小説「新・人間革命」大道 40 2015年3月28日

東京の歌「ああ感激の同志あり」の歌詞が紹介されたあと、壮年部の「地涌合唱団」、婦人部の「白ゆり合唱団」、男子部の「しなの合唱団」、女子部の「富士合唱団」による合唱となった。
歌の初披露である。
指揮を執ったのは、この歌の作曲をした青年であった。
彼は、小学校の音楽教諭で、混声「創価合唱団」でピアノを担当していた。
長身の彼の指揮に合わせ、荘重でありながら明るく、力強い歌声が場内に響いた。
皆、歌を聴きながら、「これまでの学会歌にはない、新しい感覚の歌だ」と思った。
歌詞の意味を噛み締め、感動しているうちに合唱は終わった。
山本伸一が言った。
「もう一度、今度は全員で歌おう!」
東京の幹部が指揮を執ることになり、扇を手にした。すると、伸一の声がした。
「扇子というのは、いかにも日本的ですね。タクトにしませんか!歌に国境はないんですから。タクトの方が、世界的でしょ」
拍手が起こった。
その幹部は、タクトで指揮を執ったことなどないために、いささかぎごちなかったが、それでも、はつらつとした大合唱が始まった。
 
♪おお東天に 祈りあり
 元初の生命の 曙は……  
 
歌いながら、皆が決意を新たにしていた。
"「汝の勝利は 確かなり」とあるように、必ず宿命を転換し、幸福という勝利の実証を示すことができるのだ。確信の火を燃やし続けていくのだ2と、自分に言い聞かせ
る婦人部もいた。
"三代の会長が一人立ち、死身弘法の実践をもって、広宣流布の大道を開いてきた本陣・東京だ。その東京で活動できるということは最高の誉れだ"と、感激を深くしながら、勝利への誓いを込めて熱唱する壮年部もいた。
学会歌は決意と共にある。ゆえに、その歌声の轟くところに、勝利の太陽が昇るのだ。