小説「新・人間革命」大道 58 2015年4月18日

 
県長会議では、これまでに山本伸一が作り、贈った各方面歌のテープを聴いた。
このあと、神奈川の歌「ああ陽は昇る」の歌詞が紹介されたのである。
  
 一、世紀の海に こだまする
   清き祈りは 舞い舞いて
   神奈川天地に 慈雨の羽
   生きとし生きる 歓喜あり
   ああ陽は昇る 我等の胸にも
   
 二、尊き歴史の 我が舞台
   無限の光は 消えまじき
   その松明を 地涌こそ
   かかげん弘めん 久遠まで
   ああ陽は昇る 我等の城にも
   
 三、この世悔いなく 暁鐘を
   広布の友は 雲と涌く
   このリズムをば 誰人も
   讃え仰がん 限りなく
   ああ陽は昇る 我等の同志にも
  
伸一は語った。
「『ああ陽は昇る』──ここに私は、万感の思いを込めました。神奈川の皆さんは、常に、何があろうが、わが胸に生命の太陽を輝かせ続けていただきたい。
ある意味で、生きるということは、宿命の嵐が襲う闇夜を、手探りで進むようなものである。
苦悩と戦いながら、必死に活路を開いていかねばならない。
しかし、太陽が昇れば、すべては明瞭に映し出される。凍てた大地も蘇り、花が咲き、蝶が舞う。
『太陽』とは、わが己心の仏の生命です。
そして、家庭、地域、職場にあって、皆さんご自身が、『太陽』の存在であっていただきたい。
友の悲しみの窓辺を照らし、周囲の人びとに、歓喜の光を、勇気の光を、希望の光を送り続ける、励まし人であってください。
日蓮仏法は太陽の法門です。ゆえに、私たちも太陽の存在であらねばならない」