小説「新・人間革命」大道 43 2015年4月1日

山本伸一は、さらに訴えた。
「第二に、支部の皆さんのために尽くすことは、広宣流布のためであり、その功徳は無量です。
ゆえに、人材育成の労苦は、すべて自分のためであることを確信してください。
第三に、一生成仏への最も尊い仏道修行をさせていただいているのだという感謝と喜びをもって、強盛な信心を貫いてください。
第四に、支部の皆さん全員が、功徳を受けきっていくように、日々、深き祈りを捧げる、慈悲のリーダーであっていただきたい」
彼は、支部総会の開催を前にして、支部長・婦人部長としての最も根本的な心得を語っておきたかったのである。
そして、伸一は、こう話を結んだ。
「日々の生活も、広宣流布の道も、決して順風満帆な時ばかりではありません。辛い時も、苦しい時もあるでしょう。
しかし、行き詰まったらお題目です。私たちには、御本尊があるではありませんか!
強盛な信心、強盛な祈りこそが、一切を開き、決定づけていきます。唱題第一に、悠々たる境涯を開いてください。
泥沼のような現実の世界で苦闘を重ね、幸福と勝利の白蓮のごとき大輪を咲かせ、大実証を示していくのが地涌の菩薩なんです。
皆さんは、誉れの東京の「晴れの支部長」であり、「花の支部婦人部長」です。
自信と確信に満ち満ちた一歩前進の指揮を頼みます。
最後に、『大東京、万歳!』と申し上げて、私のあいさつとさせていただきます」
感激のうちに、歴史的な東京支部長会は幕を閉じた。
伸一は、この「ああ感激の同志あり」の歌詞を毛筆で認めた。その冒頭に、東京を舞台に広布に走り戦う八十万の地涌の友が、無事、安穏の日々であるよう、ひたすら祈りながら、一詩を詠んだことを記した。
そして、大東京が永遠なる勝利の都であること
を願い、万感の思いを込めて、こう綴っている。
 「ここに再び 大切にして 尊き佛子の 慧光照無量 寿命無数劫 を祈り贈る」