小説「新・人間革命」 雄飛 二十六 2017年7月14日

関西文化会館では、会長の十条潔が出席して、既に記念勤行会が始まっていた。
山本伸一は、会場である同会館の三階に向かい、勤行会の最後に入場した。
皆、今か今かと、伸一の登場を待っていただけに、喜びは一気に爆発した。
彼はマイクに向かった。
「輝くばかりの五月晴れのこの日、『創価学会の日』並びに関西文化会館の落成
を記念する勤行会の開催、まことにおめでとうございます。
心から祝福申し上げます。
妙法は、永遠不滅の法である。この妙法を信受したわれわれの生命もまた、妙法
と共に永遠であります。
その永遠の生命から見るならば、今世は、広宣流布の使命旅の一里塚といえるかもしれない。
広布の道は、魔との戦いです。
御書にも、八風に侵されることなく、信心の大道を歩み抜くことの大切さを説かれている。
この八風とは、目先の利益や名誉、称賛、譏り、苦しみ、享楽等々、人心を扇
動し、信心を失わせてしまう働きをいいます。
自分の心を制する人間革命があってこそ、自身の幸福の確立も、広宣流布の前進もあります。
私どもは、潔い信心で、この八風に打ち勝ち、再び二十一世紀への希望の出発を開始していこうではありませんか!
大関西は、日本、全世界の模範となり、永遠に広宣流布の先駆となってください。
私も関西の皆さんと共に、新しい常勝の歴史を、新しい人生の歴史を、生涯、綴っていく決意であります。
最後に『関西万歳!』と申し上げて、皆さんの真心に甚深の敬意を表して、あいさつとさせていただきます」
次いで「常勝の空」の大合唱が始まった。
 
 今再びの 陣列に……
  
常勝の空高く、凱歌は轟いた。それは、衣の権威に抗して、仏法の人間主義の旗を高く掲げ立った、創価の師弟の決起であり、目覚めたる民衆の宗教改革の烽火であった。