小説「新・人間革命」 大山 五十五 2017年3月8日
山本伸一は、静岡研修道場で、世界の平和を推進するために、各国の指導者、識者らとの今後の交流や、文明・宗教間の対話をいかにして進めるべきかなど、深い思索を重ねていった。
既に、この時、学会の支配を企む弁護士の山脇友政と宗門僧らの陰謀によって、伸一は自由に会合にも出席できない状況がつくられていたのだ。
──会長を辞めるのだから、会合に出席して指導するのはおかしい。
その話や行動を機関紙誌に報道する必要はない。
結局、伸一に関して「聖教新聞」が伝えることができるのは、海外の訪問や要人との会見などに限られ、彼の会内の活動は功労者宅の訪問や個人指導等に制限された。
邪智の反逆者と悪僧らの狙いは、伸一を徹底して排除し、学会員と離間させることにあった。そうすれば学会を自在に操り、会員を自分たちに隷属させられると考えたのだ。
そこに創価の精神の源流が開かれた。
そして、伸一は、同志と師弟の絆で心を結び合い、世界広宣流布をめざして進んできた。
広布の大使命に生きる学会なればこそ、第六天の魔王は牙を?いて襲いかかるのだ。