小説「新・人間革命」大道 57 2015年4月17日

県長会議で、山本伸一から、「北陸の歌」を作詞したことを聞かされた、石川県と富山県の北陸のメンバーは、歓声をあげた。
昨日の懇談会で、歌を作ってほしいと要望した婦人が、目を潤ませて言った。
「先生! ありがとうございます。昨日、お願いしたばかりなのに……」
「皆さんが、喜んでくださるなら、なんでもします。それが、私の誓いなんです。
それから、神奈川はいますか?」
「はい!」と言って、神奈川のメンバーが手をあげた。
「神奈川県の歌の歌詞も作りました! これから神奈川は、ますます大事になります。
来年には、横浜に神奈川文化会館も完成する。いよいよ神奈川の時代です。
戸田先生を会長に推戴する弟子の赤誠として、大弘教の火蓋を切ったのは神奈川の鶴見支部です。
聖教新聞創刊号を飾った『聖火鶴見に炎上』の見出しを、私は永遠
に忘れません。
神奈川の皆さんの胸中に、あの闘魂が赤々と燃え盛っている限り、どんな苦難の闇も打ち破っていけます。
幸せの最大の要件とは何か──広宣流布への闘魂です。炎のごとき弘教の一念で
す。格好や見栄に振り回されていては、幸せはない。
一滴の露は、はかなく消えてしまう。しかし、大海に連なるならば、地球をも包む。広宣流布に身を投じるとは、大海にわが身を置くことであり、そこから大境涯が開かれていきます。
また、戸田先生が『原水爆禁止宣言』を行ったのも神奈川です。神奈川は、創価平和運動の源流なんです。
広宣流布』即『立正安国』です。正法の広がりは、社会の繁栄と平和をもたらすものでなければならない。
思えば、日蓮大聖人が『立正安国論』を認められたのも、神奈川の地ではありませんか。
一人ひとりが、勇気をもって、自分の周りから、対話のうねりを起こして、仏法を社会に開いていくんです。
対話の先駆であるとの誇りをもって進んでください」