小説「新・人間革命」 雌伏 六十四 2017年6月8日

山本伸一は、勇将グループのメンバーと、目黒平和会館の階段で記念のカメラに納まった。
そして、目黒長の佐々井幸啓に言った。
「活動は明るく、はつらつと進めていくんだよ。みんな、ありのままでいいんです。
リーダーは、画一的に物事を進めるのではなく、どうすれば、それぞれの人が自分らしく、伸び伸びと、最も力を発揮していけるのかを考えていくことです。
また、前進の牽引力となるのは、リーダーの率先垂範です。自分の行動と情熱、真剣さで、皆を触発していくんです。
同志の心に歓喜と闘魂を燃え上がらせるのが勇将です」
以来、十一カ月ぶりの訪問であった。
会館のロビーには、子どもたちの声が弾み、何人もの壮年や婦人の姿があった。
これから二階の広間で、柿の木坂支部支部セミナーが開催されるという。
「皆、大変ななかで、胸を張って頑張っているんだね。嬉しいね」
彼は、子どもたちも含め、そこにいたメンバーと一緒に写真を撮った。
会館の三階に上がると、二十人ほどの壮年が集っていた。なんと、あの「勇将グループ」の研修会であった。
責任者を務める本部長の勝田常一が、感極まった顔で言った。
「先生! ありがとうございます」
「不思議だね。また、『勇将グループ』の皆さんとお会いできるなんて」
「前回、記念撮影していただいたメンバーは卒業し、今回は、新しいメンバーが集っています」
「すばらしいことだ。陸続と人材が育っていってこそ、広宣流布の前進はある。
現状維持は停滞です。創意工夫をかさね、常に現状を打破し、希望へ、勝利へ、未来へと進んでいく力が信心です。
どうか、一人立つ一騎当千の人材を育て続けてください。目黒は全員が勇将となり、常に勝利の大道を開き、その精神を世界に伝え抜いてほしい。
『勇将・目黒』万歳だ!」