大白蓮華 2017年(平成29年)2月号(No.808)
巻頭言
ブロックは幸福拡大の起点なり
大地なくして、万物(ばんぶつ)の成長はない。
我ら創価の連帯には、「地区」そして「ブロック」
という、地涌(じゆ)の人華(にんげ)を咲(さ)かせ広げゆく大地がある。
その豊かな土壌(どじょう)が、「一生成仏」のために、心の滋養(じよう)を尽(つ)きることなく贈ってくれる。常に励ましの陽光が惜(お)しまずに降(ふ)り注(そそ)がれ、どんな凍(い)てついた心も温(あたた)め、蘇生(そせい)させずにはおかない。
日本中、世界中のいずこにも、この希望の光の天地が開かれているがゆえに、「冬は必ず春となる」(1253ページ)という幸福のドラマが生み出されるのだ。
中心に輝(かが)く地区部長、地区婦人部長、さらにブロック長、白ゆり長、総白ゆり長など、誇(ほこ)り高き最前線のリーダーの方々に、私は最敬礼(さいけいれい)を捧(ささ)げたい。
日蓮大聖人は、門下に仰せになられた。
「一切(いっさい)の諸人(しょにん)之(こ)を見聞(けんぶん)し志(こころざし)有(あ)らん人人は互(たがい)に之を語(かた)れ」(967ページ)
身近な地域に根差して、顔の見える仲間が、たゆみなく集い、大仏法を共に学び、互いに語り合う。
御本仏が願われた、この異体同心(いたいどうしん)の前進のリズムに完璧(かんぺき)に則(のっと)っているのが、地区であり、ブロックだ。
富木常忍夫妻(ときじょぅにんふさい)も、四条金吾(しじょぅきんご)・日眼女夫妻(にちげんにょふさい)も、阿仏房(あぶつぼう)・千日尼夫妻(せんにちあまふさい)も、それぞれに、現代でいうならば、まさに地区やブロック等に通ずる地域を担(にな)い立ち、同志を守り、広宣流布を進めていったと思われる。
だからこそ私も、あの二月闘争で「組」すなわち
ブロックを起点として、拡大の波動(はどう)を起こしたのだ。
ブロックは
久遠(きおん)の宝友(とも)の
幸(さち)の園(その)
桜梅桃李(おうばいとうり)で
皆が咲(さ)きゆけ
法華経に「若(も)し法を聞くこと有らば 一(ひと)りとして成仏せざること無けん」(法華経138ページ)と記(しる)される。
一人もかけず――この仏の大誓願を実現しゆく現場が、ブロックであり、地区といってよい。
一人一人に光を当てて励ますからこそ、競(きそ)い起こる障魔(しょうま)を打ち破(やぶ)り、人間革命の実証を示せる。
わずかな縁(えん)の人も、大聖人は「ゆめゆめ疎(おろそ)かにすることはない」(1489ページ通解)と大切になされた。
なかなか会合に出られないなど、様々な状況の友に、こまやかに心を配(くば)り、足を運び声をかけるリーダーの振る舞いは、まさに御本仏に直結している。
それはまた、国連が志向する「誰(だれ)も置き去りにしない」社会の建設にも、連動していくといえよう。
「困難(こんなん)があるから福徳(ふくとく)も大きい。励(はげ)まし合って、強く朗(ほが)らかに勝ちゆくのだ」と、恩師は叫(さけ)ばれた。
あの大阪の戦いの折、関西本部の勤行会に幼子(おさなご)らを連れ、遠慮(えんりょ)がちに後ろで参加していた母がいる。
夫の失業(しつぎょう)や姑(しゅうとめ)の介護(かいご)に直面しつつ、地区の太陽として「蝸牛(かたつむり)のような歩みでも、苦しむ人と一緒に勝ちたい、皆に功徳を受けさせたい」と戦ってくれた。
その誓いの通りに、自他共(じたとも)の幸福勝利を飾(かざ)られた。
幼子らも大学教授等となり、後継の道を歩んでいる。
ともあれ、大聖人より託された広宣流布の大地から、地涌の人材が躍(おど)り出ないわけがない。友情の花が咲き、仏縁(ぶつえん)の実りが広がらないわけがない。
さあ、新たな幸福拡大の劇(げき)を、我らの地域から!