。
二番の『おお中天に 燦々と』は、昼間です。婦人の皆さんが、さっそうと自転車を漕いで、頑張ってくださっている。
婦人部は、本当に健気で清らかであり、学会の宝です。
三番の『夕陽をあびて 尊くも』というのは、それぞれの仕事を終え、夕陽に照らされて、一生懸命に会合等に駆けつけてくださる尊い姿です。
皆、地涌の使命の人です。
疲れもあるだろうが、学会活動は、すべてが充実感に変わり、明日への活力になっていきます。
そして四番の『夜空に満天の 星座あり』は、星空を仰ぎ、あの友、この友を思いながら、歓喜を胸に家路に就く様子です。互いの幸せを願い、祈り、誠心誠意、励まし合う──こんな世界は、学会しかありません。
だから、『ああ感激の同志あり』なんです」